BOOM BOOM SATELLITES / Joyride (R&S) 12"

BOOM BOOM SATELLITES / Joyride (R&S) 12"
http://www.bbs-net.com/

今では激烈ロック・ユニットな Boom Boom Satellites ですが、昔は爆裂ブレイク・ビーツ・ユニットでして、これはそんな彼らの1998年位に出したシングル。

今はどうなのか知らないんだけど、この時期の Boom Boom Satellites は海外からの期待が非常に大きく、そのせいかデビュー作がミニ・アルバムだったにもかかわらず、リミックスも含めると3、4枚のアナログカットがされていて、それだけレーベルが力を入れていたんだろうけど、その中でも聴きもなのが今作。
というのも当時の未発表曲なのか新曲なのか、とにかく “THE COUNTLESS PAST TO BE HIDDEN” という、BPM100ちょっとの彼ら流のヒップ・ホップともいえる曲が収録されていて、非常に面白い。まぁいつものブレイク・ビーツ遅くしただけじゃないの、と言われればその通りな気もするんだけど、どっしりとした重さと、勢いに任せない彼らのビート・メイクの妙が楽しめる。

一応この曲は12インチ以外にも、デビュー作の海外出直し盤と、『PUSH EJECT』のシングル(多分)にも入ってるので、聴きたい人はそちらで(ようつべでは見つからなかった・・・。)

Jeff Mills / Circus (PURPOSE MAKER) 12"

Jeff Mills / Circus (PURPOSE MAKER) 12"
http://www.axisrecords.com/

1人孤独なミニマル道をひた走る Jeff Mills の2000年のシングル。

最近ではすっかり AXIS からしかリリースしなくなった Jeff 君なんですが、この時期は Purpose Maker からパーカッシブなハード・ミニマルを色々出していて、その中でもこの曲は強烈なキック、乱打されるパーカッション、扇情的なシンセ、さらにはグルグルとかき回すようなベースまで入ってくるという、彼の中でもかなり分かりやすい。
でもこの手の曲には逆らえない自分がいて、リリースからかなり時間が経った今でも、この曲では盛り上がってしまう自分がいます。

ram jam world / Salvia (WARNER) 12"

ram jam world / Salvia (WARNER) 12"
http://www.randc.jp/rjw/profile.html

年末の音盤整理で出てきたのノリで紹介したいと思います。

まずは朝本浩文のユニット ram jam world が LISA をヴォーカルに招いた2曲をアナログ・カットしたもの。

リリースが1998年で、クレジットのどこにも m-flo の文字が無いので、おそらく m-flo 結成前のものなのではないかと思うんだけど、この時点ですでにヴォーカルスタイルは確立していて、またm-flo ではあまり聴けなかった伸びやかな歌声を、ポップなドラムンベースの上で聴かせてくれていて、やっぱり私はこのコラボが一番好きかな。

裏にはアルバムからのカットと思われるブレイクビーツが2曲入っているけど、これは可もなく不可もなく。

Guns N’ Roses / Chinese Democracy (GEFFEN) CD

Guns N' Roses / Chinese Democracy (GEFFEN)
http://web.gunsnroses.com/

いつの間にか Guns N’ Roses が来日したんですってね。ライヴの出来の方はどうだったんでしょうか。
ということで、2008年発売された Guns N’ Roses 17年ぶりのアルバム。

このアルバムに関しては、世間的にはひたすら期待値だけが上がっているような状態だったので、その中きちんと作品を出したことはある意味えらいと思うんだけど(まぁ原因は完全に自分達だけどね)、内容的には凡庸なアメリカン・ハードロック。

私は衝動を重視した『Appetite For Destruction』よりも、完成度を重視した『Use Your Illusion』の方が好きな人間なのでまだ聴けるが、未だにこのバンドにロックン・ロールを期待している人からすれば辛い内容だろうし、このアルバムを Guns N’ Roses の作品たらしめているのは、良くも悪くも Axl Rose の声だけだということを痛感する。

しかもこれで世紀の駄盤だというのなら笑いのネタにでも出来るのだが、これが意外に聴ける作品というのも困りもので、それゆえにやはり凡庸な作品だといわざるを得ない。

ガンズ・アンド・ローゼズ - Chinese Democracy

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Bloody Mary / Black Pearl (CONTEXTERRIOR) mp3

