The Marcia Blaine School For Girls / Halfway Into The Woods (Highpoint Lowlife)CD

The Marcia Blaine School For Girls / Halfway Into The Woods
http://www.highpointlowlife.com/

いやぁ、羽賀研二はいったい何をやってるんでしょうねぇ。彼が借金地獄から復活したときはけっこう見直したんだけど、こんなんじゃ新妻もかわいそうですよ。

今月こそは意地でも毎日更新をやり遂げる、と決めてがんばってまいりましたが、特に記事の日時指定などをいじることなく何とか達成できました。とはいいつつも特に感慨があるわけでもなく、逆に無理して毎日更新することに何の意味があるのかという感じです。とりあえず非常に疲れたのでもう二度とやりません。

一応せっかくなんで記念に長い記事でも書こうかと思ったんだけど、眠いので簡単に済ませたい。

ということで1997年にデビューしたグラスゴーの3人組 The Marcia Blaine School For Girls のデビュー・アルバム。

冒頭こそ穏やかな印象ながら、3曲目の “Rude Mechanicals” でドリルン・ベースが飛び出してからは、様々なリズム・アプローチが試みられたエレクトロニカばかりで飽きさせない。しかもどの曲でも、薄い音のレイヤーが幾重にも重ねられたようなアンビエンスが広がっていて、全体的にはとても統一感のある仕上がりになっている。そのサウンドは端正すぎるきらいがありながらも、やはり上モノの美しさには抗いがたく、この清涼感にいつまでも包まれていたいと思わせるアルバムです。

The Marcia Blaine School For Girls - Halfway Into the Woods
@TOWER JP

bjork / volta (one little indian)CD

bjork / volta
http://bjork.com/

いやぁまぁ、なんといいますかかんといいますか、とにかく bjork の新作なわけです。それにしても困ってしまいました。それは何故か。私は先ほどこのアルバムを聴いていて、あることを思い出してしまったからです。

私は bjork の名前を知ったのは、おそらく大勢の人がそうであるように、ソロ・デビュー作である『Debut』が話題になった時でした。その時買いはしないまでも視聴くらいはしたと思うのですが、声が少し苦手だな、と感じたくらいでそれほど印象には残りませんでした。

その後私にとって bjork を印象付けたのは、以前深夜に放送されていた beat UK という音楽番組で彼女のヴィデオ・クリップを見たときでした。それがなんという曲なのかは覚えていないのですが、流れる風景の中右から左から bjork が顔を出すそのヴィデオが、あまりに人間的なものに欠けているように思えて(好きな人ゴメンナサイ)、私にはどうしようもなく不気味に感じられて、この時私は bjork に対して決定的なまでに苦手意識をもったのでした。

しかしそんな苦手意識もある1枚のアルバムによってあっさりとひっくり返されてしまいます。それが bjork の3枚目のアルバムである『Homogenic』でありまして、彼女の最高傑作に挙げる人も多い作品です。その時『Homogenic』の素晴らしさに心酔していた私は思いました。「オレって bjork イケルじゃん、好きなんじゃん」と。

だけどその後の『Vespertine』は音が高尚すぎて、『Medulla』は実験的すぎてあまり好きになれませんでした。 bjork の声の持つ凄みというのは、彼女を好き嫌いに関わらず多くの人が認めるところだと思うのですが、その分バックの音が密室的なものになると、息苦しくて聴いてられないんですよね。

そして前作『Medulla』から3年ぶりとなるのが本作『Volta』です。前情報では TimbalandKonono No.1 が参加したビートを前面に出した作品だということで、久しぶりに開放感のある作品なのかと期待しました。

しかし実際に聴いてみれば、ストリングスとエレクトロニクスを配したトラックの上で bjork が歌い上げるという、いつも通りの曲が大半で、残りの曲もビートがどれもこれも凡庸、とはいい過ぎにしても、革新性とは程遠いトラックばかり。特に Timbaland の仕事が酷くて、私は昔からこの人の枝先ばかり飾りつけて、肝心の幹が空っぽな音作りが好きになれないのです。確かに色んな方が書いているように Mark Bell は頑張ってると思うし、私も彼の手による “Wanderlust” と “Declare Independence” はけっこう好きだけど、このアルバムの印象を覆すようなものではない。

だけど肝心の主役である bjork は、その退屈なトラックのうえで、自身の圧倒的な力を持ったヴォーカルによって作品を引っ張っていく。その声から発せられる力は本当にすごいのだけれど、私はただ「スゴイなぁ」と感心するばかりで、心が全然燃え上がらない。そしてアルバムの50分は過ぎていく。

私は考えました。何故このアルバムが好きになれないのかと。そして思い出してしまったのです。私は元々 bjork のことが好きでなかったことを。そして思い返せば彼女の作品で好きなのは『Homogenic』しかないということを。

さすがに最初に彼女に苦手意識をもったときとは違って、今は bjork の作品をいくつも聴いているわけですから、最初の印象だけで好きではないとはいいませんが、やはり第一印象のインパクトというのは覆いがたく、結局私は彼女の凄さに感心することはあっても、その声が心に響くことはないのでしょう。ただ例外的に『Homogenic』は心に響きましたが、そんなことがこの後そう何度もあるとは思えません。

