A/T/O/S / A Taste Of Struggle (Deep Medi) mp3

A/T/O/S / A Taste Of Struggle (Deep Medi)
http://deepmedi.com/

これが初のリリースと思われる A/T/O/S が2013年3月に Deep Medi から発表したシングル。

以前書いたように、昨年の後半はダブステップがあまり面白く感じられなくて遠ざかっていたのですが、今年になってから色々と面白いと思える盤が増えたので、自然と聴く回数が増えています。これもそんな盤。

とはいっても今作はダブステップと呼ぶには躊躇がいる作品で、タメの効いたスネアなどはそれっぽいものの、全編女性ヴォーカルを中心に据えられていて、むしろ R&B といった趣。トラック自体は重量感があるものの、こんな歌ものを Deep Medi が出したというのはかなり意外ながら、 Weeknd 以降、エレクトリックな音が増えてきている R&B とどう交わっていくのか、とか考えるとわくわくするし、曲自体も地味ながら良い。

残りの2曲はリミックスで、自身もポップな作風が増えている Skream は、この手のリミックスはお手の物という感じで、ヴォーカルを残しつつ、それを盛り上げるようなシンセを足す事で曲の印象をガラッと変えていて良い。また Commodo によるリミックスは、ヴォーカルを遅回しにし、さらにトラック自体も引きずるような重さの、それでいて洗練された R&B に作り変えていて面白い。

まぁ A/T/O/S というアーティストに関しては情報が少なすぎてよく分からない部分が多いのだけれど、これからも期待できそうなアーティストだ。

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Alex Under / Gmid (medellinstyle.com) mp3

Alex Under / Gmid (medellinstyle.com)
http://medellinstyle.com/

新譜買うのは早いくせして、紹介するのは平気で2、3ヵ月後だったりするこのブログなんですが、たまには聴いたばかりの盤を紹介してみる(単に練った文章書くのが億劫なだけ)。

ということで、 Alex Under が2013年3月31日に発表した EP 。

Alex Under っていうと、一時期スペインのテクノ・シーンを代表する存在として、様々なレーベルから活発にリリースしていましたが、2009年辺りから急に名前を見なくなったお方。その後2012年に唐突に Soma からアルバム出しているんですが、かといってまた活動が本格化したような印象もなく、そんな中での EP リリースともなれば、こちらの期待も高まるというもの。

しかし今作はそんなこちらの期待をかわすように(いや、実際そんな意図はないんだろうけど)、 Alex Under のオリジナルは1曲のみで、残り6曲は他アーティストによるリミックス。
んで、そのオリジナルなんですが、 躍動感のあるベースラインが Alex Under らしいものの、以前の端正な音作りに比べ、若干大味なものに変化して、個人的には微妙。まぁ好意的に解釈すれば、大箱に映える音になったともいえるんだけど。

一方リミックスの方はというと、一人として名前の知っているリミキサーはいないんだけど、 Discogs とか見ると、キャリアがそれほどない人がほとんどみたい。
ただどっしりとしたリズムや重厚感のあるエフェクトと、軽妙な上モノの対比が面白い Jorge Jara & Nikol Claude や、キックを中心とした直線的なハード・テクノに仕上げた Andres Gil など、水準の高いリミックスが多い好内容。

ちなみに iTunes や Beatport だと普通に売ってるんですが、 Juno だとなぜか無料。

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authentic / kill the germs EP (Skunk Gelato) CDR

authentic / kill the germs EP (Skunk Gelato)
https://soundcloud.com/skunkgelato

2003年に千葉県出身の authentic がカセットでリリースしたデビュー作を、2009年に CD で出しなおした盤。

authentic っていいますと、 8th Wonder 周辺のトラック・メイカーとして知られ、サンプリングをベースとした無国籍なブレイクビーツが特徴ですが、その個性は今作の時点でほぼ確立されている。

管楽器によるオリエンタルな調べに導かれ(何の楽器か分かりません・・・)、スクラッチや三味線が入ってくる “Intro” に始まり、物憂げなアコギが印象的な Nejel Mongrel 参加曲 “Symphony of Migrant” 、ゆったりと流れるノイズが幽玄な空気を作り出している “Life is Curious” 、ピアノとドラムが絡み合い絶妙なグルーヴを生んでいる “Eleven Clouds” など、どの曲も authentic らしいアイデアに満ちていて非常に面白い。

この人は日本のトラック・メイカーの中でもかなり好きな方なんだけど、最近名前を全然見なくて残念。まぁそれをいったら 8th Wonder 周辺ほとんどなんだけど・・・。

試聴

AK-69 / The Independent King (MS Entertainment) CD

AK-69 / The Independent King (MS Entertainment)
http://www.ak-69.com/

以前の更新頻度が低い時って、毎日更新なんかしたらすぐに紹介する音盤が尽きてしまうんじゃないかと思ってたんだけど、毎日更新を続けて4ヶ月半、紹介していない音盤が溜まる一方なのは何故なんでしょうか。以前と比べてそんなに買ってるつもりはないんだけど・・・。落としすぎ?

