今週の拾い物:Hiroki Yamamura, RAP BRAINS feat.SABO, Elhae 等

先週、先々週と更新できなかったので、今回は少し多めな拾い物(紹介できてない盤まだ沢山あるけど)。ちなみにタイトルが紛らわしいんですが、今週落とした音源ではなく、落とした音源の中で聴いたものの感想を書いているので悪しからず。落としたものに関しては Tumblr 見ていただければそれなりに分かります。

Evil Disco Boots On WaxHiroki Yamamura / Evil Disco Boots On Wax

神戸のトラックメイカーが今年2月に出した EP 。ディスコの滑らかなグルーヴがうまい形でジュークに転化されていて非常に良い。猥雑さをあまり出さず、ポップに纏めたのも良かったのではないかと。
YAMABUSHI - RAP BRAINS feat.SABO GORGE REMIXERSRAP BRAINS feat.SABO / YAMABUSHI GORGE REMIXERS
日本のラップ・グループ、RAP BRAINS のリミックス盤。ゴルジェってそこそこ数は聴いているものの、未だにどんなスタイルを指すのかよく分かってないんだけど、今作はゴルジェのみとしながらも、色々なタイプのリミックスがあって面白い。あと一番ヒップホップっぽい “YAMABUSHI (uccelli Remix)” を聴くと分かりやすいけどラップもカッコいい。
Elhae - AuraElhae / Aura
アトランタのシンガーのミックステープ。基本甘い R&B なんだけど、適度にラップが入ってくるので、甘くなりすぎる事がなく聴きやすい。
Disco Thuggin!Amherst / Disco Thuggin!
カンサスのプロデューサーの4曲入り EP 。タイトル通りのディスコ作品なんだけど、どの曲もヴォーカル・サンプルが多く使われているので聴きやすいし、音数多いながらも曲が短いのも小気味良い。
404HUCCI / 404
イギリスのトラックメイカーのミックステープ。こういうのをトラップって云うんですかね(実はよく知らない)。とりあえず今どきの重たいベースのヒップホップ。1曲1曲はカッコいいんだけど、さすがに22曲は多い。
3rd Down Back epILL SUGI / 3rd Down Back ep
神奈川のトラックメイカーのビートテープ。くぐもった感じのインスト・ヒップホップ。
Söngvar elds og óreiðuMisþyrming / Söngvar elds og óreiðu
アイスランド出身のブラック・メタル・バンドの、多分初のアルバム。野太い声と速いテンポで押しまくる感じとかデス・メタルに近く、非常に攻撃的でカッコいい。ただアルバム1枚聴かせる工夫に乏しいので、ちょっと中だるみする。泣きのギターが印象的な “Söngur uppljómunar” と、ダークアンビエントな “Frostauðn” が良い。
DownloadJ $tash X Kohh / HOOD RICH
フロリダのラッパー J $tash と日本のラッパー Kohh の競演曲。両者のラップ、トラック共にカッコいいんだけど、逆に収まりがよすぎて、”잊지마 (It G Ma)” ほどのインパクトはないかな。
DownloadJustin Timberlake / Senorita (Chef Red X Ekany Edit)
Justin Timberlake の曲をオランダのプロデューサーがリミックスしたもの。キック、ベース共に重いビートはカッコいいんだけど、この曲にはあまりあっていない気がする。
DownloadMoby / Thousand (Perc Edit)
Moby が1993年にリリースした曲を Perc がリミックスしたもの。原曲と聞き比べてみるとそれほど変わった印象はなく、キックが若干強くなった位でしょうか。だから「remix」じゃなくて「edit」なのかなぁという気もするけど、原曲に特に思い入れのない人間としてはあまり面白くなく。
EmberKubbi / Ember
ノルウェーのプロデューサーが2015年2月に出したアルバム。1曲目の哀愁漂う感じとか悪くないんだけど、2曲目以降はチップチューンを土台に、シンセの音を声の代替品にしたようなロック/ポップスが並んであんまり面白くない。まぁ逆にいえば、普段エレクトリック・ミュージックを聴かない人には聴きやすいかと。

