Flying Lotus / Los Angeles (Warp) mp3

Los Angeles
http://www.warprecords.com/

どうもその早すぎる死を惜しむせいか、優れたトラック・メイカーの基準が Jay Dee ばかりになっている現状には、ちょっとばかり疑問を感じる私なのですが、この Flying Lotus も、比較的 Jay Dee 以降のトラック・メイカーとして紹介される人。
John Coltrane の夫人である Alice Coltrane の甥に当たるそうで、2006年に Plug Research から『1983』でデビューしたときは、それほど話題にならなかったものの、翌年 Warp からの『Reset EP』で一気に注目を浴び、今作は正に待望の新作。

Jay Dee と比較されているという事で、もっとヒップ・ホップ色の濃いものを想像していたんだけど、ブロークン・ビーツや四つ打ちも飲み込んだ、もっと広義な意味でのブレイク・ビーツ。そこはやはり Flying Lotus を語る際によく出てくる Low End Theory (Daedelus や Nobody などが参加する LA のパーティー。今度日本開催だって!!)の空気の中で養ったものなのかもしれないけど、それよりも作品全体で印象的なのはビートのざらついた質感で、最近のハイファイなものにはない、肉体的且つ根源的な魅力に溢れている。そして40分強という時間の中に、小曲も含め17収録された楽曲は、ほぼノンストップで流れていくため、まるで長尺な1曲の中で次々とビートが変容していくようだし、1曲の中でもビートが変わる曲が少なくないので、ただビートを追いかけていくだけでもかなり刺激的。それでいて最後の深い余韻を残すような終わり方も素晴らしく、最近この手のものから遠ざかっていた私も、思わずうなってしまう傑作。
今後 burial と組む予定もあるとかで、ますます楽しみな逸材です。

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