ASIAN KUNG-FU GENERATION / ワールド ワールド ワールド

ワールド ワールド ワールド
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AKG/

実は今までまともに聴いたことがなかったので聴いてみた、 ASIAN KUNG-FU GENERATION の4枚目のアルバムなんですが、なんかもう清々しいまでの歌謡ロックですね。

このバンドの主宰するフェスである NANO-MUGEN FES に、 SIlver Sun と Third Eye Blind を招聘しているのは知っていたので、若いのになかなかいい趣味してるねぇ、なんて思っていたので(と思ったら私と同世代なのね。失礼しました)、もっと海外の音楽からの影響の強いバンドを想像してたんだけど、このアルバムはむしろヴィジュアル系に近い印象のビート・ロック。

無闇矢鱈にエモーショナルなのは今のロックの流れなんだろうけど、なんで最近のバンドってこんなにも洋楽に対する照れがないんだろうね。 9mm Parabellum Bullet (過去記事)を聴いたときにも思ったんだけど、いくら演奏が激しくとも、総体の印象としてはものすごく日本的で。かといって和の要素を大事にしている風でもないし。
今ってフェス・ブームもあってか、広く海外の音楽が聴かれているんじゃないかと思うんだけど、それと反比例するように、洋楽的センスのアーティストが減ってる気がするのは私だけでしょうか。まぁ今更海外の音楽の方が優れているとかいうつもりはないけど、閉鎖的になったらつまらないだけですよ。

話が逸れたまま終わり。

試聴

RHYMESTER / BEST BOUTS ~16 ROUNDS FEATURING RHYMESTER~

BEST BOUTS ~16 ROUNDS FEATURING RHYMESTER~
http://www.rhymester.jp/

RHYMESTER というと、昔からヒップ・ホップ・シーンから確固たる支持を得ながらも、同時に数多くの賛否両論も巻き起こしている印象があって、となれば、この RHYMESTER の外仕事を集めた今作は、ある意味彼らのセルアウトの歴史を垣間見れるのか、なんてのを期待してたんだけど、蓋を開けてみれば J-POP での仕事はほとんど入ってなくて、かといって雑多なジャンルにまたがっているという事もなく、思ったよりずっとヒップ・ホップ。

さらにトラック・メイカーとの仕事、もしくはシンガーがサビを歌って RHYMESTER がフルでラップ、というような曲が大半。そのせいか良くも悪くも RHYMESTER の土俵に引き込まれていて、彼らのラップ力の強さに関心はするものの、彼らのオリジナル曲との違いがそれほどみられない為、面白味に欠て、それってこういう類の作品にはけっこう致命的なんじゃなかろうか。つまりは、あまり出す意義が見出せない、もっといえば、コアなファンの為の場繋ぎ的な作品。
まぁこういう趣旨の盤は、クリアランスの問題とかあって色々難しい部分も多いんだろうけど、次があるなら、もっと雑多な内容を望みたい。

試聴

hide / PSYENCE A GO GO

PSYENCE A GO GO
http://www.hide-city.com/

hide のセカンド・アルバム『PSYENCE』のツアーを音源化したライヴ盤。
やっぱりライヴだからなのか、『PSYENCE』にあった雑食性があまり感じられないんだけど、その分ストレートに曲の良さが伝わって、けっして悪い内容じゃないんだけど、3時間の公演をフルで収録というのはさすがに長い。バンド・メンバーのソロも含めて全曲収録なのはいいとしても、MCまで全部収録というのは、映像ならまだしも、やっぱり冗長に感じてしまう。
こんな仕様にしちゃったらコアなファンしか聴かないだろうに。勿体ない。

disc1hide - PSYENSE A GO GO ! [Volume 1]
disc2hide - PSYENSE A GO GO ! [Volume 2]
disc3hide - PSYENSE A GO GO ! [Volume 3]

木村カエラ / +1

+1
http://www.kaela-web.com/

木村カエラを聴くと、いつも手堅いなぁ、と思う。いや、実際このアルバムの作家陣を見れば、現在の J-POP の中でもかなり面白い人たちを集めてる事が分かるのだけれど、そんな曲群も、木村カエラは易々と歌いこなしていて、そのあまりの安定感に、どうも手堅さばかりを感じてしまう。それに、これは彼女の趣味なのか、それとも周りのオヤジたちの趣味なのか、音楽的参照点が90年代オルタナなものが多く、その時代をリアルタイムで過ごした者からすると、どうにもノスタルジックに聴こえてしまうのも、そういった印象を強くしている。
では、私は木村カエラを評価していないのかというと、そんなこともない。というのは、 J-POP しか聴いていない者が J-POP を、ついでに云えば日本語ラップしか聴いてない者が日本語ラップを作っている今の時代、洋楽的センスが感じられるロックをやっている若手って、私にはそれこそ木村カエラしか思い浮かばなくて、そういった意味でも、ものすごく頑張って欲しい人である。
なんか褒めてんだか貶してんだか、よく分からない文章ばかり書きましたが、今作に関していえば、今まで出一番よく出来たアルバムだと思うし、例えば Avril Lavigne なんかと比べても遜色のない、高性能なポップ・ロックではないかと。それと、 De De Mouse を起用したのは偉いの一言。