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今週の拾い物 : Drexciya, Creme Organization, ROY ENGLISH, .sinh 等

今年に入ってからぽつぽつ書いてるフリーで落とした音源のまとめ記事なんですが、分かりにくいんでタイトル変えてみたら、なんか summerbreeze1 さんのパクリみたいになってしまった。なんかすいません。あと今回は消されちゃってるのが多いです。重ね重ねすいません。

Hydrogen Atoms EPDrexciya / Hydrogen Atoms EP
唐突に Bandcamp で発表された Drexciya の EP 。Drexciya ってそれほど追いかけてないので現在誰がメンバーなのかも知らなければ、音聴いてこれが本物なのかも判断できないんだけど、曲自体は疾走感がありながらもグルーヴがちゃんとあるエレクトロばかりでカッコいい。でも消されちゃったみたい。
There Is No Authority But Yourself - 15 Years Creme OrganizV.A. / There Is No Authority But Yourself – 15 Years Creme Organization – Part 1
Legowelt が主催するオランダのレーベルの15周年記念コンピ。参加アーティストは BNJMN と Legowelt 位しか知らないんだけど、どの曲も完成度は高い。エレクトロっぽいテクノが多い中、変則的なミニマル・ダブの Benedikt Frey が素敵。
DownloadROY ENGLISH / Julianne
アメリカのシンガーがフリーで発表した曲。SNS でシェアしないと落とせないのが面倒なんだけど、曲自体は素晴らしく、柔らかな四つ打ちのバックトラックと、彼の透明感のある絡みが心地よい。まだまとまった作品は出していないみたいだけど、今後が楽しみな人だ。
Download 1.sinh / thursday’s sketches (amsterdam)
オランダのプロデューサーによるインスト・ヒップホップ。長さは5分強ながら、次々とループが変わる、ちょっとしたビートテープのようになっていて面白い。
Download 1.sinh / fallinluv (friday)
もう1曲 .sinh の。優雅なピアノと女性ヴォーカルが美しいジャジー・ヒップホップ。
TV on The RadioCee Lo Green / TV on The Radio
90年代前半から活動するシンガー/ラッパーのミックステープ。テレビのテーマ・ソングをネタにしているらしく、非常に賑やかな感じではあるんだけど、Cee Lo Green の声も記名性が強いので全然負けてない。ただもう消されちゃったみたい。
Young Freez & DJ Ryo - Freezy TalkYoung Freez & DJ Ryo / Freezy Talk
東京のラッパーが昨年発売したミックステープをフリーで解放したもの(でも削除されちゃったみたい)。英語主体のラッパーによくある巻き舌のラップなんだけど、英語自体はそれほど使っておらず、どっしりとしたスタイルが良い引っかかりになってる。ただそれ以上の個性が今作聴いただけだと分からないので、今後に期待かしら。
Dude_ep2DUDE / 1993 Vol.2
茨城のラッパーのミックステープ。 YOUNG BLOOD ってクルーの人みたい。ラップのスタイルとしては最近よく聴く鼻歌っぽいものなんだけど、この人は声の線が細いので、それがそのままラップの押しの弱さにもなっちゃってるかな。もっとメロウな方があってると思うんだけど。
Not For Sale 2014V.A. / Not For Sale: Red Bull Music Academy Tokyo 2014
昨年行われた Red Bull Music Academy Tokyo のコンピ。35曲もあるので、さすがに玉石混合という感じはあるんだけど、その雑多さが楽しい。
DownloadNatasha Kmeto / The Only Time
アメリカの女性シンガーによる Nine Inch Nails のカバー。原曲は聴いた事がないんだけど、それほど Nine Inch Nails のイメージから離れておらず、良くも悪くも無難な仕上がり。
Four Years WorthPeter Bec / Four Years Worth
カリフォルニア在住のシンガーによるアルバム。ヒップホップやエレクトロを取り入れたローファイ・ポップという感じなんだけど、終始フワフワしていてひっかかりがないので印象に残りにくい。

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Helios / Moiety (Unseen) mp3

Helios / Moiety (Unseen)

