KORN / THE SERENITY OF SUFFERING (ROADRUNNER) CD

KORN / THE SERENITY OF SUFFERING (ROADRUNNER)

KORN / THE SERENITY OF SUFFERING (ROADRUNNER)
http://www.korn.com/

KORN か2016年10月に発表した12枚目のアルバム。

KORN って実験的なものと、ヘヴィロック然としたものをアルバムごとに行ったり来たり、という印象なんですが、今作はヘヴィロックの方。ただそこは本人たちも自覚的なようで、日本版の帯ではやたらとヘヴィであることが強調されていたし(買ったの輸入盤だけど)、ジャケットも久しぶりに子供が登場するダークファンタジー調のもので、実に KORN らしいもの。

そして音の方も KORN らしい、重心低めのヘヴィロックで一貫しているんだけれども、今作はどちらかというと、その重たい音から浮かび上がってくるキャッチーなメロディーの方が印象的で、ある意味すごく聴きやすい。ただそれは今作の重さを否定するものではなく、身体的な(暴れるため)だけのロックやメタルがあふれる中、心情的な重さを伴った KORN はやはり信用できるなと。

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木村カエラ / MIETA (Victor) CD

MIETA
http://www.ela-music.com/

木村カエラが2014年に発表した通算8枚目のアルバム。

今作からの曲をいくつか小さい音のラジオで聴いたときに、今回はずいぶんと弾けたポップな作風なのだなぁ、と思ったのだけれど、実際 CD でそれなりの音量で聴いてみると、ギターが前面に出ていて、思いのほかロック色が濃い。

まぁつまりはいつも通りの木村カエラという感じなんだけど、弾けた曲が多いというのも事実で、勢いのあるアレンジとも相まって、小気味よく聴ける。

難を書けば、随分と直球な応援歌的な歌詞が多い事かしら。この人の歌詞って昔からこんなだったっけ・・・。

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Kahli Abdu & VHS Safari / A.R.T. Project (Self Released) flac

Kahli Abdu & VHS Safari / A.R.T. Project

Kahli Abdu & VHS Safari / A.R.T. Project
http://www.kahliabdu.com/

ナイジェリアのラッパー Kahli Abdu と、プロダクション・チームの VHS Safari によるプロジェクトが2015年の1月に発表したアルバム。

ジャケット見るといかにも、ってくらいアフリカな感じが出ているけれど、音の方は基本的には緩めのヒップホップ。
ただ柔らかなギターやコーラスなど、なんとなくイメージとして私の中にあるアフリカ音楽の要素は随所にちりばめられていて、それ以外にも生音率高めなトラックは音楽的な豊かさを感じさせるし、と思えば “Take a Picture” のように、どっしりとしたドラムとゆがんだベースによる重たい曲があるのも良い。
ヴォーカルがラップにこだわらなかったのも吉と出たかと。

地味ながらも秀作。

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SELA., Butane + Someone Else, Kings, Keith Ape, ichiro_

CRACK III 1V.A. / CRACK III
カリフォルニア在住のプロデューサー SELA. が編纂した初期ジュークのコンピレーション(オフィシャルなものかは不明)。
ここの収録された曲の歴史的価値というのはよく分からないんだけど、どの曲も熱量高くてカッコいい。
Santa's Little Helpers 2014Butane + Someone Else / Santa’s Little Helpers 2014
Butane と Someone Else が運営するアメリカのレーベルから、その二人がクリスマスに発表したスプリット。
古きよきミニマルという風情。
First YearKings / First Year
ロンドンのプロデューサー Kings のフリーのアルバム。
この手の甘い上モノと重いビートの組み合わせはやはり好き。
DownloadKeith Ape (feat. JayAllDay, Loota, Okasian & Kohh) / 잊지마 (It G Ma)
韓国のラッパー Keith Ape がフリーで発表した曲。韓国と日本のラッパーがそれぞれ母国語で、しかもかなりテンションに落差があって面白いんだけど、やっぱり最後の Kohh がカッコいい。ビデオも強烈
610452,OK_____ichiro_ / 610452,OK?????
練馬区在住のプロデューサー、ichiro_ のビートテープ。
エレクトリックな音色のジャジー・ヒップホップで安定のクオリティなんですが、4曲で10分にも満たないので、ちょっと物足りないかしら。