試聴
amazon.co.jp

鈴木亜美 / DOLCE

DOLCE
http://www.avexnet.or.jp/ami/

早いモンで復帰してからもう3枚目のアルバム。前作から引き続き、誰かと共作する「joins」なる方式が取られていて、主にダンス系のアーティストとの作品が中心になっています。その中身の方は、やっぱり玉石混合な感は否めないんだけど、基本的に鈴木亜美とダンス・ビートの相性っていいと思ってるんで、全体的にはそんなに悪くなかったです。

そんな中、気になる曲といえば、やはり ROCKETMAN との “アイノウタ” ですよ。っていうか、ここでフィーチャリングされてる YOU THE ROCK★ 。最初聴いたときは、ヒップ・ホップ・リスナーの彼への信頼度がどんどん下がってる中で、一体この人は何をやっているんだろうと思ったんだけど、何度も聴いてみると案外悪くなくて、寧ろ、ここ数年私が聴いた彼の中では、一番生き生きしているように思える。というのも、単純に若い女の子と共演してすごくノリノリなんだよね、 YOU THE ROCK★ が。だから、もうこの人雷なんか抜けちゃって、思い切ってアイドルと仕事した方が面白いんじゃないかという気さえする。まぁそれが許される世界じゃないんだろうけど。

鈴木亜美 joins S.A. - DOLCE

Fantastic Plastic Machine / Sound Concierge JAPAN ”Japanese Lyric Dance”

Sound Concierge JAPAN ''Japanese Lyric Dance''
http://www.fpmnet.com/

Fantastic Plastic Machine のミックス・シリーズである「Sound Concierge」の第10弾になる本作は、副題にあるとおり日本語詞の曲ばかり集めたもの。
そんな和モノオンリーのミックスなんて、一体何年前のコンセプトだよ、っていうのか正直なところなんだけど、未だに日本語詞の曲は現場で市民権を得られていないということなんでしょうね。
でも、こういうコンセプトなのであれば、やはりオフィシャル・リリースだとキツイのではないかというのが第一印象で、やはりクリアランスに苦労したのか、わりと定番曲か微妙に古い曲ばかりなのよね。今更 “東京は夜の七時” とかいらんでしょ。

それに日本語詞の曲にフロアでの市民権を与えたいというのなら、むしろ海外の曲とミックスするべきであって、こんなのは洋楽コンプレックスの現われとしか思えない。
さらにいえば、基本的にインストであるハウスでそんな状況になるとは考えにくいけど、このような日本語詞の曲を推し進める動きが加速して、現在の所謂「日本語ラップ」のように、日本のしか聴かないような餓鬼ばかりになったら、私はそっちの方がよっぽど嫌だけどね。

なんか飛躍しすぎなな文句ばかりずらずらと並べてしまいましたが、単純にミックスCDとしては、後半のハウス的な盛り上がりが良くて、なかなか悪くないミックスだとは思います。

浜崎あゆみ / ayu-mi-x 6 -SILVER-

ayu-mi-x 6 -SILVER-
http://avexnet.or.jp/ayu/

今日から目出度く11連休なんだけど、何も予定がないんだよね。引篭るか。

各所で話題になっていたので、今更といった感じではありますが、浜崎さんのリミックス盤。蔦谷行ったら金のほうがなかったので、銀しか聴いてないです。

浜崎あゆみに限らず avex のリミックス盤って、いかにもなトランスやハード・ハウスに混じって、必ず「おっ」と思わせるような人がリミックスをやっていて、例えば浜崎あゆみなら ORB がリミックスしてたなんてこともありましたが(Thomas Fehlmann のサイトのリミックス欄に Ayumi Hamasaki の名前があるのが妙に可笑しい)、ここまでクラブ寄りに振り切った人選というのはずいぶんと思い切ったなという感じです。まぁこの人選が浜崎さん本人の趣味とはとても思えないから、普段浜崎あゆみを聴かない人たちも取り込みたいという戦略なんでしょうか。

わりと今勢いのある人たちを集めた金に比べると、よくいえば安定感のある、悪くいえば一昔前の人たちを集めた感じの銀なんですが、予想以上にヴォーカルをそのまま残した人が多くて、だからなのか中途半端なのが多いですね。どのトラックもリミキサーの個性というものは感じ取れるんだけど、かといって普段の作品に比べて面白いかというとそんな事ないし、浜崎あゆみの歌を盛り立てるようなリミックスもないし。唯一、素直にキャッチーなハウスに仕立てた DAISHI DANCE のが一番良かったかなぁ。
あと意外なところでは、 BLACK STROBE のゴシック・エレクトロと、浜崎あゆみの金切り声が相性良かったかしら。
でも総じていえば企画倒れな感は否めなくって、やっぱり唐突な異種間交流はいい結果を残さないって事ではないかと。

