HRDVSION / PLAYING FOR KEEPS (wagon repair) 12″

HRDVSION / PLAYING FOR KEEPS
http://www.wagonrepair.ca/

このサイトって、ブログのくせして画像をわざわざ ftp で上げてたりするんですが、今日は ffftp の調子が悪いのか、サーバに繋がらないので、画像が上げられません。なので画像は後日ということで。悪しからず。

Mathew Jonson の兄貴である Nathan Jonson のプロジェクト、 HRDVSION の wagon repair から2枚目のシングル。

前作の『gary white』(過去記事)は、ちょっと手広くやりすぎて全てが中途半端な印象の作品という感じでしたが、今作は逆に同じ曲のヴァリエーションを3パターン。

まずオリジナルの “PLAYING FOR KEEPS (DADDY’S ANGEL)” は、少し smith’n’hack を思わせる、つんのめり気味のエレクトロ・ディスコ・ファンク。 wagon repair のカタログの中ではけっこう異色の部類に入る曲だとは思うんだけど、ギラついたシンセの音とカットアップされたサンプルが、共に過剰さを演出していて、これはなかなか盛り上がる曲なんじゃないでしょうか。

そしてこの曲のエレクトロ的な要素を少し強くした “PLAYING FOR DADDY’S GIRL” は、DJ用にやや使い勝手を良くしたような印象で、ニュー・エレクトロ(ってまだいうの?)なんかにも合わせやすい感じ。

最後の The Mole によるリミックスは、彼の今までの方向性からすると、この作品のディスコ的な側面を強くしそうなもんなんだけど、そこをあえてなのかどうなのか、ギラついたシンセを前面に押し出したテック・ミニマルに。でも曲のグルーヴ自体は紛れもなく The Mole のものになっていて、そこがすごく面白い。

Hrdvsion - Playing for Keeps - EP

V.A. / Cocoon Morphs Tokyo (Cocoon) mp3

V.A. / Cocoon Morphs Tokyo
http://www.cocoon.net/

今年の4月に womb で行われた Cocoon のイベントのコンピレーション。 Cocoon のコンピというと、毎年出ているアルファベットのやつがありますが、あちらがレーベルとの繋がりにそれほどこだわらないで旬の面子を集めている印象なのに対して、こちらは Cocoon のオール・スターといった趣。

なので面子的には相当豪華ではあるんだけど、個人的に Cocoon ってあまり好きではないので(気になるレーベルなのは間違いないけど)それほど期待してなかったんだけど、思ったよりは楽しめましたかね。

浮遊感のある上モノと、うっすら漂うオリエンタルな感じが心地よいテック・ハウスの Guy Gerber & Kalbata 、曲自体は結構地味なんだけど、ブレイクで上手く展開をつけている Tiefschwarz 、お得意のプログレっぽいミニマルの Pig & Dan 、 Cadenza からのパーカッシブなミニマルから一転、男声の声ネタが印象的なダークなミニマルの Schneider, Galluzi, Schirmacher 、美しく繊細なテック・ミニマルの David K と、どの曲も良く出来てる(Vath Vs Rother のだけは全然好きになれないけど)。

でもそれゆえに気になるのは、妙にドンシャリとした音作り。 Cocoon ってこういう音の作品が多い気がするんだけど、これってマスタリングしてる人が一緒なんですかね。すごく Cocoon 特有の音という気がするんだけど。

そしてその音作りで一番損してるように思えるのが Villalobos で、妙にビヨンビヨンしたベースの上に、うっすらとサンプリングされた女声コーラスがのるトラックは、出来としては全然悪くないものの、これが Villalobos っぽいかというと、ちょっと自分には彼らしさがあまりにも希薄なように思える。

まぁ所詮お祭り騒ぎの記念コンピなんで、あんまりどうこう言うのも野暮なのかもしれないけど、ちょっとこの音作りはどうにかしてもらいたいなぁ。

視聴
[Tracklist]

AGF / DANCE FLOOR DRACHEN (web) mp3

AGF / DANCE FLOOR DRACHEN
http://dancefloordrachen.poemproducer.com/

AGF こと Antye Greie-Fuchs のフリー・ダウンロード・アルバム。

私は彼女に関しては Vladislav Delay の彼女だか嫁さんだかってことくらいしか知らないので(違ったっけ?)、彼女の作品は聴いたことないのだけれど、他のアーティストの作品にヴォーカリストとして招かれることも多い人だけに、今作も自身のヴォーカルを多く取り入れたエレクトロニック作。

その中でもスタイルは多岐にわたっていて、自身の声をカットアップしたミニマル・テクノや、アンビエンスの中で揺らめくように歌う曲、他にもフィールド・レコーディングのものや、緩やかなミニマル・ハウスなど様々。中にはかなり実験的な曲もあったりするんだけど、作品全体の軸として彼女の声がきちんとした存在感を放っているので、その声の美しさを追っているだけで1枚聴きとおせてしまう。