Black Pearl
http://www.contexterrior.com/

Jay Haze 主宰の CONTEXTERRIOR から、初のアーティストアルバムは Bloody Mary のファースト・アルバム。

頭の数曲を聴いてみて分かるのは、 Villalobos からの影響が強いということで、一聴曲とは合わなそうなに、それゆえに曲の印象を強めている上モノであったり、乾いたドラムによるパーカッシブなビートなどに顕著に現れている。

しかし同時にこのレーベルらしい機能性の高さと、選択された奇妙な音色が曲の形をなすと、途端に端正なものになるというバランス感覚が面白く、今までありそうでなかった作品になっている。

惜しむらくは終盤のダウンビートの曲群がいかにも退屈なことで、これさえなければかなりの傑作になったのではなかろうか。

Bloody Mary - Black Pearl

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Dragon Ash / Freedom (Victor) CD

Dragon Ash / Freedom (Victor)
http://dragonash.co.jp/

これはもしかしたら音楽に限らないのかもしれないけれど、大抵の場合音楽ジャンルであったり形態というのは、マイノリティ(少数派)が作り出したものを、マジョリティ(多数派)が搾取して、それを水で薄めて世界に広げる、という形で伝播していく事がほとんどです。
まぁ搾取という言葉が強すぎるというのなら言い換えると、要は普段音楽をそれほど聴かない層には、今まで聴いたことのないような音楽に接しても、どう対応していいか分からないわけですね。時折オリジナルそのままでもヒットを飛ばす幸運なアーティストもいますが、そういうのは大抵単曲かそのアーティストだけで終わってしまうので、それを広げるためには、出来るだけ多くの人に理解してもらえるように翻訳をしなくてはいけないわけですね。

ではこれを日本のヒップ・ホップに当てはめますと、 “DA.YO.NE” や “今夜はブギー・バック” は単発なので置いておくと、まず KICK THE CAN CREW や RIP SLYME のヒットがあるわけですが、彼らなどは現場からのたたき上げなので、本質をそれほど歪めることなく翻訳してみせたわけです。で、ヒップ・ホップ好きな人たちからするとこの時期に日本でヒップ・ホップが一般化したのではないか、と考えていると思うし、私も最近までそう思っていたんだけど、現在ラップを用いたグループが、ありきたりな恋愛話や人生の応援歌を歌って支持を得ているのをみると、多くの人が彼らをヒップ・ホップのグループとは意識せずに、他の J-POP と区別なく聴いているという現在こそが、ヒップ・ホップが日本において一般化したときなのかなと。

っていうのがこの前 LOOZ の記事で書いたことをふくらました事なんですが、さらに続くと、今チャートの上位に入るようなヒップ・ホップを指して、ハーコーでオリジナルな方々はなんやかんやと文句をつけるわけですが、上の考えに沿って書けば、米国の黒人が産んだヒップ・ホップを、日本人が日本人に合うように翻訳して所謂「日本語ラップ」というやつを作って、さらに今の若い子なんて「日本語ラップ」しか聴かないでラップを始めるわけですよ。そんな子がポップなラップを目指せば「日本語ラップ」を薄めた、元のヒップ・ホップからはかけ離れたものになるのは当然なわけです。

ではどうすればいいのかというと、オリジナル(原文)の本質を壊さずに、分かりやすいものにして提示できる優れた翻訳家の育成というのがあると思います。上に挙げた KICK THE CAN CREW や RIP SLYME は確かに現場感覚を生かした優れた翻訳家では合ったけれど、シーンから出てきた彼らはどうしてもヒップ・ホップ然としすぎてしまうし、色々しがらみも多そうなので、さらに広がりを作るためには、違う畑からヒップ・ホップに理解のある人を連れてきて、翻訳家と共に宣伝大使にでもなってもらえば良い、となるし、さらにその人が男前だったら言う事ない、ってなるわけです。

ではそれは誰なのかというと、ここまであえて無視していた Dragon Ash 、ということで、やっと Dragon Ash が出てくるわけですが、まぁ彼らはヒップ・ホップのシーンから望まれたというよりは、彼らが望んでヒップ・ホップを盛り上げ、また広げようとしたわけですが、その功績は “Grateful Days” の大ヒットに留まらず、 TMC や Steady & Co. など非常に大きなものでした。しかしにもかかわらず、彼らは “公開処刑” によってヒップ・ホップのシーンとの関わりを絶たれてしまいます。