っつうことで、上の文章とは全く関係ありませんが AK-69 が2013年1月に出したアルバム。

今作はニューヨークでの8ヶ月間の武者修行の成果、っていうことになるんでしょうが、基本的な方向性としては前作『THE RED MAGIC』(関連記事)と同じ。派手なトラックの上で前のめりにラップするというハーコー路線(今作の方が若干暗いかな)。ただアルバムが前作と違うのは、というかより進んだのは、 AK-69 がメロディを歌う場面が非常に増えたこと。まぁそれ自体は先行シングル『SWAG WALK』(関連記事)の時点である程度予想は出来たんだけど、ここまで歌の比重が増えるとは思わなかった。
で、その歌なんですが、彼は元々よく通る声しているというのと、日本のラッパーの中では音程もそれなりにとれているので、存外悪くない。
ただメロディのパターンが非常に少なくて、またラップの方もフローにそれほど幅のある人ではない為に、結果的にどれもヴォーカルが同じように聴こえてしまう。

まぁそれは言い換えると、ヴォーカルが変化に乏しい分、トラックの良し悪しが分かりやすい、ともいえるんだけど、ダブステップっぽい展開が耳をひく “THE INDEPENDENT KING” 以外、特に気になったものがなくて残念(結構期待してたんだけど)。

ということで、個人的に良かったのは、引きのトラックで AK-69 のラップ立てている “Konayuki” と、ちゃんと歌ものしてる “ONE” かしら。この人のフロウだったらもっとトラックはシンプルでいいとも思うんだけど。

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Akufen / ZUPTON SON 10 (ZUPTON SON) mp3

Akufen / ZUPTON SON 10 (ZUPTON SON)
http://www.zupton.com/son/

Akufen こと Marc Leclair さんの2012年のシングル。
今作を出している ZUPTON SON というレーベルは初めて知ったのだが、カナダのデザイン会社がやっているネット・レーベルみたい。作品は全てフリーで発表されていて、今まで発表されたラインナップを見る限り、あまり最新の音を追いかけるという感じではなく、そのアーティストの過去の未発表曲を出す事も多い模様。

ということで、今作も新曲ではなく、2008年の未発表曲。2008年というともう4年以上前なのでけっこう昔に思えるが、 Akufen 名義では2003年の『Hawaiian Wodka Party』以降、2012年の『Battlestar Galacticlown』以外の作品は発表しておらず、それ以外の名義のものを含めても、 Marc Leclair 名義でのアルバムや(関連記事)、 Horror Inc. の『Aurore』など数えるほど。またそれはリミックスも同様なので、作品をほとんど発表していない時期の音源として非常に貴重なもの。またさらに書くと、2008年というと Akufen のオフィシャル・サイトがオープンした時期なので、もしかしたらこの時本格的な再始動をしようとしてて作った中の一部が本作なのかな、とか思わなくもないけど、まぁここら辺は憶測の域を出ん。

ということで、 Akufen が何故この時期に過去音源を引っ張り出してきたのかは分からないのだけれど(しかも無料で)、なかなか彼の作品が聴けないという状況では自然と期待値も上がるというもの。しかし結論から書けば、今作はその期待値に答えてくれるものではない。

Akufen の音を特徴付けているものとして、様々な素材を細切れにして再構築されたサンプリングの妙味、というのが一番に思いつく人が多いのだろうけれど、それ以外にもそのサンプルによって紡がれたメロディのセンスや、スカスカなのに跳ねたグルーヴを生み出すビート・メイクであったり、基本的な作曲家としてのレベルが高い人、というのが私の中での Marc Leclair の評価でありまして。

