
「The Hacker 「つまらない」ミニマル DJ をいじめる」
from Higher Frequency
ここでいわれているミニマルって、所謂日本ではクリックと呼ばれているスタイルのことですよね。私は「今日のお買い上げ」を見ていただければ分かるようにミニマルにどっぷりな人間なんだけど、ここでの The Hacker の発言にはワリと賛成だったりします。未だに12インチを買い続けているので音自体はもちろん好きなんだけど、動きとしては最近どうも退屈で。それにここでも何回か書いたけど、近頃ハード・ミニマルからミニマル/クリックへの安易な乗換えが目立つのと、それに付随してかハード・ミニマルの停滞をミニマルのせいにしてる人が多い気がします(グランジが流行ったころのメタルそっくりだ!!)。
もしハード・ミニマルの起源の一つを Jeff Mills とするならば、ミニマルの起源の一つは同じくデトロイトの Daniel Bell や Robert Hood だったりするわけで、そこら辺を改めてもう少し考えてみてもいいのではないかなぁと思うしだいです。
で上の文章とは全く関係ないんだけど、ここでびびんばさんに「意外」と書かれたのが逆に意外だったので、あと自分もたまには基本に立ち返ろうかということで Loopa 特集でもやってみようかなと。音源持ってるワリには全然詳しくないんだけどね。
その前にとりあえず序章みたいな感じで。
これは97年出でたプレステ・ソフト『攻殻機動隊』のサントラなんだけど、サウンド・ディレクションを石野卓球が担当した為非常に豪華なテクノのコンピになっています。そして個人的には卓球の音を初めて聴いたアルバムであり、さらにテクノにはまるきっかけになった作品でもあります。
でまぁ普通なら卓球のトラック中心に書くのが筋なんだけど、やっぱりこの作品は何をおいても Derrick May ですよね。ここに提供した”TO BE OR NOT TO BE”って相当久しぶりの新曲だったんだけど、かつての流麗かつソウルフルな作風から一変してなんとも珍妙な曲に仕上がっております。オリエンタルな旋律が暴れまわる中、キックを含むすべての音が前に出てきては引っ込んで、回転してまだ戻ってきてとかなり変な曲なんだけど、それでも独特のグルーヴがあって本当にカッコイイ。私は Derrick May もこれで初めて聴いたんだけど、そのせいか彼の作品ではこの曲が一番好きなんですよね。っていうかこの時点で道を踏み外しまくっている私のテクノ道は始まっている気がします。
他の曲もクオリティは高く、卓球の曲はあまり最近見られない前のめりなノリがカッコイイし、今まで一度もいいと思ったことのない Westbam のトラックが意外に良かったり。あとテック・ハウスとはいかないまでもシンセと音空間を上手く生かした曲が多くて、最近のものより空間処理が気持ちよかったりとなかなか発見が多かったです。
これってもう廃盤なのかな?まぁ探すんならこれより初回2枚組みCDの方探した方がいいと思います(私は両方持ってるけど)。
“V.A./MEGATECH BODY.VINYL.LTD.(SME)2LP” の続きを読む