その「公開処刑」に関しては、このブログでも何度も書いているように ZEEBRA が悪いと思っていて、要はシーンと関係ないところから現れ、トラックもリリックもありものを使いながらも、あっけらかんと「I Love Hip Hop」と言ってしまうところに新しさがあったわけで、それをシーンにこだわるあまり理解できなかった ZEEBRA の頭が固すぎるし、またシーンの広がりというものを考えるのであれば、あえて毒を飲んで彼らを味方にする、という事も必要だったのではなかろうか。

しかし結局 Dragon Ash はキングギドラにより「公開処刑」され、以降もヒップ・ホップ・シーンは積極的に翻訳者を育てることはせず、むしろ逆にくだらねぇいちゃもんつけて足を引っ張る、ということの積み重ねが今の現状だろう。

それは言い換えれば「分かるやつだけ分かれば良い」ということに他ならないわけで(実際そういうこと言うやつ多いしね)、だったらアンダーグラウンド気取ってチャートの連中なんか無視していればいいものを、「奴らはワックだフェイクだ」と文句付けたがるわけですよ。自分達が大衆に受け入れられるような努力もしないくせして、それを棚上げして罵詈雑言吐くなどおかしいし、そもそもおまえが「原点回帰」という名でシーンに媚びずにもっとしっかりしていれば、ヒップ・ホップを取り巻く現状はもっと違ったものになっていたではないか、っていうのが、この前の Zeebra のヒルクライム批判をみて思ったことなんですが、ちょっと長くなりすぎましたね。

ということで、前置きがあまりにも長くなりすぎましたが、今年の3月に出た Dragon Ash の8枚目のアルバム。

私は「公開処刑」以降の彼らの音楽は、負け犬が傷舐めあうようなものだと思っていて、まぁこの表現が嫌なら、傷ついた心と体を柔らかく包んでくれる毛布のような音楽でもいいんだけど(日本語って便利ですね)、要は以前のように聴き手を鼓舞するような部分があまりにも希薄になってしまったんですね。

しかし今作を聴いて思うのは、昔の彼らを未だに求めるのは私の我侭でしかないんだろうなぁ、ということで、現在の音楽性になるきっかけが「公開処刑」と “Life goes on” の盗作騒動という衝撃的なものだったせいで、彼らが屈してしまった印象がどうしても強いのだが、今作に至って彼らはラテンを消化した独自性のある音楽を鳴らしていて、素直に評価できるだけの素晴らしさを持っている。
彼らがここ数作でこだわってきたラテン音楽へのこだわりが見事に結実した傑作だ。

Dragon Ash - FREEDOM

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V2 / 背徳の瞳 ~Eyes of Venus ~ (Epic) CD

V2 / 背徳の瞳 ~Eyes of Venus ~ (Epic)

Ajico の『波動』(過去記事)を iTunes に入れたら、次の曲がコレだったのでなんとなく流れで聴いている、 Yoshiki と小室哲哉によるユニットの唯一のシングル。

Yoshiki の音楽的特長といえば過剰さであり、また小室哲哉といえば誇大妄想気味な拡大路線に行きがちな人なわけですが、この曲ではその二つがものの見事に融合し、相変わらず阿呆のように手数の多い Yoshiki のドラム、扇情的を通り越して狂騒的な小室哲哉のシンセが、高速2ビートの上でぶつかるという、これだけでも結構無茶だと思うんだけど、そこにさらに壮大さだけを煽るようなストリングスがかぶさってきて、はっきりいって音楽的には破綻してしまっている。

しかし 歌謡曲や J-POP が基本足し算の音楽であることを考えれば、この方向性は全くもって正しいし、ならば最近のちまちましたものよりも、この V2 のように大掛かりな方がはるかに面白いし、また曲もアーティストも、よく分からないけれど何かすごい、と聴き手に思わせるだけの力を持っている。

結局 V2 はこのシングルだけで(ビデオはあるけど)終わってしまうのだが、 globe のトランス路線でコレと同じようなことすれば相当面白いだろうなと思っていたところに、 Yoshiki が globe に加入したので期待していたのだが、特に化学反応も起きずに彼はすぐに抜けてしまった。果たしてこの二人の3度目の邂逅はあるのだろうか。

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AJICO / 波動 (Victor) 10′

AJICO / 波動 (Victor)
http://www.jvcmusic.co.jp/speedstar/-/Artist/A015261.html

昨日会社帰りの電車の中で、 Silent Poets について考えていたら、彼らが UA に提供した “青空” が聴きたくなったんだけど、その曲を収録した『アメトラ』が見つからないので、代わりにこの曲を聴いている。