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倖田來未 / Color The Cover (rhythm zone) CD

倖田來未 / Color The Cover (rhythm zone)
http://rhythmzone.net/koda/

倖田來未が2013年2月に発表した2枚目のカバー・アルバム。
今作は事前に発表された “ピンク スパイダー” と “ラブリー” によって、炎上に近い形で非常に話題になったわけですが、その後このアルバムに対する感想ってほとんど目にしなかったので、実際聴くにまでいたった人は少なかったって事なんでしょうか。

で、天邪鬼な私としてはこのアルバムを大絶賛したいところなんですが、ちょっと厳しいですかねぇ。

“ピンク スパイダー” のときに批判の要因にもなった大仰なシンセとウォブルベースが前面に出た EDM アレンジは、アルバムで2曲目に配置された “Shake Hip!” でも同様で、早くもうんざりさせられるのだが、これ以外に曲に関しては、原曲をテレビなどでしか聴いた事の無い私には違和感の無いアレンジがなされており、アルバム全体では原曲の雰囲気から離れた印象は受けない。

しかしそれらを歌う倖田來未の歌唱がなかなかに厳しい。元々私の中で彼女って、世間で云われているほど悪い印象は無くて、それなりに歌唱力も表現力もある人だと思ってるんだけど、今作での彼女は声の伸びも張りも以前より明らかに落ちていて、それを隠すためなのか変に声を張り上げている部分が目立つのもきつい。

こんな状態で、他との比較が容易なカバー作を作ったのは、やはり失敗だったんじゃなかろうか・・・。

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King Midas Sound / Aroo (Ninja Tune) mp3

King Midas Sound / Aroo (Ninja Tune)
http://ninjatune.net/

The Bug こと Kevin Martin 、Hitomi 、Roger Robinson による3人組、 King Midas Sound が4月に発表したシングル。
本作は元々 Record Store Day 限定のシングルだったもののデジタル盤。

King Midas Sound ってリミックス盤しか持っていないので、オリジナルは聴いた事ないんですが、 Hyperdub 出身のダブステップ・ユニット、という頭で聴くとちょっと拍子抜けというか、ダブステップともヒップホップともつかない珍妙な曲。

エレクトリックなビートと歪んだ音色の上モノの上で Hitomi が歌い上げるサビの部分のうねりと、一転 Roger Robinson によるスポークンワードの部分との静と動の落差がすごくて、その分インパクトもでかく、一度聴くと耳から離れない中毒性の高さがある。
まぁその分少々くどい気もするので、アルバムこれだったらきついんだけど、シングルとしてはちょうどいいかも。

カップリングの “Funny Love” は、厳かな雰囲気のアンビエンスと Roger Robinson によるスポークンワードによる組み合わせの曲で、ほとんどこの前出た Roger Robinson のミックステープ(関連記事)と同じ方向性なのがちょっと気になる。嫌いじゃないけど。

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Knxwledge. / Hud.Dreems.PRT.1.5 (Self Released) mp3

Knxwledge. / Hud.Dreems.PRT.1.5
http://knxwledge.tumblr.com/

Knxwledge こと Glen Boothe さんが2013年3月に発表したビート・テープ。
この人は bandcamp でかなりの数の作品を発表している上に、値段が10ドルとかわりと強気な値段設定なものが多く、とてもじゃないけど全部追いきれないという感じなんですが、今作は1ドルと買いやすいお値段だったので迷わず購入。

内容の方は8曲で10分ほどという、短いループのブレイクビーツが中心の内容ながら、Knxwledge らしいサンプリング中心のなめらかなグルーヴが堪能できるし、いつもよりもビートがゆったりとしているせいか、情緒性が強いのもいい。

KOMPONENTE / Slow Song (Biatch Corp) mp3

KOMPONENTE / Slow Song (Biatch Corp)
http://www.biatchcorp.com/

ニューヨークを拠点にするレーベル Biatch Corp Recordings から、ウクライナのプロデューサー Komponente こと Vyacheslav Gura さんが2012年に出したシングル。

