Love At First Sound, LUUUL, dj_amps, Liquorish Records, Marvel Alexander, Vermin Womb, White Ward

A U D R ALove At First Sound / Nothings Changed
bandcamp、soundcloud、twitter それぞれで出身地が異なっているので、何処の人だかよく分からないシンガー/ラッパーさん。前半は沈み込むような重いビートに囁くようなヴォーカルが乗り、女性のナレーションを挟んでの後半は情緒的な R&B と2部構成になっている不思議な曲。他に上がっている曲と纏めて『A U D R A 』というアルバムになるもよう。
Listen To The SeaLUUUL / Listen To The Sea
いつも参考にさせてもらっているブログ「Nobody Loves Me」で紹介されていたんで聴いてみた、ベルギーのプロデューサー Romain Bauthier さんのプロジェクト LUUUL の3曲入り EP。ゆったりとした4つ打ちのビートに柔らかなギターが乗る、という構成は3曲とも同じなんだけど、ギターの音色の心地よさと、メロディの素晴らしさだけで全然 OK な感じ。
DownloadCiara / Body Party (Amps Footwork Re-mix)
群馬在住のトラックメイカーが Ciara の曲をリミックスしたもの。奇抜さはないが、原曲の雰囲気を損なわずにジュークにした好リミックス。
XMAS LP - Vol.3V.A. / XMAS LP – Vol.3
オランダのレーベル Liquorish Records が2014年末に出したクリスマス・コンピ(今更紹介かよって感じですが)。
基本的にジュークがほとんどなんだけど、中にはムード歌謡みたいな曲があったりと、ごった煮感覚が楽しい。日本人アーティストも多数。
Dont Die YetMarvel Alexander / Dont Die Yet
L.A. のラッパーさんがアルバム『Don’t Die Yet』からフリーで配信した曲。Sango のプロデュースの割には地味な曲で、抑揚が大きいラップは可もなく不可もなく。
PermanenceVermin Womb / Permanence
アメリカのデスメタル・バンドが2014年9月に発表した、多分初のアルバム。最近ブラック・メタルばかりでデス・メタルはほとんど聴かないんだけど、これは超突猛進という感じがひたすらカッコいい。
RiptideWhite Ward / Riptide
ウクライナのブラックメタル・バンドが昨年出した EP 。激しさよりも情緒性が前面に出ているので、この手のものとしては比較的聴きやすい(ヴォーカルはもちろんアレですが)。

“Love At First Sound, LUUUL, dj_amps, Liquorish Records, Marvel Alexander, Vermin Womb, White Ward” の続きを読む

Wreck And Reference / No Content (Flenser) mp3

Wreck And Reference / No Content (Flenser)
http://theflenser.com/

バンドなのかソロ・プロジェクトなのか、情報が無くてよく分からないんですが、とにかくカリフォルニア出身の Wreck And Reference が2013年5月に発表したシングル。フィジカルは7インチのみで、データは name your price 。

今作の1曲目 “Absurdities & Echoes” をジャンル分けすると何か、と問われれば、一応メタルという事になるんだろうけれど、まるで慟哭のようなヴォーカルであったり、ノイズやドローン、アンビエントが溶け合うようなギターやシンセだったり、そんな中にあって硬くはっきりとした音でタメの効いたリズムを刻むドラムであったりと、どれもメタルっぽくはあるものの、それでいて独特な要素が多く非常に個性的。
また全体としても、こちらを徐々に引きずり込むような沼を思わせる感じは非常に面白いし、また曲を引っ張っているドラムが、前述したようにはっきりとした音で前面に出ているので、曲がぼやけすぎていないのも良い。

2曲目の “Abhorrence” はヴォーカル、ドラム共に前のめりで、こちらの方が幾分普通のメタル的な要素は強い。ただサビらしいサビもなく絶叫して終わるとこなんか、ハードコアに近い感じもあって、緊張感を高めるだけ高めて唐突に終わるところとかかっこいい。