Helios こと Keith Kenniff さんが先月自身のレーベルから発表したフリーのアルバム。

ビートのない音楽って基本的に苦手なんで、今作のようなリズムのないアンビエントはほとんど聴かないんだけど、そんな私からしてもエレクトロニクスと生楽器をバランスよく配し、淡い心象風景を描き出すこの作品の美しさには抗えない。

中でもピアノを使った曲の美しさは素晴らしく、明確なメロディがあるわけでもないのに、きちんと印象に残るようなものになっていて、こういうアンビエントだったらまた聴いてみたい。

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最近の拾い物

またフリーダウンロードの作品を簡単に紹介してお茶を濁します。

V.A. / UNDERGROUND ASSAULT Volume 1
『V.A. / UNDERGROUND ASSAULT Volume 1』
「GIVE MUSIC TO US!」というアメリカの音楽サイトで配布しているミックステープ。
ジャケットからして分かるとおり収録曲のほとんどがハーコーなヒップホップなんだけど(歌モノもいくつかある)、トラックにしろラップにしろどうにも個性に乏しいのっぺりとしたものが多く、集中して聴くには少々辛い内容。「特攻野郎Aチーム」の音源をサンプリングした “A-Team” なんかはネタとしては面白いけど、曲としてはやっぱりイマイチ。
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Lee Brasco, Kidnap & Ransom, Juan Atkins, sleeparchive, RATLAP, Echodub

またフリーの音源をまとめていくつか。

Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco
『Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco』
2007年ごろから活動しているらしいロンドン出身のグライム MC のミックステープ。
グライムのミックステープって頭からケツまで押しまくるものが多い印象なんだけど、これは1曲目がメロウなミドルナンバーで意表をつかれるし、それに続くファストラップの曲も堂に入っている。それ以降も緩急つけながら様々なスタイルの曲があり、広義のヒップホップ作品として楽しめる。トラックの完成度がどれも高いのも個人的には嬉しい。傑作です。
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The Jet Age Of Tomorrow、The Streets、Gucci Mane、Giggs、J.Period, John Legend & The Roots

どうも今晩は。もうすぐブログ初めて丸7年になるというのに未だ方向性の見えない shooter です。
ということで、最近聴いたフリーの音源をまとめて(ちょっと単独記事にするのに限界を感じた)。

The Jet Age Of Tomorrow / The Journey To The 5th Echelon
『The Jet Age Of Tomorrow / The Journey To The 5th Echelon』
先日アメリカのテレビ番組「Late Night」に出演して話題になった ODD FUTURE から昨年末に出た作品。
ODD FUTURE の作品て暗いものが多い印象なんですが、これはすっきりとした音作りで聴きやすい。あとブラック・ミュージック絵巻とでも云いたくなるくらいスタイルが幅広いのも面白い。
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Polder / Poldermodel (Intact) mp3

Poldermodel

Laurens Lanting と David Labeij によるオランダのデュオ、Polderの初アルバム。

この人の音源って聴くの初めてなので、いつもそうなのか分からないんだけど、とにかくこのアルバムは音の抜けが非常に良い。全体的にリズムは太く跳ねる感じのものなんだけど、この音の良さのおかげで聴いてて疲れることが全くなく、むしろひたすら気持ちいい。

まぁ他に特徴は、と問われても、完成度は高いながらも、他には何も出てこない感じのミニマルではあるんだけど、グルーヴの質感がよりハウスに近いのも快楽度高めでよかです。

これは大音量で聴いてみたい。

試聴
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Nu:Tone / Medical History (Hospital) mp3

Medical History
http://www.hospitalrecords.com/

London Elektricity が主宰する Hospital から、 Nu:Tone こと Dan Gresham のコンピ。なんでもこの『Medical History』というのは、アルバム未収録曲等を集めたデジタル・オンリーのコンピ・シリーズなんだそうな。

実は今まで全然聴いたことないんだけど、なんとなくお洒落なイメージのある Hospital なんですが、今作は妙にメロディアスであったり、また装飾過多なんてこともなく、全体的に実にすっきりしている。でもバキバキのハードコアなんて事もまたなく、ドラムのアタック音が抑えられているせいか、非常に聴きやすい。