そこはヴォーカリストとしての自分と、プロデューサーとしての自分を見事に両立させた、彼女のバランス感覚故なのでしょう。傑作。

ダウンロード

The Chemical Brothers / Brotherhood (EMI) mp3

The Chemical Brothers / Brotherhood
http://www.thechemicalbrothers.com/

Chemical Brothers の2枚目のベスト盤。前回のベストから5年しか経っていないという不満を、アナログのみでリリースされていた『Electonic Battle Weapon』をおまけに付けることでうまく押さえ込んでいて、いや、これはなかなか上手いなぁ、と思ったんだけど、それほど深くクラブ・ミュージック聴いていない人は、『Electonic Battle Weapon』自体知らないんじゃないのかなぁ、という気もする。どうなんでしょうか。まぁいいや。

本編のディスクの方に収録されているのは、当然のように Chemical Brothers のヒット曲ばかりで、それほど彼らにのめり込んだことのない私でも知っている曲がほとんど。

とはいっても、曲単位で何か感じ入るところがあるかというと、エディットで尺が短くなってる曲も少なくないのもあって、特にないんですけれども、こうやって彼らの全歴史の曲をまとめて聴いてみると、 Chemical Brothers って全然基本姿勢にブレがないんですね。硬質のブレイク・ビーツとロック的な派手な上モノがあって、あとは持ち前のポップ・センスと、多少の時代性を加えるだけといいますか。
それだけに “Star Guitar” って彼らの歴史の中でも相当異質な曲のように思えるんだけど、ああいったタイプの曲を未だに Chemical Brothers に求めている人が少なくない、というのは、ある意味不幸なのかなという気はします。

『Electonic Battle Weapon』の収録したおまけ盤のほうは、ほとんどの曲の方が四つ打ちなので、本編よりも自分には馴染むのは間違いないんだけど、フロア対応だから四つ打ち、ってちょっと安易なんじゃないかなぁ、という気がする。実際発売形態を生かした挑戦的な曲があるわけでもないし。

ということで、意外にも私は本編の方が楽しめましたかね。今度からは Chemical Brothers ももうちょっとちゃんと聴いてみよう。

The Chemical Brothers - Brotherhood
[tracklist]

Mr.Children / HANABI (TOY’S FACTORY) CD

Mr.Children / HANABI
http://www.mrchildren.jp/

んで、『GIFT』(過去記事)から約1ヵ月後に発売されたのが本作。

このシングルでも前作のような装飾過多的なアレンジは変わらないんだけど、これは手のひら返したように大好きなシングルです。

表題曲は簡単にいってしまえば “未来” を柔らかくしたようなポップスなんだけど、とにかくこの曲には、私にとってのミスチル黄金律とでもいいましょうか、ツボを刺激する要素が満載なのですよ。
それは世界や自分の現状を憂いた後に、「君がいたらなんていうのかなぁ / 「暗い」と茶化して笑うのかなぁ」なんて自分で突っ込みいれる歌詞もそうだし、最後の「もう一回」を繰り返すところだったり。
他にも細かくいえば色々あるんだけど、その中でも一番大きいのはやはりメロディで、サビでの聴いていると体がフワリと軽くなるような、こんな美しいメロディの曲だったら、前回書いたことを覆すようで申し訳ないけど、どんな足し算アレンジであろうと自分的には全然問題ない。

そして『シフクノオト』収録の “タガタメ” のリアレンジ曲である “タダダキアッテ” も、最初聴いたときの歌詞のインパクトに引っ張られがちだった原曲に比べ、カントリーっぽい牧歌的なアレンジにすることによって、素直にメロディの美しさに耳がいくようになっていて、こちらも素晴らしい。

さらに少し初期を思わせるピアノ・バラードの “夏が終わる ~夏の日のオマージュ~” もなかなかの佳曲。

私は『IT’S A WONDERFUL WORLD』以降の Mr.Children だと、『四次元』が一番な好きな人間なんだけど、今作はそれに続く充実作。前回アレだけ文句書いといてなんだけど、結局のところ桜井 和寿の書く曲が圧倒的に良ければ、あとはどうでもいい人間なのかもしれない。

[tracklist]

Mr.Children / GIFT (TOY’S FACTORY) CD

GIFT
http://www.mrchildren.jp/

このシングルが Mr.Children の何枚目のシングルなのかは知らないけど、彼らは一体いつからこういうオーケストレーションというか、ストリングスを入れるのが普通になったんですかね。ちゃんと聴き返したわけではないけど、多分最近の曲では、ロック調の “未来” や “フェイク” 以外はほとんど入ってるんじゃないですかね。

