DJ ISSO/NORIKIYO / RE-ROLLED UP 28 BLUNTS (YUKICHI) CD

RE-ROLLED UP 28 BLUNTS
http://www.sdp-228.com/

Norikiyo のアルバム紹介したんでこれもついでに、というわけでもないんだけど、今年の春に出た Norikiyo 関連の音源を DJ ISSO がミックスしたもの。

昨年のアルバム『EXIT』(過去記事)からの曲だけではなく、これが出た時点ではまだ出ていなかった『OUTLET BLUES』(過去記事)の曲や、数々の外仕事も収録されていて、 Norikiyo の魅力が手っ取り早く分かる感じのアルバムになっているんだけど、選曲が幅広い分、オリジナル・アルバムよりも、彼のユーモアが感じられる場面が多いですかね。
なのでその分非常に聴きやすくはなってるんだけど、でも中には Q-ILL と山仁とやった “Learn” なんてメロウな曲があって、やはり私はこういう曲の方が好き。

あとこのミックスCDの最後には、ピアノと女性ヴォーカルとやったセッションが入っていて、てっきり新作は PRIMAL みたいに生バンドとやった曲が入るんだと思ってたんだけど、蓋を開けてみればそんなものは欠片もなかったですね。このアイデアは没になったんでしょうか。少なくともここで聴ける “Bullshit” のアレンジはなかなか魅力的だと思うんだけどなぁ。まぁここはまだまだ伸び代があると好意的に受け止めて、次回に期待しておきます。

NORIKIYO / OUTLET BLUES (EXIT BEAT) CD

OUTLET BLUES
http://9819.jp/

このブログはアクセス解析に Google Analytics を入れてるんですけれども、それによると、今検索キーワードの一位が「norikiyo ハスリング」なんですが、これはなんでなんですかね。まぁ確かにこれで検索すると現時点ではこのブログが一位にはくるんだけど、このブログでそれほどハスリングについて言及したことはないと思うんだけどなぁ。相変わらず検索ロボットのことはよく分かりません。
っていうか最近ハスリング・ラップが人気ということがいろんなところに書いてありますが(私も書いてますけど)、みなさんちゃんと意味分かってるんですかね。ちなみに私は最近まで “城南ハスラー” って、 Zeebra がビリヤードのうでを自慢している歌だと思っていた人間です。

まぁそんな与太話はいい加減にして、そんなハスリング・ラップ全盛の現在を代表するラッパーである、 Norikiyo の約1年ぶりのセカンド・アルバム。

このアルバムの発売前に、 SDP のサイトの方で落とせた今作のメガ・ミックスを聴いたときには、ずいぶんブリンブリンになっていて、こりゃダメだなと思ってたんだけど、やっぱりアルバムはちゃんと聴かないといけませんね。あのときの私はいったい何を聴いていたんだと怒ってやりたいぐらいの大傑作じゃないですか、これは。

とはいっても、前作『EXIT』(過去記事)から何か大きく変わったかというと、基本路線は一緒。以前のイリーガルな日々に起因する苦悩や後悔と、でもそれにつぶされないようなしたたかさと、それらすべてを笑い飛ばすようなユーモア、そんな様々な感情を内包したエモーショナルなラップ。

しかし比較的シンプルなトラックの多かった前作は、 Norikiyo のフロウがどうもヴァリエーションに乏しいのも相まって、モノクロームな印象が強い作品だったけど、全曲 Bach Logic がプロデュースした今作は、 Bach Logic の作る分かりやすいフックを多用したトラックにより、 Norikiyo のラップのもつエモーションが、驚くほど色鮮やかにこちらに伝わってくる。正直今まで Bach Logic ってほとんどいいと思ったことがないんだけど、今作での仕事振りは文句なしじゃないでしょうか。

そして Norikiyo のラップも、歌詞がより具体性を帯びたのもあって、より感情豊かになっていて、一言でいうととにかく染みる。中でもイリーガルな日々から逮捕までの顛末を歌った “儲かるけど?” から、後悔を振り払うかのように笑えと歌う “運命 ~SADAME~”への流れはホント泣ける。他にも泣きのギターをフィーチャーした “RIVAXIDE CITY DREAM” や、自らのルーツを確かめるような “RUN RUN RUN” など、メロウな曲が少なくないんだけど、派手なシンセを使った “GIMME SOME NEXT” や “REASON IS…” のような曲を要所要所に配することによって、見事にメリハリのある流れになっている。

とにかく今作は、 Norikiyo の表現の軸をまったくぶらすことなく、すべての面でスケールアップた、前作とは比較にならないくらいの作品。とはいっても、その前作も昨年を代表する傑作だったわけで、つまりはそれくらい今作の完成度は群を抜いているということ。大傑作。

NORIKIYO - OUTLET BLUES
amazon.co.jp