みなさん聴きやすく、っていうと、何かとポップな方向にいきがちですが、軸をぶらさず、音質面に気をつかうというのは、これはクラブ・ミュージックとしては実に真っ当な方向性なんじゃないでしょうか。
まぁ私はドラムン・ベースろくすっぽ聴いてないので、こんな音作り全然珍しくないのかもしれないけど。

Nu:Tone - Medical History

Sonny J / Disastro (EMI) mp3

Disastro
http://www.sonnyj.co.uk/

Chemical Brothers の『We are the Night』に参加してたとか何とかいうお方のデビュー作。

カラフルなジャケットそのままの、古今東西のポップスを、ブレイク・ビーツの上にぶちまけたようなその音は、楽しいの一言。中でもまんま70年代ディスコ・ファンクでめちゃくちゃカッコいい “Handsfree (If You Hold My Hand)” と、これまたまんま Jackson 5 な “Can’t Stop Moving” はかなり好き。
まぁその2曲に比べると、他の曲は若干弱いのは否めないんだけど、デビュー作としては小気味よくまとまっていていいんじゃないでしょうか。
あとはこれで胸キュン度が上がればいうことなしです。

Sonny J - Disastro

Intrusion / Intrusion/Reflection (Echospace) mp3

Intrusion/Reflection
http://www.dctrax.com/

一緒に注文した盤の入荷が遅れているとかで、 Basic Channel の『BCD-2』が未だに聴けていない状態なんですけれども、代わりに Echospace を聴いてます。

Echospace というのは、Rod Modell と Steve Hitchell によるプロジェクトで、昨年のアルバム『The Coldest Season』で注目を集めて以降、凄いペースで関連作をリリースしているのですが、これは Rod Modell と Steve Hitchell の二人が90年代中期に作ったという音源を再構築したもの。

どうもこのレーベルは、質こそは毎回高いものの、どれもいかにもなベーチャン・フォロワーばかりという印象が強いんだけど、これもそれは変わりない。しかし緊張感の高い Basic Channel に比べると、こちらの方がゆったりとしていて楽に聴ける。さらに今までのような、過度なエフェクトによる霧中の中のサウンドといった印象から、より隙間を生かした音作りになっており、さらに低音が太くなっていて、フロアでも使いやすそうな音になっている。
ということで、聴いたら聴いたでやっぱり良い。なんだけど、他の盤比べて毎度価格が高いアナログを、さらにこう乱発されちゃうと、やっぱり積極的に食指が動かないんだよなぁ。

試聴

Barry Lynn / Balancing Lakes (Planet Mu) mp3

Balancing Lakes
http://www.planet-mu.com/

昨年 Boxcutter 名義で出したアルバム『Glyphic』が話題になったお方の、それ以前の名義である Barry Lynn での2年から2005年頃までの作品を集めたコンピレーション。Boxcutter 名義ではダブ・ステップやってるようなんだけど、こちらの名義ではブレイク・コア中心です。

レーベルが Planet Mu だから、というわけでもないんだけど、聴いていて思い出したのは µ-Ziq の『Lunatic Harness』で、リズムもブレイク・コアの雑多な感じに比べると、ドラムン・ベースの変種といった感じだった当時を思わせるものだし、全体的にメロディアスなのもその印象を強くする。なのでブレイク・コアによくある、ぶっ壊れた面白さであったり、歪んだユーモアの感覚であったりというのは、正直あまり感じられないのだけれど、私なんかはノスタルジックに浸ってしまう心地よさがあるし、作品の出来自体も良質な佳作。今度 Boxcutter 名義のも聴いてみよう。

Barry Lynn - Balancing Lakes

Lil Wayne / Tha Carter Ⅲ (Cash Money) mp3

Tha Carter Ⅲ
http://www.cashmoney-records.com/

自動記事作成装置作動!
って全く意味が分からないと思いますが、少しの間、出来るだけ多くの記事をポンポン上げていこうかなと。まぁ今までにも何回かやろうとして、出来た試しがないので、今回も続くか分からないのですが、頑張ろうかなと。頑張れるかなと。頑張れるといいなと・・・。