“Wreck And Reference / No Content (Flenser) mp3” の続きを読む

Wolfgang Voigt / Rückverzauberung 6 (Magazine) mp3

Wolfgang Voigt / Rückverzauberung 6 (Magazine)
http://www.magazine.mu/

Mike Ink とこと Wolfgang Voigt が2012年に出したシングル。

2010年前後から活動を活発させてからの Wolfgang Voigt は実験的な側面が非常に目立つようになっており、中でもピアノを使ったものが多いですが、今作もそんな感じ。
ピアノの低音だけを切り取ったようなドローンと、オペラのものと思われるヴォイスサンプルで不安を煽ると同時に、うっすらと降り注ぐ陽光のように美しいシンセという二重構造のアンビエントな1曲目。これまた気味悪く引き伸ばされたヴォイスサンプルと不規則に鳴るピアノが妖しい2曲目と、どちらも悪くはないんだけど、正直何度も聴きたくなるような曲ではない。
それらに比べると3曲目は、上モノの感じは先の2曲と変わらなかったり、12分という長尺だったりはするものの、四つ打ちのキックが入っているので、これだけで大分聴きやすい。

ちなみに昨年の年間ベストには、今作を入れているところが結構あったのよね。それだけ評価が高かったという事なんだろうけど、ダーク・アンビエントとかモダン・クラシカルの流れなんだろうか・・・。

“Wolfgang Voigt / Rückverzauberung 6 (Magazine) mp3” の続きを読む

Wynter Gordon / Human Condition Pt 2: Sanguine (Self Released) mp3

Wynter Gordon / Human Condition Pt 2: Sanguine
http://wyntergordon.bandpage.com/

ニューヨーク出身の歌手 Wynter Gordon が2013年1月に発表した EP 。

過去に David GuettaFlo Rida 、日本の DJ KOMORI と共演してるみたいだけど、私ははじめて聴いた。

んで、その共演した事のあるアーティストの名前見ても、イマイチ彼女がどんな歌い手なのか想像しづらい感なんだけど、それは今作を聴いても変わらず。

ゆったりとしたバラードの “Tomorrow” で始まり、弾むようなメロディのポップス “Lucky Ones” 、ベースが前面に出たトラックの上で加工された彼女のラップが乗る “TKO” 、抑えた感じのバースから荘厳なサビに流れるバラード “Reach Out” 、四つ打ちの上でオリエンタルなメロディを歌い上げる “Levitate” と、どの曲も方向性がバラバラで、彼女の本来のスタイルというものが何なのかはよく分からない。

ただ、本作に関しては、それぞれのスタイルをしっかりとものにした歌を Wynter Gordon と聴かせていて、つまり彼女の歌が一本の芯として作品を貫いているので、ことさら散漫な印象は受けないし、逆にスタイルの違いを多様性として楽しめる。

あと今どきソウルや R&B の匂いを全くといっていいほど感じさせないのも逆に新鮮でした。

“Wynter Gordon / Human Condition Pt 2: Sanguine (Self Released) mp3” の続きを読む

WAX / 50005 (Wax) mp3

WAX / 50005 (Wax)

Shed の名義で知られる René Pawlowitz が、2013年1月に Wax 名義で出したシングル。
René Pawlowitz 自身は様々な名義でそれほど間を空けずに作品を発表しているが、 Wax 名義では約2年ぶり。

Shed って『Shedding The Past』(関連記事)のときは比較的繊細な音作りをするアーティストという印象だったのが、いつの間にか非常に太いリズムを鳴らすようになっていて、それゆえにダンスを意識した名義である Wax や eqd との差異が分かりづらくなっていました。

そこを本人も意識しての事なのかは分からないが、今作はむしろ以前の Shed を思わせる繊細な音作りになっている。

特に A 面の曲は、四つ打ちのキックこそあるものの、そのキックもポツポツと鳴るような頼りないもので、そこだけを抜き出せばダンスとは結び付けづらい。しかし徐々に入ってくるシンセの、空間的な拡がりを感じさせながらも、同時に深い余韻も残す音が非常に美しく、またその間を縫うようなハイハット、そしてリズムが絡み合う事によって、緩やかながらもグルーヴを紡いでいて流石の完成度。

一方 B 面の曲は、太いリズムに、ミニマル・ダブ的な上モノが乗るいつもの Wax という感じ。しかしダブ処理による残響音を少し鳴らして、以降断ち切ることによってなんとも骨太な印象に仕上げていて面白い。

