今週の拾い物:Hiroki Yamamura, RAP BRAINS feat.SABO, Elhae 等

先週、先々週と更新できなかったので、今回は少し多めな拾い物(紹介できてない盤まだ沢山あるけど)。ちなみにタイトルが紛らわしいんですが、今週落とした音源ではなく、落とした音源の中で聴いたものの感想を書いているので悪しからず。落としたものに関しては Tumblr 見ていただければそれなりに分かります。

Evil Disco Boots On WaxHiroki Yamamura / Evil Disco Boots On Wax

神戸のトラックメイカーが今年2月に出した EP 。ディスコの滑らかなグルーヴがうまい形でジュークに転化されていて非常に良い。猥雑さをあまり出さず、ポップに纏めたのも良かったのではないかと。
YAMABUSHI - RAP BRAINS feat.SABO GORGE REMIXERSRAP BRAINS feat.SABO / YAMABUSHI GORGE REMIXERS
日本のラップ・グループ、RAP BRAINS のリミックス盤。ゴルジェってそこそこ数は聴いているものの、未だにどんなスタイルを指すのかよく分かってないんだけど、今作はゴルジェのみとしながらも、色々なタイプのリミックスがあって面白い。あと一番ヒップホップっぽい “YAMABUSHI (uccelli Remix)” を聴くと分かりやすいけどラップもカッコいい。
Elhae - AuraElhae / Aura
アトランタのシンガーのミックステープ。基本甘い R&B なんだけど、適度にラップが入ってくるので、甘くなりすぎる事がなく聴きやすい。
Disco Thuggin!Amherst / Disco Thuggin!
カンサスのプロデューサーの4曲入り EP 。タイトル通りのディスコ作品なんだけど、どの曲もヴォーカル・サンプルが多く使われているので聴きやすいし、音数多いながらも曲が短いのも小気味良い。
404HUCCI / 404
イギリスのトラックメイカーのミックステープ。こういうのをトラップって云うんですかね(実はよく知らない)。とりあえず今どきの重たいベースのヒップホップ。1曲1曲はカッコいいんだけど、さすがに22曲は多い。
3rd Down Back epILL SUGI / 3rd Down Back ep
神奈川のトラックメイカーのビートテープ。くぐもった感じのインスト・ヒップホップ。
Söngvar elds og óreiðuMisþyrming / Söngvar elds og óreiðu
アイスランド出身のブラック・メタル・バンドの、多分初のアルバム。野太い声と速いテンポで押しまくる感じとかデス・メタルに近く、非常に攻撃的でカッコいい。ただアルバム1枚聴かせる工夫に乏しいので、ちょっと中だるみする。泣きのギターが印象的な “Söngur uppljómunar” と、ダークアンビエントな “Frostauðn” が良い。
DownloadJ $tash X Kohh / HOOD RICH
フロリダのラッパー J $tash と日本のラッパー Kohh の競演曲。両者のラップ、トラック共にカッコいいんだけど、逆に収まりがよすぎて、”잊지마 (It G Ma)” ほどのインパクトはないかな。
DownloadJustin Timberlake / Senorita (Chef Red X Ekany Edit)
Justin Timberlake の曲をオランダのプロデューサーがリミックスしたもの。キック、ベース共に重いビートはカッコいいんだけど、この曲にはあまりあっていない気がする。
DownloadMoby / Thousand (Perc Edit)
Moby が1993年にリリースした曲を Perc がリミックスしたもの。原曲と聞き比べてみるとそれほど変わった印象はなく、キックが若干強くなった位でしょうか。だから「remix」じゃなくて「edit」なのかなぁという気もするけど、原曲に特に思い入れのない人間としてはあまり面白くなく。
EmberKubbi / Ember
ノルウェーのプロデューサーが2015年2月に出したアルバム。1曲目の哀愁漂う感じとか悪くないんだけど、2曲目以降はチップチューンを土台に、シンセの音を声の代替品にしたようなロック/ポップスが並んであんまり面白くない。まぁ逆にいえば、普段エレクトリック・ミュージックを聴かない人には聴きやすいかと。

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今週の拾い物 : Drexciya, Creme Organization, ROY ENGLISH, .sinh 等

今年に入ってからぽつぽつ書いてるフリーで落とした音源のまとめ記事なんですが、分かりにくいんでタイトル変えてみたら、なんか summerbreeze1 さんのパクリみたいになってしまった。なんかすいません。あと今回は消されちゃってるのが多いです。重ね重ねすいません。