もう何年もアメリカのメジャーどころのヒップ・ホップってまともに追いかけてないので、今どういうのが流行っているのかとか全く分からないのですが、発売一週間で100万枚を突破したという事で聴いてみた Lil Wayne の7枚目のアルバム。

Cash Money って聴いたことないんだけど、すごくブリンブリンなイメージがあって、さらにアメリカのメジャーってバキバキなイメージがあって(すごく稚拙な表現ですいません)、でもこのアルバムはそのどちらとも違って、思っていたよりもずっとメロウ。なんでもこの人はシンギングラップというスタイルなんだそうで、比較的メロディアスなものが多く、それでいてヒップ・ホップらしくビートも立っているので聴き易い。
でも Lil Wayne 御本人の声が、ものすごく個性的なダミ声といいますか、例えるなら Dose OneSeeda を合わせた様な声といいますか(余計分かりにくい)、とにかく私には非常に苦手な部類の声で、それだけでもう駄目です。まぁそれでも聴いていて苦痛ということはないので、なかなかの良盤なんだとは思うんだけど、やっぱり積極的に聴く気にはなりません。結局私はこのアルバムでは Babyface の歌が一番良かったです。

試聴

Sasha / The emFire Collection : Mixed, Unmixed & Remixed (emFire) mp3

The emFire Collection (Mixed, Unmixed & Remixed)
http://www.emfiremusic.com/

Sasha の新レーベル、 emFire の2枚組みコンピ。
一時期猫も杓子もミニマルに流れそうな風潮の中で、 Sasha は早くから、そして本格的にミニマルに片足突っ込んでた人ですが、今作は流石というべきか、豪華且つ実に分かってらっしゃる面々がリミキサーとして参加しているので、けっこう期待していたのですが、結論からいえばどれも微妙。
というのも、 Slam 、 Audion 、 Radio Slave 、 The Field という4組のリミキサーがそれぞれ2パターンずつリミックスを提供していて、全員1バージョンはいつものダンサブルなモノながら、もう1つのバージョンが、自分たちのアルバムでもやらないんじゃないかってくらい実験的なもので(そういう企画なの?)、しかもそれが全部頭から4曲並べられているものだから、聴いていてかなりたるい。
それにダンサブルなリミックスな方も、この面子だったらこれくらいは当然、という程度のリミックスで、良かったのはデトロイティッシュなミニマルにした Slam くらい。
2枚目の Sasha による曲は、いかにもな border community 系の曲ばかりで、だったら本家を聴くよという感じだし、40分の大作という事で話題の “New Emissions of Light and Sound” はただ長いだけだし。
なんかこういうの聴くとね、 James Holden は改めて天才だなぁと思います。

Sasha - The emFire Collection: Mixed, Unmixed & Remixed
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Let’s Go Outside / A Picnic With The Hunters (soma)mp3

A Picnic With The Hunters
http://www.somarecords.com/

イタリアのユニット、 Let’s Go Outside の Soma からのデビュー・アルバム。
Soma っていうと今ではずいぶんとミニマルに傾倒しているイメージがあるけど、この Let’s Go Outside はエレクトロニカや IDM などの、もっと広義なエレクトロニック・ミュージックになっていて、私の中ではけっこう意外。さらにジャケットにも表れているように、そこはかとないエロスが感じられて、それが最も分かりやすく出ているのが “My First Time” 。インダストリアルにも近い硬質なビートの上に、「初体験?16のとき」というロリ声のサンプルがループしていて、曲としてはカッコいいんだけれども、外国人がこういう日本語をサンプリングするセンスって、正直私にはよく分からん。
でも他の曲も、際立って印象的なものはないものの、全体の完成度はなかなかのもので、さらに、最近ミニマル一辺倒なシーンの中で、こういうアルバムがテクノ系のレーベルからリリースされるという事は、結構意味のあることのように思います。

