Marc Houle / Sixty Four (m_nus) mp3

Marc Houle / Sixty Four week 1Marc Houle / Sixty Four week 2Marc Houle / Sixty Four week 3Marc Houle / Sixty Four week 4

http://www.m-nus.com/

Magda と Troy Pierce (秋に Louderbach アルバムだって!キャー!!)の3人で Run Stop Restore として活動する、という説明があまり意味を成さないくらい単体での活動が目立っている、 Marc Houle の連作シングル。

m_nus というと、どうしても沈み込むようなアシッド・ミニマルという印象が強いんだけど、今作はジャケットからして今までとずいぶん雰囲気が違いますね。
そして内容の方も、従来の m_nus の緻密な印象を与えるトラック郡に比べると、あまり作りこみを感じさせない大雑把な作りになっていて、これが予想以上に良い。ほとんどの曲がスカスカなリズムと、アシッドともブリープとも似て非なる電子音で組み立てられていて、展開もエフェクトで音を歪ませる程度という、非常にシンプルなモノながら、上モノであったりベースラインなどに、こちらの耳を一瞬でつかんで離さない強烈なつかみがどの曲にもあって、聴いていてとにかくアガる。

思えばハードミニマル全盛の時って、アイデア一発勝負みたいなシングルが結構あったような気がするんだけど(user とか)、今作にはそういったものに近いざっくりとしたノリが感じられて、懐かしさとともに、非常に新鮮に聴けました。必要以上にベースを強調しなかったのも良かったように思います。

因みにヴァイナル派の方には、4枚全12曲の中から7曲抜粋したダブルパックがもうすぐ出ます(私の好きな曲がことごとく入ってないので買わんけど)。

METALLICA / DEATH MAGNETIC (UNIVERSAL) SHM-CD

METALLICA / DEATH MAGNETIC
http://www.metallica.com/

私が今まで聴いたことのあるメタルのバンドの中で、もっとも偉大なバンドだと思うのは METALLICA なんですが、その理由は単純で、『Kill ‘Em All』というアルバムを作ったから。では『Kill ‘Em All』の何をそんなに評価しているのかというと、あの殺気にも近い緊張感であったり勢いなんですね。

そういった意味では前作の『St. Anger』って自分の中では非常に評価の高い作品なんだけど、その後のライヴでは昔の曲のオンパレード、挙句の果てには『Master of Puppets』の完全再現(過去記事)なんかしたりして、『St. Anger』でせっかく掴んだものを自ら手放しているような印象さえ抱いたものでした。

そして前作から5年ぶりとなる『DEATH MAGNETIC』は予想通りの原点回帰作。なんでもプロデューサーの Rick Rubin の提案だったようで、「変化を求めるあまり、自分の得意なものを避ける必要はない」っていうのはそのとおりだと思うんだけど、じゃぁ今の自分たちに昔みたいなことが出来るかっていると、それはまた全然別問題なわけで、精神的にも年齢的にも、また環境的にも昔の METALLICA になど戻れるはずがない。そこを『LOAD』『RELORD』で学んだ現代的な方法論と、独特すぎる音作りで補完してみせたのが『St. Anger』だったのに、それを捨てて体裁だけ繕ってみても、そんな作品は退屈なだけ。

個人的には、『LOAD』『RELORD』で垣間見せた、 James Hetfield の歌ものシンガーとしての魅力に焦点を当てた作品を作るのが、バンドの方向性としては一番自然なように思えるんだけど、それはそれで予定調和すぎてつまらないのかもしれないし、かといって本作はメタルとしては角が立ったところがなさ過ぎる。

まぁ私は1枚目が最高、評価の高い2枚目と3枚目はその1枚目の残り香で何とか体裁を保っただけ、と考えているかなり極端な人間なんで、普通に METALLICA 聴いてる人の実感とかなりかけ離れているのは間違いないんだろうけど、それでもこの作品が絶賛でもって向かえらるのって、それこそ予定調和の極みのように思えるのだが。

Metallica - Death Magnetic
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