今度はこっちの名義でもアルバム出してほしいものです。

試聴

“WAX / 50005 (Wax) mp3” の続きを読む

Waka Flocka Flame / Duflocka Rant 2 (Self Released) mp3

Waka Flocka Flame / Duflocka Rant 2
http://www.wakaflockabsm.com/

眠いので簡単に。

ニューヨーク出身のラッパーさんが2013年2月にだしたミックステープ。

ゲームを模したジャケットにどう反応すればいいのか困ってしまうのだが、中身の方も個人的にはどうにもピンとこなくて困りモノ。
基本的には派手なトラックの上で Waka のがなり系のラップが乗るという曲がほとんどで、それなりに起伏はあるものの、印象としては似たような曲がずっと続くので、通しで聴くのは少々辛い。
あとフックアップのつもりなのかもしれないけど、参加ラッパーがやたらと多いのも、作品の散漫な印象を強めている。
シンプルながらもちゃんと跳ねるトラックとか嫌いじゃないんだけど。

あと Waka Flocka Flame って “Black And Yellow” の人かと思ってたんだけど、あっちは Wiz Khalifa なのね。もう少し勉強が必要なようです・・・。

“Waka Flocka Flame / Duflocka Rant 2 (Self Released) mp3” の続きを読む

Walter Ego / Bootlegs* (Bad Taste) mp3

Walter Ego / Bootlegs*
http://badtasterecords.co.uk/

イギリスの Walter Ego が今年の3月に発表した EP 。

タイトルとジャケットで大体想像つくとは思いますが、ほとんどの曲が有名アーティストの曲のリミックスで、 Dizzee Rascal 、 Usher 、 Alicia Keys 、 Whitney Houston がリミックスされている(”Messeh” だけ分からん)。
なんてえらそうに書いてみたものの、実は原曲をまともに知っているものが1曲もないので比較とかは出来ないんだけど、今作はほとんどが軽やかな2ステップや UK ファンキーのビートに差し替えられていて、それが曲のポップさと上手く合っていて非常に良い。
中でも “Burn (Walter Ego Remix)” と “Whitney Tribute” は伸びやかな声とビートの絡みが実に美しい。

ダウンロード

“Walter Ego / Bootlegs* (Bad Taste) mp3” の続きを読む

The Weeknd / Balloons of Haus (Self Released) mp3

The Weeknd / Balloons of Haus (Self Released)
http://www.facebook.com/chiduly

なんか今日は自分の中であまりピンとこない盤ばかりを紹介した感じなんですが(いつもそうか・・・)、今日紹介した中で一番イマイチだったのがコレ。
タイトルから分かるように The Weeknd の曲を Chi Duly というアメリカのプロデューサーがリミックスしたもの。

今まで紹介してきたように Weeknd のリミックスってそれなりには聴いてきているんだけど(紹介してないのでも色々聴いてるし)、この人の場合全編四つ打ち、っていうのはまぁいいとしても、原曲の繊細さを無視したかのような大味さがとにかく目立っていて雰囲気台無しだし、かといって四つ打ちのリズムもダンサブル、っていうほどグルーヴがあるわけでもなく、正直今まで聴いた Weeknd のリミックスの中では一番出来が悪いかなぁ。

まぁ元が暗いの好きな性格なんで、派手なの好きな人が聴けば感じ方も変わるんだろうけど、とりあえず私はいいかな。

Waves / Entre o Tempo e a Vida (Self Released) mp3

Waves / Entre o Tempo e a Vida (Self Released)
http://wavesoficial.com.br/

ブラジルはサンパウロのロックバンド、 Waves が今年発表した、多分ファースト・アルバム。

一応彼らは影響を受けたバンドとして Pantera の名前を挙げているみたいなんだけど、音の方はそんなハードコアなものかというとそんなことなく、よくあるパンクがかったポップ・ロック。
なので音楽的にはブラジルっぽくパーカッションが入っているとか、もしくは英米のものよりも特別メロディがやわらかいとかもないんだけど、逆に書くと、言語(ポルトガル語なのかな?)以外は英米のものと区別がつかないような音になっているので、この手のロックのスタイルとしての強さが感じられて興味深い。

