SLEEPARCHIVE / ARCHIVE NUMBER 013 (Sleeparchive) Flac

SLEEPARCHIVE / ARCHIVE NUMBER 013

SLEEPARCHIVE / ARCHIVE NUMBER 013
http://www.sleeparchive.de/

なんだかんだで地道に活動してる Sleeparchive さんのシングル。

まぁこの人の場合は音がミニマルな分、時代がどうなろうと変わらない感じなので、今作もいつもの Sleeparchive ではあるのだけれど、その変わらなさは素晴らしいなと。

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Sleeparchive / And in His Eyes I Saw Death (Sleeparchive) flac

Sleeparchive / And in His Eyes I Saw Death (Sleeparchive)
http://www.sleeparchive.de/

ミニマルといえばこの人を忘れてはならない、という感じの Sleeparchive こと Roger Semsroth さんのシングル。

レーベルとしての Sleeparchive は昨年までリリースがしばらく止まっていたものの、アーティストとしての Sleeparchive は緩やかながらもリリースは続いていたんですが、そのどれもが以前の彼のスタイルの縮小再生産のように思えて積極的に聴く気にならなかったんだけど、今作はかなり良い。

とはいっても今作が何か新しい事をやっているのかというとそんな事はなく、荒々しいリズムで押し通すいつもの Sleeparchive なんですが、私が好きな5番~7番の頃を思わせる勢いがあり、それだけで嬉しくなってしまう。

中でもキックの低音と連打されるドラムが鼓膜を揺らす “And in His Eyes I Saw Death” と、地鳴りのようなベースとキックが強烈な “The Maid in the Kitchen” は白眉。

Sleeparchive も気がつけば10年選手ですが、これからもまだ楽しませてくれそうです。

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Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment) mp3

Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment)
http://www.albertvanabbe.nl/

オランダのプロデューサー Albert van Abbe が2013年に発表したシングル。

私はこの人の名前を今作ではじめて知ったのだけれど、2011年から自身のレーベルである No Comment から作品を発表していて、2012年に Last Foundation からアルバム、そして最近 Curle Recordings からシングルを出している以外は、 No Comment からのリリースしかないみたい。
つまりまだそれほど作品の数が多い人ではないのだが、このレーベルからのシングルに参加したリミキサーの人選(Sleeparchive、Convextion、Conforce、Abdulla Rashim)を見れば大体想像がつくように、モノトーンなミニマル・テクノ。

重量感と同時に性急さも感じさせるキックの上にノイズが乗るだけの序盤から、パーカッションにハイハット、そして波紋のように連なる事なく鳴っては消える上モノと、音数は徐々に増えていくものの、それほど熱量はなく終始淡々としているので非常に地味。ただそれと同時に、鳴っている音自体は攻撃的で荒々しく、またよく練られたダンス・グルーヴを有しているので機能的という、相反するような要素をさらりと同居させていて面白い。

2曲目の Mohlao によるリミックスは激しいリズムのミニマル・ダブ。キックだけに頼らずベースを絡めながらリズムを作り出していて、こちらもかっこいい。

ちょっとこの人の動きはこれからも注視して生きた。

ちなみに3曲目は先のアルバムの再録みたい。

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Sleeparchive / Ronan Point (Tresor) 12″

Sleeparchive / Ronan Point (Tresor)
http://www.tresorberlin.de/

しばらくリリースのなかった Sleeparchive こと Roger Semsroth さんの久しぶりのシングル。

彼はリミックスやコンピなんかでは色々なレーベルから出しているものの、単独作には関しては自身のレーベル以外から出したことがないんだけど、それがこの復帰作というタイミングで、しかもかつてはハード・ミニマルの代名詞であった Tresor からとなれば期待するなという方が無理な話という感じですが、蓋を開けてみれば良くも悪くもいつもの Sleeparchive 。

荒々しいベースラインにパルス音のような上モノがのるアシッド・ミニマルは確かに相変わらずかっこいいし、ミニマリズムというのがそれほど急激な進化というモノが望めないというのも分かるんだけど、これはちょっと肩透かしですかね。

彼のトラックには他の人にはなかなか真似できない肉体性があるだけに頑張ってほしいんですけどね。

Ronan Point - Sleeparchive

Lee Brasco, Kidnap & Ransom, Juan Atkins, sleeparchive, RATLAP, Echodub

またフリーの音源をまとめていくつか。

Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco
『Lee Brasco / Welcome to Lee Brasco』
2007年ごろから活動しているらしいロンドン出身のグライム MC のミックステープ。
グライムのミックステープって頭からケツまで押しまくるものが多い印象なんだけど、これは1曲目がメロウなミドルナンバーで意表をつかれるし、それに続くファストラップの曲も堂に入っている。それ以降も緩急つけながら様々なスタイルの曲があり、広義のヒップホップ作品として楽しめる。トラックの完成度がどれも高いのも個人的には嬉しい。傑作です。
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sleeparchive / hadron ep (sleeparchive) 12″

hadron ep
http://www.sleeparchive.de/

一時期の勢いからすると、すっかりリリース・ペースが長くなった感のある sleeparchive の、夏に出た8枚目のシングル。

彼の今までの作品は、常に最新作が最高傑作ともいえるような充実したものばかりだったけど、今作はちょっとした停滞作かなぁ。
とはいってもぜんぜん悪い作品じゃないんだけど、いつものアシッド・ミニマルを軸にしながらも、 Mika Vainio からの影響色濃いノイズに覆われていて、これだったらもっと広げてアルバムで聴きたかったというか、家聴きするにしても、トラックモノとしても中途半端な感じがする。