Let's Go Outside - A Picnic With the Hunters

Lynx & Alix Perez / Allegiance EP (Soul:r)mp3

Allegiance EP
http://www.soulr.co.uk/

Cisco のサイトで、初期 Photek が引き合いに出されていたので聴いたみた、ドラムンベースのダブル・パック。
一応タイトルだけ見ると、二人の共作のように思えるけど、実際には共作してるのは1曲のみで、残りはそれぞれのソロで、 Alix Perez の2曲、 Lynx が1曲という構成。
音の方は、確かに Photek ですねぇ、としかいいようがないような感じのシャープなドラムン・ベース。中でも Alix Perez は独特の抜けのいい音色から曲の感じから、ホントそっくりなんだけど、強いていえば、緊張感の高い Photek よりも、こちらの方が良くも悪くも洗練されていて聴き易い。
何だかんだで良盤。

試聴

Sonar Kollektiv Orchester / Guaranteed Niceness

Sonar Kollektiv Orchester
http://www.sonarkollektiv.com/

Sonar Kollektiv のレーベル設立10周年を記念して、プロデューサーの Volker Meitz を中心に結成されたプロジェクトのアルバム。
このグループ名から大体想像できるとは思うんだけど、 Sonar Kollektiv のヒット曲をオーケストラ形式で演奏するというもので、最近 Francesco TristanoMaxence Cyrin などが、クラブ・ミュージックのクラシック・カヴァーをやっているけれど、今こういうのが流行りなんでしょうか。
私は Sonar Kollektiv ってそれほど馴染みのあるレーベルではないので、この中で知ってる曲って2曲しかなくて、原曲と比べてどうこうという事は出来ないのだけれど、それにしてもこういったプロジェクトにありがちな、流麗さにばかりとらわれた、ダイナミズムや躍動感が感じられない演奏は、はっきりいって退屈。
しかしなんでクラブ系の人って、こうやってクラシックとかジャズやりたがるのかなぁ。やっぱりコンプレックスなのかしら。

Sonar Kollektiv Orchester - Guaranteed Niceness
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DJ Finesse / The Official Best of Mariah Carey

The Official Best of Mariah Carey
http://www.mariahcarey.com/

タイトルとは裏腹に、明らかにオフィシャルではなさそうな Mariah Carey のミックスCD。アメリカのヒップ・ホップや R&B のアーティストの場合、メジャー流通の作品以外にも、ストリートモノのミックスCDなんかも沢山出している人が多くて、これもそういう類のものなんでしょうか。
まぁ出自の方はともかくとして、内容のほうはタイトルどおりの有名曲のオンパレードで、 Mariah Carey の作品は2、3枚持ってるくらいの私でも、半分以上は知ってるんだから、改めて彼女のヒット曲の多さと、息の長さには驚く。それに、 Mariah Carey というと、どうも超音波のような高音ヴォーカルという印象が強いんだけど、改めて聴いてみると、けっこう抑えた歌唱も多くて、思ったよりもはるかに聴きやすい。あと、これは良いのか悪いのか、時代が経つにしたがって、どんどんエロくなってるのもよく分かる。
はっきりいってミックス的な部分に関しては、面白いところは全くないんだけど、それでも便利な1枚ではあるかと。

Crystal Castles / Crystal Castles (Last Gang)mp3

Crystal Castles
http://www.myspace.com/crystalcastles

カナダ出身の男女二人組みユニットのファースト。
ニュー・レイヴなるタームが聞かれるようになって以降、ダンサブルなロックやポップ、もしくわポップなダンス・ミュージックが山のように出てきていて、このユニットも大枠ではその中に納まるものなのは間違いない。しかしその中でも Crystal Castles を私が特に魅力的に感じるのは、瞬間的な沸点の高さにばかり目がいきがちなダンス・ミュージックにあって、むしろそれ以外の、一見何もない部分をどうやってもたせるかの方が大事である、ということを分かっているからで、例えばこのアルバムでは “Alice Practice” や “Xxzxcuzx Me” といった曲で、いかにも今らしいエレクトロ・パンクを鳴らしているかと思えば、一方でノスタルジックなシンセの音色を配したエレ・ポップが作品の大半を占めていて、作品全体で非常に静と動のバランスが取れた内容になっている。中でも、 “1991” と “Reckless” という2曲のインストは、分厚いシンセの音色が心地よく、普段テクノやハウスを聴いてる耳でも充分魅力的。
やはり普段ミニマルやダブ・ステップなどのダウナーなダンス・ミュージックを聴いてるものからすると、あまり躁状態の続くものは疲れてしまうんだけど、このユニットは聴いていてとにかく楽。それでいてエッジも失われていなくて、こういうユニットがもっと話題になってほしいなぁ。