ダウンロード

“Waves / Entre o Tempo e a Vida (Self Released) mp3” の続きを読む

DropxLife., Clams Casino, Omari Shakir., The Weeknd

また Weeknd 関連のものをまとめていくつか。

DropxLife. / Furthur.
『DropxLife. / Furthur.』
The Weeknd って元々 The Noise というプロデュース・ユニットで活動していたらしい、っていうのは以前書いたと思うんですが(過去記事)、なもんだから私はてっきり自身のトラックも全部自分で作っているものと思い込んでいました。
でも実際はそんなことなかったみたいで、何人かのプロデューサが参加していたみたいですね。
っつうことで『Echoes Of Silence』収録の “Initiation” のプロデューサーだという DropxLife. のミックステープ。
この DropxLife. というアーティスト、 Weeknd 周辺の人みたいなんだけど、その正体は今のところ謎みたい。
さらにこの作品のリリースの仕方もよく分からなくて、昨年末に3曲入りで出たものに曲足して6曲入りで今年出したと思ったら、次は9曲入りで出て、この度出た10曲入りのものが完全版らしい。
“Initiation” ってどんどんヴォーカルが変調していくけっこう実験的な曲だったので、今作も実験的なのかと思ったらそんなこともなく、新味というのは薄い。
でもヒップホップとダブステップとアブストラクトが溶け合ったようなビートと、徐々に沈みこむような音世界は心地よく、 Weeknd に通ずる雰囲気にはやはり抗えない。あと Weeknd のような高い緊張感がないのと、なんだかんだで1曲に1つは耳に引っかかりやすい要素が入っているので、インストでありながらも Weeknd よりある意味聴きやすいかも。
ダウンロード

DROPXLIFE / ALLXLEGENDS
『DROPXLIFE / ALLXLEGENDS』
んでこちらは DropxLife が昨年秋に出したミックステープ。
全体の雰囲気としては『Furthur.』とそれほどかわらないものの、ビートはこちらの方がシンプルで、こちらの方が幾分ポップ。なのでこちらから聴いた方が入りやすいかも(まぁ暗いのには変わりないんだけど)。
ダウンロード

Clams Casino / Instrumental Mixtape
『Clams Casino / Instrumental Mixtape』
こちらは『Echoes Of Silence』収録の “The Fall” をプロデュースした Clams Casino が、今まで他のアーティストに提供したトラックを中心にまとめたミックステープ。
今作に関しては Weeknd 関係なしに非常に評価の高い作品なんだけど、太いベースラインと重たいドラム、粒子の細かい幻想的な上モノの組み合わせは確かに気持ちがよい。あからさまにキャッチーな要素がなくてもきちんとポップなのも素晴らしい。
まぁ時折、これってポストロックに接近してたころの anticon の焼き直しじゃねぇの、って思う部分がなくもないんだけど、気持ちがいいのに変わりはないので気にするのはやめておきましょう。
ダウンロード

Omari Shakir. / Different.OMARI SHAKIR / NONCHALANT
『Omari Shakir. / Different.』『OMARI SHAKIR / NONCHALANT』
最近知ったんだけど Weeknd 周辺には彼を含む XO Gang というクルーが存在するらしく、そこに参加しているラッパーさんが出しているのが上2曲(もう1曲 “Like A Book” 曲もあるんだけどジャケットないので割愛)。
三味線(?)をサンプリングした “Different.” (DropxLife プロデュース)はかっこいいし、Omari Shakir の低い声でのラップも魅力的なんだけど、ちょっとこれだけだとラッパーとしての個性までは分からないですかね。
あと両曲とも iTunes に入れるとアルバム名のところに『TIL WE OVERDOSE』って出るので、もうすぐアルバムが出るのかも。
Different. ダウンロード
NONCHALANT ダウンロード

“DropxLife., Clams Casino, Omari Shakir., The Weeknd” の続きを読む

The Weeknd / 『Thursday』『Echoes Of Silence』

The Weeknd / Thursday
http://the-weeknd.com/

個人的に2011年を代表するアーティストは誰か、って問われたら彼以外ありえないですね。っていうことで The Weeknd が『House of Balloons』(過去記事)以降に出した2つのミックステープをば。

まずは夏に出た『Thursday』。
こちら作品本体が出る前にリークされていた曲を聴く限りでは、『House of Balloons』より曲調に幅のある作品なのかなと思っていたし、実際レゲエを取り入れたトラックがかなり意外だった “Life Of The Party” みたいなもあったりするんだけど、他の曲に関してはゆったりとしたバラードが多く、彼の作り出すビートを楽しみにしていた向きからすると、ちょっと肩透かしな内容だろう。
しかしメロディから感情が零れ落ちるような Weeknd の歌唱と、深い余韻を残す隙間を生かしたトラックはやはり素晴らしく、3部作の中ではコレが一番好き。

The Weeknd / Echoes Of Silence

んでこちらは2011年12月21日にリリースされた、最新作にして3部作の最後を飾る作品。

まぁ今作に関しては発表されてまだそれほど日がたっていないので、まだあまり聴き込めていないのだけれど、前作がおとなしかった反動か、比較的トラックが特徴的な曲が多い印象。事前にリークされて話題になったけど、ヴォーカルがどんどん変調していく “Initiation” とか面白いです。