視聴

BYETONE / PLASTIC STAR (raster-noton)12″

PLASTIC STAR
http://www.raster-noton.net/

思えば現在ミニマルと呼ばれているサウンドが、まだミニマルと呼ばれていなかった頃、つまりは(少なくともここ日本では)クリック・ハウスという呼称が一般的だったときというのは、 Basic ChannelStudio 1 を源流としたミニマリズムという見方よりも、エレクトロニカから派生したサウンドという印象が強かったように思うんだけど、その印象を決定付けていた Mille Plateaux が倒産してしまったせいなのか、以降こういった動きに注目が集まる事は少なかったように思います。
しかしミニマルが停滞の時期を迎え、周辺ジャンルとの壁がゆっくりと溶解している現在、エレクトロニカの代表レーベルである raster-noton から発表された素晴らしいシングルが本作。
重いキックが刻む変則的な四つ打ちのリズムを軸としながら、後半にいくにしたがって、うねりながら空間を埋め尽くしていくノイズが、とんでもない高揚感を生み出している。普段ミニマルを聴いている身からすると、音数、展開共にかなり多いんだけど、結局はすべてノイズに収束していくので、それほど違和感はないし、これほど素直にノイズとダンス・グルーヴを結びつけたものもあまり聴いた事がない(普段エレクトロニカ聴いてる人はどうか分かりませんが)。
参加したリミキサーも、お得意の荒々しい四つ打ちに置き換えた sleeparchive 、ぶつ切りのエレクトリック・ファンクに仕立てた alva noto 、インダストリアルなミニマルの dr walker と、いずれも素晴らしい仕事振りで文句なし。
12インチでは久々に大きな手ごたえを感じた作品です。

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V.A. / shut up and dance! updated (Ostgut Ton)CD

shut up and dance! updated
http://www.ostgut.de/ton/

昨日紹介した Ostgut Ton なんですけれども、今までこのレーベルの作品は『Serenity』買うまで1枚も持っていないと思っていたら、実は2枚ほど持っている事が判明しまして。1枚は以前紹介した cassy のミックスCD『Panoramabar 01』、そしてもう1枚が本作。

staatsballett berlin (ベルリン国立バレエ団)とのコラボレーションによるモダンアートの為の音楽らしいんだけど、その情報から想像されるようなクラシック系のものでは全くなく、流石ベルリンというべきか、全てミニマル系。しかも面子が Cadenza 等からリリースする nsi. 、 現在ミニマルの極北の最も近くにいると思われる sleeparchive 、 そしてご存知 Ame に Luciano 、さらには Luke Slater の変名である The 7Tth Plain と、私みたいな人間にとっては超豪華。

でもですね、このアルバムに関しては何はなくとも Ame の “Fiori” ですね。このアルバムから唯一アナログ・カットされた曲でもあるわけですが、大きな螺旋階段を上るように、ゆっくりゆっくりと厚みを増していく壮大な曲で、コレはもう文句なしの名曲。正直 Ame って “Rej” 以降どれもパッとしない印象だったんだけど、そんな印象も吹っ飛びました。
あとの曲は比較的抑え目の曲が多いんだけど、変則的なリズムが印象的な nsi. 、ふか~いダブ・ミニマルな sleeparchive 、いつも以上に流麗なラテン・ミニマルを聴かせる Luciano 、アンビエントっぽい The 7th Plain と良曲揃い。極の寄せ集め的印象の強いミニマル系のコンピの中でも、しっかりとコンセプトが音からも感じられる傑作ではないかと。

しかしこんな音楽をバックに、どんな踊りを見せてくれるんですかねぇ。この舞台見てみたいわぁ~。(と思ったら、舞台見た人のレポ発見。うらやましい・・)

試聴
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SLEEPARCHIVE|ANTTI RANNISTO / SLEEPARCHIVE|ANTTI RANNISTO (sleeparchive)CD

SLEEPARCHIVE|ANTTI RANNISTO
http://www.sleeparchive.de/

今月の remix はまた「ニュー・ジャズ最前線」の文字が躍っているのだが、そんなにしょっちゅう特集せねばならぬほど今のジャズって面白いのかしらね。

最初このアルバムが出るの知ったとき、 Antti Rannisto ってアルバム名だと思ってたんだけど、実際には二人のスプリット盤なのね。 Sleeparchive というレーベルは、彼自身の作品しか出さないようなイメージがあるけど、実は以前紹介した4番(過去記事)なんか他の人が作ったものを sleeparchive の名前で出したものらしいし、実はそこら辺あまりこだわってないのかな。
内容の方は予想通り Mika Vainio 好きを前面に出した音響作品。
何度か書いたようにリズムのない音楽が苦手な私は、最初聴いたときかなり辛いかなと思ったんだけど、時折鳴る低音の荒々しさであったりパルス音だったり、使われている音が sleeparchive らしいものが多くて、スタイルは違えど sleeparchive の作品として十分楽しめる。まぁなんのかんので5曲中3曲にはリズムが入ってるのも大きいんだけど。
一方 Antti Rannisto の方はもっとノイズやドローン中心の音響色濃いものなんだけど、 sleeparchive に比べるといい意味で緊張感が薄くて、アンビエントとしても楽しめる。
さすがにコレ聴いて、今後こっち方面追求しようとは思わなかったけど、このアルバム自体は以外にも楽しめました。

視聴
@TOWER JP