Crystal Castles - CRYSTAL CASTLES

Pendulum / In Silico (Atlantic)mp3

In Silico
http://www.pendulum.com/

オーストラリアのドラムン・ベース・バンドのセカンド。
前作の『Hold Your Colour』のジャケットはずいぶんとハード・コアな感じだったけど、今作は大味なハード・ロックとしか表現のしようのない音になっていて、 Breakbeat Kaos 出身などという出自は忘れた方がいいというべきか、むしろ Breakbeat Kaos 出身だからこうなったというべきか。とにかく、ドタバタと鳴るドラムと、豪快なギターが中心、しかも全編ヴォーカル入りということで、良くも悪くも非常に分かりやすい音なのは間違いない。
そして、ここまで安直なロック・サウンドって、逆にロックの側からはあまり出てこないように思うし、数年前のニューウェイヴ・リバイバルに始まり、最近のエレクトロ・ハウスを経て、遂にクラブ・ミュージックはビック・ロックにまでたどり着いた、と考えれば面白くなくもないんだけど、結局のところ、大衆化しようと思ったら、どんなジャンルであろうと行き着く音は一緒なのだという退屈感の方が強い作品。これならまだデジタル・ロックの方が気骨があったと思うよ。

Pendulum - In Silico

Earth / The Bees Made Honey In The Lion’s Skull (Southern Lord)mp3

The Bees Made Honey In The Lion's Skull
http://www.southernlord.com/

90年代初頭から活動しているらしいドゥーム/ドローン系のバンドの新作。
個人的にドゥームというと、 Cathedral のデビュー作が浮かんでくるような人間なんで、最近の動きとか全く理解していないんですが、この作品に関していえば、想像していたような極悪な感じというのはあまりなく、ジャケットに表れているように、わりと葉っぱ系の音。
低くチューニングされたギターを中心とした音はひたすら遅くて、時間軸がおかしくなりそうなんだけど、それと同時に、ブルースにも近いギターの奏でるフレーズが甘美さも併せもっていて、そりゃこんなの聴きながら、アレとかコレとか、酒飲んだらそりゃダメ人間にもなりますわ。でもこの快感は結構クセになりそう。
これからはこっち方面も少しずつ手出してみようかなぁ。

試聴
Earth - The Bees Made Honey In the Lions Skull

E. Bridge / Folklore (Sushitech Purple)mp3

Folklore
http://www.sushitech.com/

Funzion 名義でも活動してる Alejandro Mosso によるプロジェクト、 E. Bridge が Sushitech Purple から昨年出したダブル・パック。

参加しているリミキサーが Dandy Jack に、 Digitaline のメンバーでもある Gregorythme という時点で分かる感じもしますが、 Cadenza っぽいオリエンタルなテック・ミニマル。いってしまえばそれ以上でもそれ以下でもないという感じはあるものの、シャープなキックの上にラテンギターが乗る “Altossucios” に、パーカッションによる起伏と淡いメロディで引っ張る “Puente Del Inca” 共に、完成度は申し分ない。それに Cadenza フォロワーの多くがそうであるように、この作品も、ゆったりとした作りの Cadenza に比べ、機能性という面ではむしろ上で、あとはここに強烈な個性が加われば、とは思うものの、次の作品も聴いてみたいと思わせるには十分な出来。