ちなみにこの3部作はボートラなどを足して今年パッケージ化されるそう。

ダウンロード

“The Weeknd / 『Thursday』『Echoes Of Silence』” の続きを読む

The Weeknd / House of Balloons

The Weeknd / House of Balloons
http://the-weeknd.com/

こちらの記事で James Blake についてグダグダと書いたんですが、誤解を恐れずに書けば、私が James Blake に期待していたのは今作のような作品ですかね。

っていうことで、今年の3月にフリーで配信された、カナダの Abel Tesfaye の一人ユニットだという The Weeknd のファースト・アルバム。

そもそも私が James Blake に期待していた作品というのは、簡単に書くとトラックの立った歌モノなんだけど、 The Weeknd の今作は正にそういう作品。

あえてジャンル分けすると R&B の範疇に入るモノなんだけど、ヒップホップはもちろんの事、エレクトロニカやダブステップなど様々な要素が溶け合ったトラックは、平熱感覚というよりは、むしろ徐々に沈みこんでいくような静かな暗さに覆われていて、それがなんとも刺激的でありながらも特徴的。

一方ヴォーカルの方はというと、その透き通った高音だけで十分魅力的ながら、そこに時折少しざらついた低めの声を交えながら歌われるメロディはかなりポップかつ甘いもので、また同時に歌いすぎではないかと思えるほど感情的に歌い上げる場面を目立ち、これだけだとちょっとしつこいのではないかと思えるくらい。

しかしそのヴォーカルがトラックと見事な対比を表す事で、必要以上に暗くなりすぎないメリハリのあるモノになっているし、そのヴォーカルにしても、所謂喜怒哀楽のような分かりやすい感情を伝えるようなものではないのに、それでいて人間的な熱や情感に溢れているという、トラック共々不思議な余韻を残すもので、気がつくとまた聴いているという中毒性がある。

今更無料の音源なのにここまでの完成度のものが、なんて事を書く気はないけど、それにしてもほとんど名前も知られていないような人がここまでの作品を出したというのは衝撃的だし、それを抜きにしても素晴らしい作品。
色んな意味で今年を代表する作品なのは間違いない。

ダウンロード

“The Weeknd / House of Balloons” の続きを読む

THE WiLDHEARTS / p.h.u.q. (LEMON) 2CD

THE WiLDHEARTS / p.h.u.q.
http://lemonrecordings.co.uk/

活動停止や多くのメンバーチェンジがありながらも何だかんだで続いている The Wildhearts なんですが、昨年の秋頃突如彼らの初期作がボーナス・ディスクを追加した形で再発されまして、これはその中の1枚。
1995年に彼らが発表したフルアルバムとしては2枚目の作品で、よくある書き方すれば、バンドの日本での人気を決定付けた作品、ですかね。

多くの人にとって The Wildhearts ってポップでパンキッシュなハードロック・バンドという印象だろうし、今作にはそういった彼らの魅力を凝縮した代表曲 “I Wanna Go Where The People Go” が収録されてたりするものの、作品全体としては短い曲や多くの展開の中に彼らの偽悪的な表情が見え隠れする、プログレともパンクともつかないけったいな作品になっていて、今聴いても十分に面白い。

そしてそれだけの多彩なアイデアを盛り込みながらも、きちんと作品に統一感を持たせているのは彼らのポップ・センスによるところが大きく、そのアイデアとメロディの見事な両立に、この時期の彼らがいかに脂がのっていたのか分かる。

さらにシングルの音源を集めたボーナス・ディスクでは、曲単位でより幅広いスタイルの曲を聴かせていて、やはりこの時期の The Wildhearts は素晴らしかったな、と改めて思う。

まぁ私はこれを買わなくてもボーナス・ディスクの音源は全部持っているし、この手の作品をデジタル・リマスターすることにどれだけ意味があるのかよく分からないけれど、彼らの魅力を再確認できただけでも今作を買ってよかったかなと。
他のも買わんと。

“THE WiLDHEARTS / p.h.u.q. (LEMON) 2CD” の続きを読む

Waajeed / The War LP (Fat City) 2CD

Waajeed / The War LP (Fat City)
http://www.fatcityrecordings.com/

デトロイトのビート・メイカー Waajeed の2007年発表のソロ・アルバム。

この人は J Dilla に近しいところにいたことから彼の意思を継ぐもの、みたいな感じでみられる事が多いですが、今作を聴く限り、とりあえず私の中での J Dilla とはあまり重なる部分がなくて(まぁ J Dilla 自体それほど聴いてないんだけど)、ベースのグルーブ感よりはドラムのビート感を優先したようなトラックは、正直ピンとくるものが少ない。