そんな人間からすると、今作の1曲目 “Dollhouse” なんかは、跳ねた電子音とベースがかつてのカットアップ・ファンクの面影を感じさせるものの、以前のものに比べるとメロディ、リズム共に平板に思える。10分という長尺ながら、親しみやすい音色の上モノや、ストリングスっぽいシンセなどを用い、ポップでありながらも弛緩させず聴かせるところなんかはさすがで、普通のテック・ハウスとして聴けば十分な完成度なんだけど、 Akufen の作品としては物足りない。

逆に2曲目の “Honeymoon in Viagra Falls” は、ブラスやギターなど以前なら思いっきりファンキーに仕上げそうなネタを使いながらも、流麗なシンセを前面に出す事によって爽やかなテック・ハウスに仕上げていて新味があるものの、イマイチ強烈な個性に欠けるのは1曲目と同様。

“Mambo No 5” ネタの “Planète Risquée” は、モロ使い過ぎて何ともいえん。

とまぁ辛口な事ばかり書いてしまいましたが、これも期待の裏返しといいますか、兎にも角にも新作をもっと出してくれ、という感じなんですが、どうなんですかね。以前よりは(多少)活動が活発化しているので期待したいところなんですが・・・。

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Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment) mp3

Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment)
http://www.albertvanabbe.nl/

オランダのプロデューサー Albert van Abbe が2013年に発表したシングル。

私はこの人の名前を今作ではじめて知ったのだけれど、2011年から自身のレーベルである No Comment から作品を発表していて、2012年に Last Foundation からアルバム、そして最近 Curle Recordings からシングルを出している以外は、 No Comment からのリリースしかないみたい。
つまりまだそれほど作品の数が多い人ではないのだが、このレーベルからのシングルに参加したリミキサーの人選(Sleeparchive、Convextion、Conforce、Abdulla Rashim)を見れば大体想像がつくように、モノトーンなミニマル・テクノ。

重量感と同時に性急さも感じさせるキックの上にノイズが乗るだけの序盤から、パーカッションにハイハット、そして波紋のように連なる事なく鳴っては消える上モノと、音数は徐々に増えていくものの、それほど熱量はなく終始淡々としているので非常に地味。ただそれと同時に、鳴っている音自体は攻撃的で荒々しく、またよく練られたダンス・グルーヴを有しているので機能的という、相反するような要素をさらりと同居させていて面白い。

2曲目の Mohlao によるリミックスは激しいリズムのミニマル・ダブ。キックだけに頼らずベースを絡めながらリズムを作り出していて、こちらもかっこいい。

ちょっとこの人の動きはこれからも注視して生きた。

ちなみに3曲目は先のアルバムの再録みたい。

視聴

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AKB48 チームサプライズ / お手上げララバイ (AKS) CD

AKB48 チームサプライズ / お手上げララバイ (AKS)
http://akb48-surprise.jp/

最初は何がなんだか分からなかった AKB なんですが、気がつけばそれなりにメンバーの顔と名前が一致するようになってきていて(テレビでよく見るメンバーだけだけど)、そうなってくると好きなメンバー、所謂推しメンってやつも出来てきていて。それはちょっと前なら小嶋陽菜って答えていたんですが(そもそも聞かれた事ほとんどないけど)、最近では高橋みなみの名前を挙げるようにしています。

彼女に関しては数年前にみた AKB のドキュメンタリーでのリーダーっぷりが印象的だった、っていうのもあるんですが、それ以上にノースリーブスのアルバムを聴いたときに、その歌唱がなかなか堂に入っていて感心したというのが大きくて、さらに書けば基本的に AKB の音楽面にしか興味のない自分としては、歌唱力もあって、声もよく通る強いものを持っている彼女がセンターになってほしい、とか思ってたりします。

っつうことで前置きが長くなりましたが、パチンコと連動した AKB 内企画ユニット、AKB48 チームサプライズが2012年に出したシングル。
このチームサプライズってやつは毎回メンバーを変えて12週連続でシングルを出していたんですが、その8週目が高橋みなみのソロだったのでけっこう期待していたんですが、これはちょっときつかったですかねぇ。

曲に関しては憂いを帯びた歌謡テイストの強いダンスポップで全然悪くないんだけど、高橋みなみの歌唱が思いのほか不安定なのよね。これは元々彼女の歌唱力を私が過大評価してたからなのか、今回たまたまなのかはこのシングル聴くだけでは判断できないんだけど、中途半端に歌えている分、よれてる箇所が変に目立っているのも辛い。声を過剰に重ねたり加工したりしないで、直球の歌を聴かせているのは評価したいんだけれども・・・。

