BENGA / DIARY OF AN AFRO WARRIOR (TEMPA) mp3

DIARY OF AN AFRO WARRIOR
http://www.tempa.co.uk/

今年の春頃に出て、早くも2008年のダブ・ステップを代表する傑作といわれたこのアルバムなんですが、気がついてみれば、ダブ・ステップの予想以上の動きの速さと、それ以降の Benga 本人の動きが鈍かったのもあって、なんか印象薄れちゃった気がするのは私だけでしょうか。

まぁでもそれもしょうがないかなというのが正直なところで、ちょっとこのアルバムっていろんなタイプのダブ・ステップを披露してはいるものの、特にこれといった新機軸が打ち出せてないように思えるんですよね。リリース当時メディアでいわれていたほど、テクノの要素が強いとも思わないし。それにダブ・ステップとしてはともかくとして、ベース・ミュージックとしての魅力に乏しいのも、個人的にピンとこない一因かも。

でもこの人 Skream と一緒で20代前半と若く、ダブ・ステップの今後を担っていく逸材なのは間違いないとは思うので、これからに期待します、と書いておこう。

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ZIGEN / 語録 (じげん工房本舗) CD

ZIGEN / 語録

神戸の蟹バケツシンドロームというクルーの一員だという ZIGEN の、昨年出たデビュー・アルバム。

この人の音楽を聴いて、まず一番に耳に飛び込んでくるのは、無理矢理変調でもさせて高くしたような独特な声で、はっきりいってこの声は好き嫌いの分かれるところだとは思うんだけど、軸となるべきラップが、この声の生み出すユーモアを生かしながらも、非常にしっかりとした実力の伴ったもので、慣れてしまえばむしろクセになる。

さらにトラックもファンキーなものからメロウなものまで、基本オーソドックスなものながら、しっかりとグルーヴで土台を支えていて、声の印象に引っ張られて突飛なものになりすぎるのを抑えている。中でも神門が参加した “高速道路” での、言葉の隙間から哀愁が零れ落ちるラップは、この路線の曲をもっと聴きたいと思わせるには十分なもの。

最近セカンド・アルバムが出たばかりなので、そちらも聴いてみるかな。

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GIRL NEXT DOOR / 偶然の確率 (avex) CD

GIRL NEXT DOOR / 偶然の確率
http://girlnextdoor.jp/

別段好物というわけではないんだけど、ふとした瞬間にファンタとかマックとか、添加物の多そうな食べ物(実際はどうだか知りませんが、イメージとして)が食べたくなるときがあるんだけど、それと同じようなことが音楽でもありまして。ではそのような時に、私はどんなのを聴くかといいますと、まさにこの曲ですよ、 GIRL NEXT DOOR のデビュー曲である “偶然の確率” 。

なんでもこの人たちは avex の20周年である今年送り出された大型新人らしいんだけど、もう私は CM で聴いた瞬間にもってかれた。昔 ELT がデビューした時も、ただでさえパチもんくさい globe の、またさらに三流コピーのような風情にしびれたものだけど、この GIRL NEXT DOOR も、この J-POP の進化など何もなかったかのような(実際なかったのかもしれないけど)、どこからどう聴いても avex 意外ではありえないような王道の打ち込み J-POP で、とにかくスゴイ。

イントロのギターが鳴った瞬間、そのあまりに90年代な音色にクラクラするんだけど、それ以降も、曲にしろ歌詞にしろ音にしろ、構成される要素の全てにオリジナルなものが一切なく、 trf 以降の avex の語法を駆使したものになっていて、逆に最近の avex にはない王道感を強く感じる。もうすぐ21世紀も10年経とうというのに、こんな音を鳴らせるのは、よほどの天才かアホかのどちらかだろう。
そして後ろで演奏してるおっさん二人はどうだか知らないけど、少なくとも歌っている女の子に関していえば、自分の歌、及び音楽が最高であると信じて疑ってないような堂々としたたたずまいのヴォーカルで、そこが素晴らしいし、でも実際には、音程はともかくとして、声に躍動感がなくて平板な印象しか与えないのも avex っぽくて個人的にはツボ。歌詞が誇大妄想気味なのも、小室哲哉っぽくていいし。

まぁ正直いえば、全てにおいてディフォルメがきつすぎて、この曲がいいのか悪いのかもよく分からないんだけど、好きか嫌いかでいえば私は大好き。なんかこうなってくると day after tomorrow を聴いてこなかったことが悔やまれるが、まぁそんなことはどうでもいい。彼らにはこのまま、時代の徒花として添加物にまみれた曲を量産してほしいなぁ。

GIRL NEXT DOOR - 偶然の確率 - EP