2枚目のミックスしたヴァージョンは流れがある分聴きやすいけど。

The

“Waajeed / The War LP (Fat City) 2CD” の続きを読む

Wu Tang Vs The Beatles / Enter The Magical Mystery Chambers

Wu Tang Vs The Beatles / Enter The Magical Mystery Chambers

これもけっこう放置していたものなのでいつリリースか覚えていないんだけど、多分今年の頭の方にリリースされた、 Beatles と Wu Tang Clan のマッシュアップ・アルバム(マッシュアップしたのは Tom Caruana という人)。

私はウータンはアルバム何枚か持っているけど曲単位で覚えているものはほとんど無く、ビートルズに至っては天邪鬼でほとんど聴いていないという有様なので、ラップもトラックも元ネタがどうとかいうのは全然分からないのだけれど、バンド感を適度に残しつつもゆるめのトラックが非常に心地よく、またそこに乗るラップも全く違和感なく気持ちよく聴ける。

まぁ難をいえばさすがに27曲は多いとは思うのだが、それでもラッパーの数が多いのもあって飽きる事はない。

あとリリースから時間経ってしまったせいか正規のリリースページがなくなってしまったようなので落とすならこちらからどうぞ

ダウンロード

We’ll Make It Right / We’ll Make It Right

We'll Make It Right / We'll Make It Right
http://www.inacabinwith.com/

これは MUSCLENOTE で知った Benny Sings を中心としたグループのアルバム。
といっても私は Benny Sings って人は知らないんですが、彼らがホテルにこもってセッションしたものが元になっているそうで、なるほど、作りこまれたというよりは、さりげない鼻歌に伴奏を添えたような曲が多い。しかしその分彼らのメロディ・センスの良さがうかがえる曲が多く、ゆったりしたい時に聴きたいようなポップ・ソングが10曲並んでいる。

ちなみに今作はCDでも出ているんだけど、レーベルのサイトからも落とせるようになっていて、私はそちらで聴きました。でも一時落とせなくなっているみたい。そのうち復活するのかな?

[続きを読む]

DJ WATARAI / つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO (Pony Canyon) mp3

DJ WATARAI / つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO (Pony Canyon)
http://kinginc.co.jp/blog/watarai/

民主党政権、ものすごく展開早いですね。酒井法子のこといつまでも引っ張ってる場合じゃないと思うんだけど・・・・・。

先ごろ出た DJ WATARAI のミックスCDから、配信限定でカットされたシングル。タイトル見て分かるかと思いますが、 MISIA のデビュー曲のカバーですね。

この曲、世間ではけっこう受けが良いようですが、結論から書けば私はもう全然駄目でしたね。

まぁそもそもの問題として、この曲見つけたときに勢いでダウンロード・ボタンをポチッとしてしまったんだけど、私よく考えれば原曲、っていうか MISIA 自体が嫌いなのよね。これはこのブログでも何度か書いているような気がするんだけど、私は所謂ディーバ系の歌手が全般的に嫌いで、というのも愛だの恋だの歌うのに、なんであんなにも馬鹿でかい声出さなきゃいかんのだというのがあって、まぁそれは大きな声のほうが相手に伝わるから、っていうことなんだろうけど、それはあまりに安易じゃなかろうか。
さらに MISIA という歌い手が、ものすごく歌が上手いということはもちろん私も認めるところではありますが、それがイコール歌手としての魅力につながっているかというと私にはそうは思えなくて、意地悪な書き方をすればただ上手いだけ、という印象がどうしても強い。

ではこのカバーはどうかというと、兎にも角にも COMA-CHI の歌が酷過ぎる。『RED NAKED』(過去記事)での歌はけっこう良かったんだけど、この曲では高音が全然出ていないし、全編通してとにかく前のめりの、感情過多なベタベタとした歌を聞かせていて、こうやって聴き比べてみると、 MISIA の方がまだ押し引きを心得た抑揚があったし、歌唱力については比べるべくもないわけで、逆説的に MISIA の歌手としての魅力に気付かされる。

