V.A. / Cocoon Morphs Tokyo (Cocoon) mp3

V.A. / Cocoon Morphs Tokyo
http://www.cocoon.net/

今年の4月に womb で行われた Cocoon のイベントのコンピレーション。 Cocoon のコンピというと、毎年出ているアルファベットのやつがありますが、あちらがレーベルとの繋がりにそれほどこだわらないで旬の面子を集めている印象なのに対して、こちらは Cocoon のオール・スターといった趣。

なので面子的には相当豪華ではあるんだけど、個人的に Cocoon ってあまり好きではないので(気になるレーベルなのは間違いないけど)それほど期待してなかったんだけど、思ったよりは楽しめましたかね。

浮遊感のある上モノと、うっすら漂うオリエンタルな感じが心地よいテック・ハウスの Guy Gerber & Kalbata 、曲自体は結構地味なんだけど、ブレイクで上手く展開をつけている Tiefschwarz 、お得意のプログレっぽいミニマルの Pig & Dan 、 Cadenza からのパーカッシブなミニマルから一転、男声の声ネタが印象的なダークなミニマルの Schneider, Galluzi, Schirmacher 、美しく繊細なテック・ミニマルの David K と、どの曲も良く出来てる(Vath Vs Rother のだけは全然好きになれないけど)。

でもそれゆえに気になるのは、妙にドンシャリとした音作り。 Cocoon ってこういう音の作品が多い気がするんだけど、これってマスタリングしてる人が一緒なんですかね。すごく Cocoon 特有の音という気がするんだけど。

そしてその音作りで一番損してるように思えるのが Villalobos で、妙にビヨンビヨンしたベースの上に、うっすらとサンプリングされた女声コーラスがのるトラックは、出来としては全然悪くないものの、これが Villalobos っぽいかというと、ちょっと自分には彼らしさがあまりにも希薄なように思える。

まぁ所詮お祭り騒ぎの記念コンピなんで、あんまりどうこう言うのも野暮なのかもしれないけど、ちょっとこの音作りはどうにかしてもらいたいなぁ。

視聴
[Tracklist]

AGF / DANCE FLOOR DRACHEN (web) mp3

AGF / DANCE FLOOR DRACHEN
http://dancefloordrachen.poemproducer.com/

AGF こと Antye Greie-Fuchs のフリー・ダウンロード・アルバム。

私は彼女に関しては Vladislav Delay の彼女だか嫁さんだかってことくらいしか知らないので(違ったっけ?)、彼女の作品は聴いたことないのだけれど、他のアーティストの作品にヴォーカリストとして招かれることも多い人だけに、今作も自身のヴォーカルを多く取り入れたエレクトロニック作。

その中でもスタイルは多岐にわたっていて、自身の声をカットアップしたミニマル・テクノや、アンビエンスの中で揺らめくように歌う曲、他にもフィールド・レコーディングのものや、緩やかなミニマル・ハウスなど様々。中にはかなり実験的な曲もあったりするんだけど、作品全体の軸として彼女の声がきちんとした存在感を放っているので、その声の美しさを追っているだけで1枚聴きとおせてしまう。

そこはヴォーカリストとしての自分と、プロデューサーとしての自分を見事に両立させた、彼女のバランス感覚故なのでしょう。傑作。

ダウンロード

The Chemical Brothers / Brotherhood (EMI) mp3

The Chemical Brothers / Brotherhood
http://www.thechemicalbrothers.com/

Chemical Brothers の2枚目のベスト盤。前回のベストから5年しか経っていないという不満を、アナログのみでリリースされていた『Electonic Battle Weapon』をおまけに付けることでうまく押さえ込んでいて、いや、これはなかなか上手いなぁ、と思ったんだけど、それほど深くクラブ・ミュージック聴いていない人は、『Electonic Battle Weapon』自体知らないんじゃないのかなぁ、という気もする。どうなんでしょうか。まぁいいや。

本編のディスクの方に収録されているのは、当然のように Chemical Brothers のヒット曲ばかりで、それほど彼らにのめり込んだことのない私でも知っている曲がほとんど。

とはいっても、曲単位で何か感じ入るところがあるかというと、エディットで尺が短くなってる曲も少なくないのもあって、特にないんですけれども、こうやって彼らの全歴史の曲をまとめて聴いてみると、 Chemical Brothers って全然基本姿勢にブレがないんですね。硬質のブレイク・ビーツとロック的な派手な上モノがあって、あとは持ち前のポップ・センスと、多少の時代性を加えるだけといいますか。
それだけに “Star Guitar” って彼らの歴史の中でも相当異質な曲のように思えるんだけど、ああいったタイプの曲を未だに Chemical Brothers に求めている人が少なくない、というのは、ある意味不幸なのかなという気はします。

『Electonic Battle Weapon』の収録したおまけ盤のほうは、ほとんどの曲の方が四つ打ちなので、本編よりも自分には馴染むのは間違いないんだけど、フロア対応だから四つ打ち、ってちょっと安易なんじゃないかなぁ、という気がする。実際発売形態を生かした挑戦的な曲があるわけでもないし。

ということで、意外にも私は本編の方が楽しめましたかね。今度からは Chemical Brothers ももうちょっとちゃんと聴いてみよう。

The Chemical Brothers - Brotherhood
[tracklist]