ILL SLANG BLOW’KER / BACK TO ILL (CAVE FUNK)CDR
昨夜は代官山の UNIT で行われた、 THINK TANK 主宰の「EL NINO」に行ってきたんですが、結論からいえば、期待が大きかった分ちょっと不完全燃焼でしたかね。まぁ理由は色々あるんだけど、一番大きかったのは、やはり音響面のバランスの悪さですかね。2年位前に行ったイベントのときもそうだったんだけど、この箱ってライヴとかになると、高音だけやたらでかくなるんだよね。だからマイク使うとなんかグワングワン言ってるだけにしか聴こえないし、ヒップ・ホップみたいに複数人でマイク使うと、もう頭痛くてフロアにいられないのですよ。まぁそれでもフロアに人は沢山人が残ってたわけだし、単に私が慣れてないだけなのかもしれないけど、テクノのイベントのときや DJ のときにはそんな事思った事ないんだから、ちょっと何とかしてほしいなぁ。
っつうことで目立ったのだけ簡単に。
Rebel Familia の秋元武士によるダブ・バンド、 The Heavymanners 。秋元武士なんで、どんなぶっ飛んだ音なのかと思ったら、ずいぶんと真っ当なダブ/レゲエ。全然悪くはないんだけど、なにもこの人がやらなくても、って感じ。でも途中から Shing02 が加わってからが最高。ヒップ・ホップ特有の、良くも悪くもダラダラした感じが一切なくて、長い手足を目一杯使ったアクションも、ラップも全てがシャープで、とにかくカッコよかった。この日のベスト。
次は DJ NOBU 。ほとんどがヒップ・ホップよりの面子の中で、一体どんなプレイを聴かせてくれるのかと思ったら、普通にミニマル回しててもう最高。終始エフェクトを効果的に使いつつ、終盤には “Enfants” や “Spastik” も回して、きちんと盛り上げるあたり、もう流石でした。
とまぁ、ここまでは結構満足度高かったんですが、問題はここからですね。
続いて Think Tank と Flying Rhythms という危険な組み合わせ。しかし予想以上に Think Tank の色が濃くて、 Flying Rhythms が刻む様々なリズムの上で、のらりくらりと、そして絶妙にダラダラとラップを乗せていく。しかし同時に混沌とした空間も作り上げていて、怠惰と混沌が入れ替わり立ち代り支配するステージは、かなり独特で面白い。でも 3MC のラップが、最初書いた理由で、すげぇうるさくて、ちょっと面白さ半減でした。
その後知らない人の DJ はさんで、この日のメインとは思えぬほど地味な扱いの Olive Oil のライヴ。でもこの人の場合は、逆に低音がイマイチ足りなくて、さらに全編ゆったりとしたブレイク・ビーツを鳴らすもんだから、時間帯も相まって眠気倍増。
Olive oil のライヴの終盤、 Nuffty と Freez が参加して、そのまま Ill Slang Blow’ker に。そもそも Ill Slang Blow’ker というのは、 Ramb Camp の Freez 、 Bigface に、 Natural 9 Nation の Yura 、Cube の Nuffty 、 DJコードによって2002年にツアーをまわる為だけに結成されたグループで、同年のツアー中に空中分解したものの、その後のメンバーの活躍もあってか半ば伝説と化していて、まぁつまりは今回一番期待していたグループなわけです。でもそのツアー中のライヴでは、一回もメンバーがまとまったことがなかったらしいので、見る前は超最低か超最高のどっちかじゃないかと思ってたんだけど、実際にはどっちでもない、なんかイマイチな中途半端なもの。とにかくね、この日は Yura が全然ダメでしたね。途中から音うるさくて、フロア入り口近くのモニタで見てたんで、もしかしたら違うかもしれないんだけど、ステージの隅っこにいるだけで、ほとんどラップしてなかったっぽいし。まぁその分他の3人は、それなりにまとまってたけど、特別どうこうってもんでもなかったしなぁ。4人では初の東京ライヴ、そのバックは Olive Oil で、横には Inno がいるという図柄は豪華だったんだけどね。
なので後半のイマイチ感のせいで、イベント自体の印象もイマイチだったんだけど、これはそのイベントで手に入れたもの。今回の復活ライヴもびっくりしたんだけど、まさか音源まで出るとは思いませんでした。
彼らが2002年に出した前作は、アンダーグラウンドでは名盤として評価されているけど、今作は前作の衝撃再び、みたいなものでは全然ない。 “intro” を除いた4曲、全てがほとんど展開もサビもないスロー・ファンクで、その上に乗る4人のラップを含め、あまり抑揚のない、いってしまえばダラダラした曲。しかしコレが良くないのかといえばそんな事は全然なく、むしろ最高なんだから困ってしまう。それはやはり各人のラップがきちんと色を持っているからで、 Yura の声が低くなった事で(最初誰だかわからなかったよ)、声質的な面での幅はずいぶん狭まったんだけど、最初のインパクトはなくとも、何度も聴いてしまう気持ちよさがある。
それにスーパー・グループ的な特別感のなさが、このグループの健全さを表してると思うし、今の日本のヒップ・ホップに欠けがちなゆるさを持っているという意味でも、色々面白い盤ではないかと。





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