試聴

Mark Farina / Fabric 40 (Fabric)mp3

Fabric 40
http://www.fabriclondon.com/label/home.php

今までに比べると、信じられないくらい地味なジャケットになった「Fabric」の最新作は、御代 Mark Farina 。
で、私今の今まで勘違いしてたんですが、なぜか Mark Farina と Luke Solomon がごっちゃになっていたようで、なんか最近のミニマルっぽい感じもシカッゴっぽい感じも薄いなぁ、なんて思ってたら、そうですか、別人でしたか。
ということで書こうと思ってた事の半分くらいはおじゃんになってしまった感じなのですが(言い訳)、 Mark Farina ってアメリカの西海岸を代表するハウスの人なんだそうで、なるほど、今作はこんなの久しぶりに聴いたぁ、って感じの正調ハウス・ミックス。でもゆったりとした前半から、声ネタなどを交えつつどんどん盛り上げていく展開は、特に目新しさは感じないものの、聴いたら聴いたでやっぱり楽しいんですよね。
そういえば前作の Robert Hood のも基本に立ち返ったようなミックスだったけど、これが最近の「Fabric」のモードなのかしら。因みに次作は Luciano らしいです。

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V.A. / License To Thrill (Dub Police)mp3

License To ThrillLicense To ThrillLicense To Thrill
http://www.myspace.com/dubpolice

前回紹介した『Fabriclive 37』でも結構使われてた Dub Police のコンピ・シングル×3。因みにその『Fabriclive 37』を担当した Caspa と Rusko も参加してますが、他のは全く知らん。っていうか、そもそもこの Dub Police というレーベルについても全然知識がないので、シーンの中でのこのレーベルの位置づけとか、そんな事は全く分からないんだけど、聴いた感じはわりと正統派な感じですかね。美しいアンビエンスに耳がいく “Forever” なんかは印象的だけど、他のはけっこうハードコアで、曲もかぶってるせいか『Fabriclive 37』と印象はそれほど変わらず。
なのでそれほど新鮮味もなければ驚きもないんだけど、やはりダブの語法が使われてる曲が多いので、自分にはしっくりくる。中でもあえて好きな曲を選ぶなら、激烈四つ打ちダンスホールな “Kromestar” かしら。この曲といい最近の Deadbeat といい、デジタルなダンスホールって案外面白い気がしてきた。

試聴1
試聴2
試聴3

Caspa and Rusko / Fabriclive 37 (Fabric)mp3

Fabriclive 37
http://www.fabriclondon.com/

先月号の特集が「少年ジャンプ」だったので思わず買ってしまった「スタジオボイス」なんですが(何気に買ったの始めて)、今月号の[オルタナティヴ・ミュージック]ランキング100というのを見てみたら、100枚中持ってるの『No New York』だけだった。これは私が如何にオルタナティブに興味がないか、って事の表れなんでしょうか。でも今のオルタナティブって、ノイズ・ドローン・サイケデリック、みたいな感じでしょ?私どれも聴いてないもんなぁ。しょうがないか。

今までのブログの記事を読んでいると、わりとダブ・ステップに対しては否定的だったように思えたびびんばさんが、「このミックスCD聴いてダブ・ステップの可能性に気づいた」みたいな事を書いていたので、コレは早速聴かねばと、慌てふためいて探した1枚(因みに買ってはいない)。

多分多くの人にとってのミニマルがそうであるように、私にとってダブ・ステップって、全くといっていいほど曲毎の差異が分からない音楽なんだけど、好きか嫌いかと問われれば、断然好きではある。それはやはりダブの要素が非常に強いというのが大きいんだけど、ダブ・ステップというスタイルがまだまだ流動的であるがゆえに、混沌としたエネルギーを感じさせるのも魅力的。

そしてこのミックスCDも、ダブ・ステップって以外に色んなのがあるのねぇ、ってな感じで、ドラムン・ベースっぽいのからルーツ・レゲエっぽいのまで、スタイルはなかなかに幅広く、しかしこの中で好きな曲があるかといえば、曲の区別なんかよく分からねぇんだけど、ひたすらブヒブヒいってるベース音を聴いてるだけでもすげぇ楽しい。
一度生で聴いてみたいモンですな。

試聴