果たしてここら辺の趣味がプロデューサの小林武史によるものなのか、それともメンバーの意向を反映したものなのかは知らない。でもこのシングルで聴ける音って、もうバンドの音じゃない気がするんですよね。

表題曲は、まぁいかにもオリンピックのテーマ曲といった趣のバラードなんだけど、楽器の中で一番目立ってるのは明らかにストリングスだし(むしろ他の楽器はなくても成立しそうな感じ)、次のフォークっぽい “横断歩道を渡る人たち” も、シンプルなアコギ主体のアレンジにすればいいものを、なぜか妙に音数多い上に、明らかにいらないと思えるブラスまで加わる始末だし(昔から小林武史のブラスの使い方って本当にセンスなくて大嫌いなんだよね)。逆に3曲目の “風と星とメビウスの輪” はシンプルなピアノ・バラードで、素直にいい曲だなと思えるんだけど、これはこれでバンドの音が入ってないわけだし。

ここで出てきた音というのは、バンドが納得した形なのだろうから、小林武史だけを悪くいうつもりはないんだけど、とりあえずこういう足し算のアレンジはやめた方がいいと思うんだけどなぁ。
個人的には Mr.Children って、桜井 和寿という才能を抜きにしても、いい演奏を聴かせる素晴らしいバンドだと思ってるだけに、どうももったいない気がするし、ここらでもう一度、『Q』の時みたく、バンドの可能性を追求するべきなのではなかろうか。

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Justus Köhncke / Safe and Sound (KOMPAKT) mp3

Safe and Sound
http://www.kompakt-net.com/

元 Whirlpool Productions っていうグループの(すいません、よく知りません)、 Justus Köhncke が今年の頭くらいに出したアルバム。

私は正直この人の名前はほとんど意識したことないんだけど、ネットや雑誌を見るとなかなかの人気者みたいで(KOMPAKT を代表する人みたいに書いてるとこ多いですね)、聴いてみれはなるほど、かなり完成度が高い。

全体としてはいかにも KOMPAKT な柔らかなテック・ハウスが中心なんだけど、その中でも曲調に幅があって、さらに曲展開が多かったりポップであったりと、この手のミニマル・ハウスにしてはかなり聴きやすい。

でもそれ以上の何か(まぁ個性なんだけど)が感じられるかというと、ちょっと私にはそこら辺がつかめなくって、聴いてる分には気持ちよいけど、のめり込むには至らず、という感じでしょうか。

視聴
[tracklist]

Nils Petter Molvaer / Re-Vision (Universal) mp3

Re-Vision
http://www.nilspettermolvaer.no/

ノルウェーのトランペッター Nils Petter Molvaer の、今まで担当した映画音楽を集めた編集盤。

彼が大胆にエレクトロニクスを取り入れた『Solid Ether』を出して、 Jazzland なんかとも共振するように話題を集めたのが2000年前後。それからすると、今では作品出してもそれほど話題になることはなくなってしまいましたが、このアルバムはなかなかの好盤。

私はその『Solid Ether』とその後に出た『NP3』は一応聴いたことあるんだけど、両方ともドラムン・ベース的な性急なビートが目立って、いかにもエレクトロニクスを取り入れてみました、みたいな感じがあまり好きになれなかった記憶がある。

しかし今作は映画音楽なせいか、全体的にゆったりとした曲がほとんどで、その中でもエレクトロニクスが表に出すぎることなく、しかし実に効果的に使われている。中でもくぐもったブレイク・ビーツが静かに曲に躍動感を与えている “The Beginning” 、改めてダブとトランペットの相性の良さを感じさせてくれる “Arctic Dub” 、重厚かつトライバルなビートが印象的な “Leaps And Bounds” なんかはかなり良い。さらに Nils Petter Molvaer のトランペットも、哀愁を漂わせながらもいい意味で曲の一部として機能していて、それも私には好印象。

けっこう秋の夜長に聴くにはいい一枚かも。

Nils Petter Molvaer - Re-Vision
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Bron-K / 奇妙頂来相模富士 (YUKICHI) CD

奇妙頂来相模富士
http://www.sdp-228.com/

またまた SDP つながりで、今年の頭の方に出た Bron-K のファースト・アルバム。

Bron-K というと、その比較的まったりした声に反してアグレッシブに攻める “コノハナシ” でのラップが一番好きなので、このアルバムでの彼はちょっとレイドバックし過ぎている気がして、最初はイマイチぴんとこなかった。
んで、その印象というのは現在でも特に変わっていないんだけど、それでも飽きずに聴けるのは、いくらレイドバックしていると入っても、決して枯れているわけではなく、ある種の平熱感に包まれているからでしょうか。なので内容的には地味なのは否めないんだけど、 SDP 関連 では一番楽に聴けるアルバムかも。

BRON-K - 奇妙頂来相模富士