まぁ色々書きつつも、今度出るソロ・シングルの “Jane Doe” も聴くと思うけど。

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Ashtonomics / -1989 – (Self Released) mp3

Ashtonomics / -1989 -
http://ashtonomics.tumblr.com/

ヒューストンのプロデューサー Ashtonomics が2012年12月に発表したビートテープ。Ashtonomics というアーティスト名はギリシャ語由来で云々、みたいな事がプロフィールに書いてるけど、ギリシャ系の人なのかは不明。

その他プロフィールには J. Dilla や Madlib 等が影響を受けた人として名前が挙がっていて、ものすごく大きな括りでのジャジー・ヒップホップ、という意味では同様なものの、彼らのようなタメの効いたリズムの煙たいヒップホップではなく、上モノの流麗さを活かしたような洗練されたビートが多い。その分ビートだけ抜き出すと淡白なものが多いものの、”Bring back the 90s.” を筆頭に上モノは歌心に溢れたものが多く(実際声ネタも多いんだけど)、曲全体としては非常にバランスが取れているし、一方で浮遊感のあるベースラインをメロディのようにも使っている “Old Memories.” のような曲もあり面白い。

非常に洗練されている分、メロディでちゃんと引っ掛かりを作っているのできちんと印象にも残るし、これは地味ながらなかなかの良作だ。

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AKB48 / UZA (KING) CD

AKB48 / UZA (KING)
http://www.akb48.co.jp/

みんな大好き AKB48 が2012年10月に発表した28枚目のシングル。

今回は順番的にシリアス目の曲、っていうことで、ジャケットは随分クールな感じですが、曲の方は AKB 版 EDM ってことなのか、しょっぱなから分厚いシンセが鳴るデス・ディスコ。
そのシンセのギラついた感じであるとか、ダンス・ミュージックっぽさを出すための記号としてしか機能していない男声の煽りとか、べしゃっとしてグルーヴの感のかけらもないキックであるとか、途中入る気の抜けたブリープ音であるとか。
とにかくこれが2012年の曲なのか、ってくらいダサい音のオンパレードで、ある意味エレクトリック・ミュージックの墓場のようなのだが、色々問題含みの AKB が、自分本位の恋愛について歌うっていう、歌詞のシャレになってない感もあって、全体としてはなかなかに味わい深い曲になっている。

カップリングのアンダーガールズによる “次のSeason” は、おまえら若い女子が切なげに高音出して歌ってれば満足なんだろ、とでもいいたげな歌謡ロック。素人の打ち込みかっていう感じのドラムを筆頭に、びっくりするくらい適当に作られてるんだけど、基本的に若い女子が切なげに高音出して歌ってれば満足してしまう人間なのと、変な勢いがあって面白い。
もう一曲のカップリングの “孤独な星空” はムード歌謡。多分普通に曲としてはこれが一番良質なのだろうけれど、他の2曲の、完全にアウトなものを無理矢理にメインにもってくるような強引さがないので、結局一番地味な曲になってる。

UZA () - EP - AKB48

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AKB48 / ギンガムチェック (KING) CD

AKB48 / ギンガムチェック (KING)
http://www.akb48.co.jp/

なんか最近 AKB でさえも全然追いかけられてない状況なんですが(別にファンなわけじゃないから追いかける必要もないのだが)、8月に発表された AKB48 27枚目のシングル。

総選挙上位者が歌う曲、ということで、毎度の事ながら歌謡曲の色が濃いものになっており、爽やかなアコギの調べで始まるスタイルは、 AKB の王道といった感じ。基本的に AKB のこの路線は支持しているので、この曲も好きなのだが、ジャケットをこういう感じにするのなら、それに合わせて曲の方も、もっとノスタルジックでも良かった気はする(この曲はすごい溌剌としとるからね。

あと今作には表題曲以外に、カップリングにも AKB48 名義の曲が入っているので珍しいなと思ったら、前田敦子の卒業曲なんだそうで(前田敦子も参加してる)。
っつうことで、曲の方は当たり前のようにベタなバラード。ただアルバムの記事でも書いたように(過去記事)、前田敦子の憂いのある歌声はけっこう好みなので、思いのほか染みる。あとこの手の曲にありがちな、感情過多な感じにしなかったのも良いんじゃないでしょうか(単に歌唱力が足らなくて感情込められなかった、って気がしなくもないけど)。

もう1曲、ネクストガールズによる “ドレミファ音痴” は、さすがに能天気過ぎてついていけない。

ギンガムチェック (Type-B) - EP - AKB48

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