あと蛇足ながら、ここまで豪華面子を揃えておきながら、ミニマルとダブ・ステップの人は誰も参加してないのよね。やっぱりミニマルのポップ化って無理なのかなぁ。

浜崎あゆみ - ayu-mi-x 6 -SILVER-

KREVA / クレバのベスト盤

クレバのベスト盤
http://www.kreva.biz/

非常に分かり易いタイトルのついた Kreva のベスト盤。まだアルバム3枚しか出していないのに、もうベスト盤ですか、ってな感じがしなくもないんですが、 KICK THE CAN CREW の時なんかアルバム2枚しか出してないときにベスト出してたから、まぁそれよりはましということでしょうか。
シングル曲を中心に、最新曲からデビュー曲の “希望の炎” に遡っていって、最後が新曲という構成になっているので、 Kreva の音楽性の変化が如実に分かるようになっているのだけれど、初期のスカスカ具合に寂しさを感じてしまうながらも、きちんとグルーヴを持ったトラックに比べると、最近の装飾がつくばかりで、肝心のグルーヴが薄っぺらなトラックはやっぱり好きになれないのよね(まぁ他の人に比べたら十分シンプルなトラックなんだけど)。
もっとスムーズなグルーヴを持ったトラックを作れば、最近の彼の持ち味であるメロウな感じも生きてくると思うんだけど。それかもっとトラックをハードにするとか。例えば “希望の炎” とかって、彼の中では異色に思えるほど寂しげなトラックだけど、だからこそ Kreva の声の持つ力強さが感じられる名曲だと思うんだけど、そういう相反するものをぶつける感じもないし、どうも今の Kreva って私からすると、どんな点においても中途半端に映る。やっぱ私は KICK THE CAN CREW の方が好きですわ。

KREVA - クレバのベスト盤

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NEWS / 太陽のナミダ

太陽のナミダ
http://www.johnnys-entertainment.co.jp/

KAT-TUN が来月シングル出すらしいんですが、それが初回盤には、表題曲以外にメンバーのソロを2曲ずつ収録したものが3種類出るという、かなり鬼のような仕様なんですよね。ファンにはそれで3枚買わせて、特にファンでないという人には、500円で買える通常盤を、という戦略なんだろうけど、ちょっと厳しいなぁ。まぁ当然3枚買うけど。この感じだと夏ごろアルバムかしら。

NEWS って KAT-TUN や関ジャニ∞に比べると、ジャニーズの中でも(音楽面に限っていえば)保守本流という印象が強いんだけど、お得意のラテン歌謡を表題曲にすえたこのシングルも、ずいぶんと手堅い作りですね。ジャニーズらしい甘いミドル・バラードである2曲目、これまたお家芸なトランスっぽいダンス・ナンバーの3曲目と、特に不満もないし、どれも良い曲だとは思うんだけど、やっぱり破綻がなさ過ぎて面白味に欠けるのも事実なんだよね。その破綻のなさを感じさせないほど、ものすごい完成度があるわけでもないしさ。前シングルである『Weeeek』で突き抜けた個性を発揮して、なおかつそれがセールスに結びついていただけに、ちょっとこの展開は勿体ないのではなかろうか。
まぁ5月に早くも次のシングル出すみたいなんで、そこでの変化を期待しておきましょう。

安室奈美恵 / 60s 70s 80s

60s 70s 80s
http://www.avexnet.or.jp/amuro/index.html

昨年のアルバム『PLAY』の高評価によって、新たな黄金期に入った感のあるアムロちゃんのシングル。テレビ見てるとアホみたいに CM 流れてるんで、ご存知の方も多いと思いますが、ヴィダルサスーンとのコラボで、タイトルの各年代の曲をリメイクしたもの。
最近の安室奈美恵の好調ぶりを考えれば、こちらの期待も当然高くなるんですが、ん~、まぁこんなもんかという感じですね。
60s と 70s の2曲に関しては、元ネタちゃんと聴いたことないんだけど、やっぱりあの年代特有のはずむ感じとか、とろけるような甘さとかが絶対的に欠けてるんだよね。2曲ともやたらと硬い音作りなのがよくないんじゃないのかなぁ。
それに比べると、一番期待してなかった 80s 、つまり大沢伸一プロデュースの “WHAT A FEELING” が一番好きですね。時代錯誤というべきなのか、それとも今むしろジャストというべきなのか、やたらと水っぽい音作りが楽しいエレクトロ・ハウス/ダンス・ポップ。こういうの聴くと、昔のようなダンス・ナンバーも聴いてみたくなります。