これは UA が浅井健一、 TOKIE 、椎野恭一と組んだバンド AJICO のデビュー・シングル。
この時期の音楽業界はまだ景気が良かったからなのか、それとも需要があったからなのか、けっこうアナログを出すアーティストが多くて、中でもソニーとビクターはわりと頻繁に出していたんですが、これはアナログ10インチ。

ブランキー解散後の浅井健一に関しては大味な感じがして、あまり積極的に支持する気になれないのだが、表題曲での繊細なギター・イントロにはいきなり心がつかまれるし、そしてそこに入ってくる悲しみを湛えた UA のヴォーカル、またそれぞれの沈殿する悲しみを束ねて、大きなグルーヴへと昇華させる演奏も素晴らしく、今改めて聴いても名曲だと感ずる。

嵐 / All the BEST! 1999-2009 (J Storm) 3CD

嵐 / All the BEST! 1999-2009 (J Storm)
嵐 / 明日の記憶 (J Storm)嵐 / Crazy Moon (J Storm)嵐 / Everything (J Storm)
嵐 / マイガール (J Storm)嵐 / マイガール (J Storm)

6日の日曜日、東京ドームで嵐のコンサートを見てきましたよ。
といっても何だかんだで見てから1週間も経ってしまい、記憶も随分おぼろげになってきたので簡単に。

この日は私としては昨年の国立以来1年半ぶり2回目の嵐のコンサートだったんですが、あのコンサートが当時ものすごい上り調子だった嵐が、アジアツアーを前に自分達の節目となることを意識して、またそれが実際に形になっていたという意味でとても貴重な体験だったと今でも思っているんだけど、それに比べると今回は10周年とはいえ、それほど特別感のあるライブではなかったように思うんだけど、だからこそ現在の嵐のライブの手腕というものがよく分かるライブだったように思います。

嵐の一般的にイメージというと、にこやかな仲良し5人組、みたいなものだと思うし、実際ライブの雰囲気もそれに近いもので、終始5人の親しみやすさというものが前面には出ているものの、決して空気がゆるいということにはなっておらず、むしろ非常にメリハリがあるんですね。それはきちんと歌を聴かせる部分はしっかり聴かせて、また盛り上がるところでは畳み掛けるようにどんどん熱気を高めていく、という構成面でもそうだし、またさすがバラエティ慣れしているだけあって、無駄な間をほとんど作らないトークもそうだし。

さらに今回は大野くんののどの調子が非常に良く、ソロで歌った “曇りのち、快晴” なんてバッチリだったし(じゃぁ5人で歌うとバッチリじゃないのか、などという突っ込みは入れてはいけません)、彼の歌がしっかりしていると曲全体に一本芯が通るので、それだけで聴き応えがまるで違う。

あと今回はベスト盤にからむツアーという事で、恒例のソロ曲がないので、代わりに各メンバーが嵐の曲をアレンジ変えて歌う、という趣向も良かったし(私はギターをかき鳴らし歌う二宮くんの “言葉より大切なもの” にしびれた)、また丁寧にお辞儀をしながら各自感謝の言葉を述べた本編のラストも心に響いたしで、嵐の現在の充実振りを感じさせる素晴らしいライブでした。

ということで、今年出た嵐の盤をまとめて。1番上のが10周年記念のシングル・ベストで、下のはシングル。

多分以前どこかにも書いたと思うんだけど、私は嵐に関してはにわかファンなので、シングルでも聴いたことがない曲が結構あるんだけど、こうやって時系列に並べられたものを聴いてみると、偶像としての等身大、とでもいうものを描く、という部分がほぼ一貫してあるんですね。というのも、嵐はほとんどの曲を自分達で作詞をしていないので(櫻井くんのラップは別として)、当然ここで語られる言葉というのは自分達の言葉ではないものの、それでも各人からそれほど離れている感じもしない、要は「嵐」という少年が、焦燥や葛藤を抱えながらもゆっくりと成長していく様を見ているようで、だからこそ初期のミクスチャー路線というのは鮮烈だったのだろうし、また現在の過去を振り返りながらも前に進むような歌詞も、成熟を感じさせながら、確かな説得力を曲にもたせることが出来るのだろう。

そういった意味においても、また曲の好みの部分でも、やはり3枚のシングルの中では『Everything / season』の組み合わせが一番好きだし、また “マイガール” のような飾らない曲(言い換えるとものすごく地味な曲)でもきちんと魅力的に聴かせる嵐というグループは、音楽面においてももうちょっと評価されても良いグループではないだろうか。

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