Hydrogen Atoms EPDrexciya / Hydrogen Atoms EP
唐突に Bandcamp で発表された Drexciya の EP 。Drexciya ってそれほど追いかけてないので現在誰がメンバーなのかも知らなければ、音聴いてこれが本物なのかも判断できないんだけど、曲自体は疾走感がありながらもグルーヴがちゃんとあるエレクトロばかりでカッコいい。でも消されちゃったみたい。
There Is No Authority But Yourself - 15 Years Creme OrganizV.A. / There Is No Authority But Yourself – 15 Years Creme Organization – Part 1
Legowelt が主催するオランダのレーベルの15周年記念コンピ。参加アーティストは BNJMN と Legowelt 位しか知らないんだけど、どの曲も完成度は高い。エレクトロっぽいテクノが多い中、変則的なミニマル・ダブの Benedikt Frey が素敵。
DownloadROY ENGLISH / Julianne
アメリカのシンガーがフリーで発表した曲。SNS でシェアしないと落とせないのが面倒なんだけど、曲自体は素晴らしく、柔らかな四つ打ちのバックトラックと、彼の透明感のある絡みが心地よい。まだまとまった作品は出していないみたいだけど、今後が楽しみな人だ。
Download 1.sinh / thursday’s sketches (amsterdam)
オランダのプロデューサーによるインスト・ヒップホップ。長さは5分強ながら、次々とループが変わる、ちょっとしたビートテープのようになっていて面白い。
Download 1.sinh / fallinluv (friday)
もう1曲 .sinh の。優雅なピアノと女性ヴォーカルが美しいジャジー・ヒップホップ。
TV on The RadioCee Lo Green / TV on The Radio
90年代前半から活動するシンガー/ラッパーのミックステープ。テレビのテーマ・ソングをネタにしているらしく、非常に賑やかな感じではあるんだけど、Cee Lo Green の声も記名性が強いので全然負けてない。ただもう消されちゃったみたい。
Young Freez & DJ Ryo - Freezy TalkYoung Freez & DJ Ryo / Freezy Talk
東京のラッパーが昨年発売したミックステープをフリーで解放したもの(でも削除されちゃったみたい)。英語主体のラッパーによくある巻き舌のラップなんだけど、英語自体はそれほど使っておらず、どっしりとしたスタイルが良い引っかかりになってる。ただそれ以上の個性が今作聴いただけだと分からないので、今後に期待かしら。
Dude_ep2DUDE / 1993 Vol.2
茨城のラッパーのミックステープ。 YOUNG BLOOD ってクルーの人みたい。ラップのスタイルとしては最近よく聴く鼻歌っぽいものなんだけど、この人は声の線が細いので、それがそのままラップの押しの弱さにもなっちゃってるかな。もっとメロウな方があってると思うんだけど。
Not For Sale 2014V.A. / Not For Sale: Red Bull Music Academy Tokyo 2014
昨年行われた Red Bull Music Academy Tokyo のコンピ。35曲もあるので、さすがに玉石混合という感じはあるんだけど、その雑多さが楽しい。
DownloadNatasha Kmeto / The Only Time
アメリカの女性シンガーによる Nine Inch Nails のカバー。原曲は聴いた事がないんだけど、それほど Nine Inch Nails のイメージから離れておらず、良くも悪くも無難な仕上がり。
Four Years WorthPeter Bec / Four Years Worth
カリフォルニア在住のシンガーによるアルバム。ヒップホップやエレクトロを取り入れたローファイ・ポップという感じなんだけど、終始フワフワしていてひっかかりがないので印象に残りにくい。

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Helios / Moiety (Unseen) mp3

Helios / Moiety (Unseen)

Helios こと Keith Kenniff さんが先月自身のレーベルから発表したフリーのアルバム。

ビートのない音楽って基本的に苦手なんで、今作のようなリズムのないアンビエントはほとんど聴かないんだけど、そんな私からしてもエレクトロニクスと生楽器をバランスよく配し、淡い心象風景を描き出すこの作品の美しさには抗えない。

中でもピアノを使った曲の美しさは素晴らしく、明確なメロディがあるわけでもないのに、きちんと印象に残るようなものになっていて、こういうアンビエントだったらまた聴いてみたい。

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最近の拾い物

またフリーダウンロードの作品を簡単に紹介してお茶を濁します。

V.A. / UNDERGROUND ASSAULT Volume 1
『V.A. / UNDERGROUND ASSAULT Volume 1』
「GIVE MUSIC TO US!」というアメリカの音楽サイトで配布しているミックステープ。
ジャケットからして分かるとおり収録曲のほとんどがハーコーなヒップホップなんだけど(歌モノもいくつかある)、トラックにしろラップにしろどうにも個性に乏しいのっぺりとしたものが多く、集中して聴くには少々辛い内容。「特攻野郎Aチーム」の音源をサンプリングした “A-Team” なんかはネタとしては面白いけど、曲としてはやっぱりイマイチ。
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Lee Brasco, Kidnap & Ransom, Juan Atkins, sleeparchive, RATLAP, Echodub

またフリーの音源をまとめていくつか。

Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco
『Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco』
2007年ごろから活動しているらしいロンドン出身のグライム MC のミックステープ。
グライムのミックステープって頭からケツまで押しまくるものが多い印象なんだけど、これは1曲目がメロウなミドルナンバーで意表をつかれるし、それに続くファストラップの曲も堂に入っている。それ以降も緩急つけながら様々なスタイルの曲があり、広義のヒップホップ作品として楽しめる。トラックの完成度がどれも高いのも個人的には嬉しい。傑作です。
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The Jet Age Of Tomorrow、The Streets、Gucci Mane、Giggs、J.Period, John Legend & The Roots

