前作『HEAT ISLAND』(過去記事)から4年ぶりとなるメジャーでは4枚目となるアルバム。
今作の最大の特徴といえば、先行シングルの『ONCE AGAIN』(過去記事)同様、大部分のトラックを外部のプロデューサーに委ねた、という部分になると思うのですが、結果から書けばどうにも中途半端な変化に終わってしまった印象だ。
『MANIFESTO』という気合の入ったタイトルであったり、頭と最後の曲がやたらと大仰な曲であることから、今作は感動大作であるかのような印象を与えるけれども、その他の曲に関してはファンキーなトラックの上にユーモア交じりのラップを乗せるという、いつも通りのスタイルの曲がほとんどで、そういった意味では彼らはそれほど変わっていない。
しかし外部プロデューサーによるトラックは当然今までの RHYMESTER とは違うもので、今までの彼らにない幅を与える事には成功しているものの、同時にファンクネス溢れる以前のトラックに比べ、行儀のよさがが目立つそれらはグルーヴ感に欠け、強烈な肉体性を放つ Mummy-D と 宇多丸 のラップとかみ合っておらず、曲が上手く転がっていないように思う。
結成20年という節目の年に、このような挑戦的な作品に挑んだという部分では素直に拍手を送りたいけれども、これだったら今までの延長線上でいくか、もしくは彼らとは全く違う作品を出した方がよかったのではなかろうか。