思いっきり甘いトラックは悪くないし、 DABO の色男ラップも相変わらず調子良いだけに、その分がっかり感の強いシングル。 COMA-CHI もこんな歌聞かせているようじゃ、どんどん埋没していくだけなのではなかろうか。

DJ WATARAI - つつみ込むように・・・feat. COMA-CHI & DABO - Single

wyolica / Balcony (SME) CD

Balcony
http://www.wyolica.net/

azumi と so-to による二人組、 wyolica のミニ・アルバム。間に azumi のソロなんかもあったけど、前作からなんと5年ぶりの作品なんだそうで。

しかし今作は、そんなご無沙汰感など全く感じさせない、非常に wyolica らしいアコースティック・ポップが多く収められている。
なので彼女たちの充電期を経ての新境地が聴こえる、という類のものではないため、特にこれといった面白みのない作品ではあるのだけれど、5年振りともなれば自分たちの基調となる部分を聴かせたいと思うのは自然なことだろうし、それ以上に azumi の柔らかな歌声は変わらず魅力的。
中でも四つ打ちの上で伸びやかに歌う “カレイドスコープ” に続いて、ゆったりと情感を込めて歌う “恋文” への流れは彼女の良さが分かり易く出ているし、冒頭のさらりと歌われる “星” もとても良い。

まぁそれでも7曲入りのミニ・アルバムでは食い足りない感じはあるんだけれど、とりあえず wyoloca の帰還を素直に喜びたい。

We Can Do it! / Siboney (We Can Do it!) mp3

We Can Do it! / Siboney (We Can Do it!)

他の一発屋的なトラックとは段違いの完成度で人気を得ている、未だに誰がやってるのか謎のプロジェクト We Can Do it! の4枚目。

今までのネタが比較的有名な、しかも前作の3番は Blondie の “Call Me” とかなりの大ネタ使いだったこともあって、今回もどんなネタでくるのかと思ったら、今作はずいぶん地味ですね。
パーカッションを多用したトライバルなビート、という点では今までの作品と変わらないんだけど、軸となっているのがミニマル・ダブっぽいゆったりとしたベース・ラインのせいか、特徴的だった性急感がほとんど感じられない。
しかしそれでも完成度の高さは相変わらずで、ビートと共にうっすらとダブ的な音響が施された上モノ、サンプリングされたオリエンタルな歌声との相性は抜群で、この辺りにセンスの良さが伺える。

Wighnomy Brothers / Metawuffmischfelge (Freude-Am-Tanzen) CD

Metawuffmischfelge
http://www.freude-am-tanzen.com/

Robag Wruhme という人は、デビュー以来様々なタイプの曲をリリースしてきているわけですが、その中でも一貫しているのは、常にポップさを置き去りにしないということで、それはこの、 Monkey Mafia とのユニットである Wighnomy Brothers での、初のミックスCDでも変わらない。

1曲目からいきなり、 Matthew Dear が False 名義で出した “Fed On Youth” という、かなりディープなミニマル・トラックなんだけど、そこに元 Dead Can Dance の Lisa Gerrard が幽玄な歌声を聴かせる “Come Tenderness” という曲を乗せることで、あれだけ無機質に思えたトラックから、悲しみにも近い情感を引き出していて、まず驚く。

そしてその美しい余韻を残したまま、いくつかのトラックを経た後の、 Agoria による “Les Violons Ivres” の、あまりにも優美なストリングスが鳴り響いて以降、ほとんどの曲に明確なメロディが存在していて、それらがたゆたうようにゆるやかに、しかし確実に紡がれていく美しさを追いかけているだけで、気がつけば1時間強が終わっている。

中でも、個人的には昨年のベスト・リミックスだった、 Stewart Walker の “Fernbank 91” (過去記事)の Robag Wruhme によるリミックスをクライマックスとした、後半の美しさは筆舌に尽くしがたい。

はっきりいってノリのいい物を求めている人には不向きだと思うし、何か画期的な手法がとられているわけでもない。でもそんな不満などものともしないような美しさがあるのも間違いない。久々に Robag Wruhme の作家性に感服した大傑作。

視聴
amazon.co.jp

We Can Do It! / Nguyen (T.D. RMX) (we can do it!)12″

Nguyen (T.D. RMX)