どうも今晩は。もうすぐブログ初めて丸7年になるというのに未だ方向性の見えない shooter です。
ということで、最近聴いたフリーの音源をまとめて(ちょっと単独記事にするのに限界を感じた)。

The Jet Age Of Tomorrow / The Journey To The 5th Echelon
『The Jet Age Of Tomorrow / The Journey To The 5th Echelon』
先日アメリカのテレビ番組「Late Night」に出演して話題になった ODD FUTURE から昨年末に出た作品。
ODD FUTURE の作品て暗いものが多い印象なんですが、これはすっきりとした音作りで聴きやすい。あとブラック・ミュージック絵巻とでも云いたくなるくらいスタイルが幅広いのも面白い。
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Polder / Poldermodel (Intact) mp3

Poldermodel

Laurens Lanting と David Labeij によるオランダのデュオ、Polderの初アルバム。

この人の音源って聴くの初めてなので、いつもそうなのか分からないんだけど、とにかくこのアルバムは音の抜けが非常に良い。全体的にリズムは太く跳ねる感じのものなんだけど、この音の良さのおかげで聴いてて疲れることが全くなく、むしろひたすら気持ちいい。

まぁ他に特徴は、と問われても、完成度は高いながらも、他には何も出てこない感じのミニマルではあるんだけど、グルーヴの質感がよりハウスに近いのも快楽度高めでよかです。

これは大音量で聴いてみたい。

試聴
amazon.co.jp

Nu:Tone / Medical History (Hospital) mp3

Medical History
http://www.hospitalrecords.com/

London Elektricity が主宰する Hospital から、 Nu:Tone こと Dan Gresham のコンピ。なんでもこの『Medical History』というのは、アルバム未収録曲等を集めたデジタル・オンリーのコンピ・シリーズなんだそうな。

実は今まで全然聴いたことないんだけど、なんとなくお洒落なイメージのある Hospital なんですが、今作は妙にメロディアスであったり、また装飾過多なんてこともなく、全体的に実にすっきりしている。でもバキバキのハードコアなんて事もまたなく、ドラムのアタック音が抑えられているせいか、非常に聴きやすい。

みなさん聴きやすく、っていうと、何かとポップな方向にいきがちですが、軸をぶらさず、音質面に気をつかうというのは、これはクラブ・ミュージックとしては実に真っ当な方向性なんじゃないでしょうか。
まぁ私はドラムン・ベースろくすっぽ聴いてないので、こんな音作り全然珍しくないのかもしれないけど。

Nu:Tone - Medical History

Sonny J / Disastro (EMI) mp3

Disastro
http://www.sonnyj.co.uk/

Chemical Brothers の『We are the Night』に参加してたとか何とかいうお方のデビュー作。

カラフルなジャケットそのままの、古今東西のポップスを、ブレイク・ビーツの上にぶちまけたようなその音は、楽しいの一言。中でもまんま70年代ディスコ・ファンクでめちゃくちゃカッコいい “Handsfree (If You Hold My Hand)” と、これまたまんま Jackson 5 な “Can’t Stop Moving” はかなり好き。
まぁその2曲に比べると、他の曲は若干弱いのは否めないんだけど、デビュー作としては小気味よくまとまっていていいんじゃないでしょうか。
あとはこれで胸キュン度が上がればいうことなしです。

Sonny J - Disastro

Intrusion / Intrusion/Reflection (Echospace) mp3

Intrusion/Reflection
http://www.dctrax.com/

一緒に注文した盤の入荷が遅れているとかで、 Basic Channel の『BCD-2』が未だに聴けていない状態なんですけれども、代わりに Echospace を聴いてます。

Echospace というのは、Rod Modell と Steve Hitchell によるプロジェクトで、昨年のアルバム『The Coldest Season』で注目を集めて以降、凄いペースで関連作をリリースしているのですが、これは Rod Modell と Steve Hitchell の二人が90年代中期に作ったという音源を再構築したもの。

どうもこのレーベルは、質こそは毎回高いものの、どれもいかにもなベーチャン・フォロワーばかりという印象が強いんだけど、これもそれは変わりない。しかし緊張感の高い Basic Channel に比べると、こちらの方がゆったりとしていて楽に聴ける。さらに今までのような、過度なエフェクトによる霧中の中のサウンドといった印象から、より隙間を生かした音作りになっており、さらに低音が太くなっていて、フロアでも使いやすそうな音になっている。
ということで、聴いたら聴いたでやっぱり良い。なんだけど、他の盤比べて毎度価格が高いアナログを、さらにこう乱発されちゃうと、やっぱり積極的に食指が動かないんだよなぁ。

試聴