水面に落ちる水滴のような繊細な音で鳴るキックと、そこから広がる波紋のような柔らかな上モノのミニマル・ハウス “Slow Song (original mix)” がまず出色。軽やかなパーカッションで浮遊感を演出しつつ、その隙間から立ち上っては消えていくピアノやシンセが非常に美しく、思わず聴き入ってしまう。クラブ向けの曲では決してないんだけど、この完成度の前では文句もない。
また “Shambala (original mix)” と “Dancing Days (original mix)” は低音のきいたリズムが鳴っているものの、これまた美しいミニマル・ハウス。両曲共に淡い色調の地味なモノながら、変則的に鳴るシンセやパーカッションなど、小技がきいていて飽きさせない。

初めて見る名前だったんだけど、予想以上の良作でした。

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Knxwledge / Knxwledge LIVE IN TORONTO (Deluxe Edition) (Self Released) mp3

Knxwledge / Knxwledge LIVE IN TORONTO (Deluxe Edition)
http://gloof.bandcamp.com/

一昨年にテンプレート変えて以来、特にいじってなかった WordPress なんですが、久しぶりにちょっといじってみました。
つっても関連記事にサムネイルつけたっていう今更なものなんですが、ちょっとでも見やすくなっていれば幸いです(ちなみにこの記事参考にさせていただきました)。

ただ今まで関連記事って「Simple Tags」というプラグイン使って、タグ情報を元に表示していたんですが、今回「Yet Another Related Posts Plugin」というプラグインに変更しておりまして、これの記事の関連付けがイマイチよく分からんのよね。最近書いていないとはいえ、ブログ全体では KAT-TUN についての記事ってけっこう数あると思うんだけど、あんまり表示されないし。タグの付け方が良くないのかしら・・・。

つうことで、適当に字数稼いだところで音盤紹介を軽めに(今日実家に帰って疲れたのさ)。

以前アルバムを紹介した Knxwledge こと Glen Boothe さんのライブ音源。
以前公開された『LIVE IN TORONTO』に音源を足したもののよう。

これが一体どのような状況で行われたライブなのかはよく分からないのだけれど、基本的にはミックスはされておらず、彼のビートテープ同様、短めのループが次々と切り替わるというもの。なので特にライブならではの面白さというものは希薄なんだけど、いつもよりもネタ感強めのトラックと、それでいて滑らかなグルーヴはやはり気持ちよく、また1曲1曲が短いせいですぐ聴き終わるビートテープよりも、こちらの方がじっくりと堪能できるという意味でも聴きやすい。

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Katy B / Danger EP (Self Released) mp3

Katy B / Danger EP
http://www.katybofficial.com/

イギリスのシンガー Katy B が2012年12月にフリーで発表した EP 。

今作には Rinse からアルバムなども出している Geeneus 、Radiohead のリミックス盤や、最近だと Ango のアルバムにも参加していた Jacques Greene 、そしてお馴染み Zinc に Diplo という有名プロデューサーが参加しているのは2011年のデビュー作(過去記事)と同様ながら、さらに最近出したアルバムが話題になっている Jessie Ware (sbtrkt のアルバムなんかにも参加してる) 、グライムを代表するラッパーである Wiley 、オーストラリア出身の女性ラッパー Iggy Azalea など、シンガーの方も旬な面子が参加していて、無料とは思えない豪華な作品になっている。

それはそれだけ Katy B が注目されているという事の裏返しでもあるのだろうけれど、ポップな四つ打ちの “Aaliyah” やファンキーっぽい “Got Paid” は面子の並び以上の面白みはなく、むしろ憂いのある歌声を聴かせる Jessie Ware や、トラックのグルーヴをきっちりつかんでラップする Wiley などゲスト陣の方に耳がいく。

しかしうっすらと切なさが漂う “Light As A Feather” と、ゆったりとしたトラックの上でたゆたうような歌を聴かせる “Danger” は魅力的で、アシッドっぽい音をアクセントにしながらも、淡いシンセで憂いを表現する Diplo と、アンビエントっぽいダブステップながら、固めの音を使ってその印象を変えている Jacques Greene のトラックも秀逸。

多分これだけ豪華な盤を出して話題作ったっていうことは、近々大きな動きがあるんじゃないかと思うんだけど、アルバム出るならちょっと期待しておきたい。

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