話題になった前作から間を空けずに、 We Can Do IT! の2作目。
前作は攻殻機動隊をネタにしたトラックだったけど、今作はどっかの国の子守唄をサンプリングしてるんだそうな。そしてトラックの方も前作同様、トライバルなテック・ミニマルなんだけど、比較的シンプルなビートながら、奥行きのある音響空間が効いていて、またクオリティが高い。
さらにパーカッションに混じって、ライフルの銃声や爆撃音など、戦場を思わせる音もサンプリングで使われていて、それと子守唄がビートの上でせめぎあうように鳴るという、非常に機能的でありりながらも、込められたメッセージを読み解きたくなる曲で、いやはや、こうなってくるとさらに作者の正体が誰なのか気になるところです。

[追記]

WILEY / PLAYTIME IS OVER (BIG DADA)CD

PLAYTIME IS OVER
http://www.bigdada.com/

去年はわりと暇だった仕事が、年が明けてから急に忙しくなったおかげで、あんまり音楽聴く時間もとれない毎日なんですが、かといって更新しないのもなんなんで、だらりと書きたいと思います。

グライムの MC の中でも早い時期から活動していた Wiley さんの、正規盤としては多分2枚目となるアルバム。
正直グライムに音楽的な面白味というものは感じない人間なんですが、今のヒップ・ホップにはない初期衝動が感じられる点はけっこう好きで、さらにこのアルバムに関していえば、とにかく淀んだ空気感でいっぱいなのが非常に良い。そして黒く塗られた公園で佇むジャケットの Wiley の表情。もうコレだけで十分です。

あとは蛇足なんですが、思えば私が好きだったヒップ・ホップは、みんなジメジメとした淀んだ空気を纏ったモノばかりだったはずなのに、気が付けば TBH も韻踏もずいぶんとすっきりとした音ばかり鳴らすようになりやがってさ。そんなんじゃ、安易な答えばかりを安売りする J-POP と変わんねぇじゃんよ。アンダーグラウンドというのは音や売り上げではなく、姿勢や思想を指すものだ、といわれればその通りだと思うんだけど、それでもこの空気感こそがアンダーグラウンドなんじゃないのかと思うわけですよ、私は。
そういった意味ではイギリスって、日本みたいに特別暴力の匂いをさせずとも路地裏の空気を纏ったアーティストがたくさんいて、すげぇいい国だと思います(よく分かんない締め方だ・・・)。

We Can Do It! / Der Geist In Der Muschel (We Can Do It!)12″

Der Geist In Der Muschel

ちょっと前に話題になった攻殻機動隊ネタのミニマル。
とはいいつつも、この攻殻機動隊ってどの攻殻機動隊を指してるんでしょうかね。私元々攻殻機動隊ってそれほど詳しくないので全然分かりません。菅野よう子のやつかしら。まぁいいや。コレに関しては、元ネタがどうとかそんなこととは全く関係なく聴ける良質な曲なので問題ない。
トライバルなビートの上に、ワールド・ミュージックっぽい声ネタが乗るミニマル・トラックで、これだけならどこにでもありそうな感じなんだけど、どっしりした方向に行きがちな他のトライバルなミニマルに対して、この曲では絶妙な疾走感を保持したまま進むのが実に爽快。声ネタの方も、いかにも他から持ってきました、みたいな不自然さがないので、これの元ネタがどうとか、むしろ邪魔な情報なのではないかとさえ思える。
今年聴いたミニマルの中でも、なかなかに秀逸な1曲ではないかと。
ちなみに、これって初回盤だと、レーベルのロゴのスタンプが押してあるらしいんだけど、私は買ったの最近なんで真っ白です。

試聴

THE WHITE STRIPES / ICKY THUMP (THIRD MAN)CD

ICKY THUMP
http://www.whitestripes.com/

数日前からタグ選択するとタイトルがおかしくなるんだけど、あれは何が原因なのかしら。データベースのエラーとは書いてあるんだけど、全く分かりません。

今まで White Stripes って自分の中で避けていた部分があるんだけど、視聴したらかっこよかったので買ってみた、通算6枚目のアルバム。
んで、買ってしばらくは好きで何回か聴いていたんだけど、回数聴いたら飽きちゃった。それはやっぱり、私はよくみんながいうこのバンドの革新性が分からないからなんだともいます。実際私には回顧的、とまではいかないものの、普通のブルーズ・ロックにしか聴こえないし。あとこれでもう少しテンション高めだと勢いで聴けるんだけど、どうにも大物然とした雰囲気もイマイチ。
やはり自分には縁のないバンドのようです。

The White Stripes - イッキーサンプ
amazon.co.jp
@TOWER JP