ということで私は、この後余程のことがない限り bjork の作品を買うことはないでしょう。ありがとう bjork 、さようなら bjork 。

などとただ bjork が苦手であるということを、大袈裟かつ長々と書いてみました。おしまい。

CD5枚、LP2枚、12インチ6枚

CHERRYBOY FUNCTION / SOMETHING ELECTRONIC
GAGLE / 3PHEAT
Shellac / Excellent Italian Greyhound
benjamin fehr | ffwd / permanent initio remix ep part Ⅰ
tony rohr / greetings from brooklyn
MORANE / EVERYONE IS LIKE YOU
Cyrus(Random Trio) / From The Shadows
Tadeo / Cosmos
Cobblestone Jazz / PUT THE LIME IN DA COCONUT
LIVIU GROZA / PINK SUIT THRILLER ep
cobblestone jazz / dmt
CLACIER / ROCKY MOUNTAINS EP
ARGENIS BRITO / MICRO MUNDO

やっと shellac が買えた。

DJ KITADA KEN / ヒダ地獄 (IFK)CD

DJ KITADA KEN / ヒダ地獄
http://www.infumiaikumiai.com/

Seeda が自身のブログに書いてたんだけど、THA BLUE HERB の ILL-BOSSTINO と曲作ってるらしいですね。 Boss といえば以前は一匹狼的なイメージがあったのに、最近では MSC の漢や韻踏合組合の Hida 、それに今回の Seeda と、若手との交流が盛んで、随分変わったもんだなと思います。でもこの交流がどう結実するかは興味深い。

んでもってこれはその韻踏合組合の Hida の音源のみを使ったミックスCD。

私はここでも書いたように、韻踏合組合に関しては初期が特に好きで、やはり今の韻踏は以前のような淀んだ空気感とユーモアに欠ける気がしてなりません。

そしてそれはこの時系列に曲を並べたミックスCDにも表れていて、初期のチープさに比べると作品を重ねるごとに完成度は高まっていて、その分定型的なかっこよさがあって十分魅力的なんだけど、それは『ジャンガル』までの彼らのような特別な存在ではないんですよね。
まぁこれは韻踏合組合をきっかけに日本のアンダーグラウンド・ヒップ・ホップを聴くようになった人間ならではの偏った見方なのかもしれないけど、今の韻踏合組合を聴いてると、昔の悪友が久しぶりに会ったらすっかり更正していた、みたいな寂しさを感じずにはいられません。

視聴

CD1枚

NAMIE AMURO / PLAY

超不定期連載 築地グルメ紀行その1
今日は給料日直前にもかかわらず大奮発して、昼間っから魚河岸千両で海鮮ひつまぶしを食べてまいりました(因みに1800円!!)。普通ひつまぶしというとうなぎなわけですが、これは呼んで字の如く12種類の刺身類が入っております。
まず1杯目はそのままよそって海鮮丼として食べます。で、これも非常に美味しかったんだけど、私的には次の、しいたけの甘煮などを入れて混ぜる2杯目が良かった。その時に贅沢にもうにをつぶして全体的に混ぜてうにご飯のような状態にするわけですが、これが何ともいえないコクがあって、さらに甘煮により食感も変わってかなり美味。それと比べると3杯目のだしをかけて食べるのは、確かにあっさりとして美味しいんだけど、ちょっとコレにかけるのはもったいない感じも。なのでお店の説明に、「最後に少量のご飯にだしをかけて」と書いてあったのは納得でした。
ともかく値段が値段なので頻繁には食べられるわけもないんだけど、築地で働いてる間に是非また食べたいと思わされる味でした。
おしまい。

それにしても慣れないことで文章書くと疲れるね。あと2回目があるかは分かりません。

SUPERCAR / スリーアウトチェンジ-10th Anniversary Edition-

スリーアウトチェンジ 10th Anniversary Edition
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/SUPERCAR/

昨日は涼しかったのが分かっていながら、窓開けて何もかけずに寝たら風邪ひいてしまいました。不覚。
ということで今日は簡単に。

私は Supercar に関してはデビュー・シングルの『cream soda』(過去記事)が一番好きで、アルバム単位だとそれほど聴きこんだ記憶がないんだけど、この『スリーアウトチェンジ』の10周年記念盤もそれほどリマスターで変わった印象がないというか、そもそもそんな細かい差異は分かりません。
なので久しぶりに聴いた感想としては、まぁ随分と普通のギター・ポップだなと。でも活動後期のテクノに傾倒していった時期ならまだしも、デビュー当初は音楽性が取り沙汰されたバンドではないので、当たり前といえば当たり前か。しかし最近めっきりロックを聴かなくなったせいか、どうもざらついたギターの音が苦手です。
その点2枚目の4曲の未発表ヴァージョンのほうが音がすっきりしていて聴きやすい。
あと残り3曲は多分デビュー前後のものと思われるライヴ音源で、このつたない感じ、というか下手くそな演奏を「純粋さ」と思える人には大事な盤になるのでしょう。
ん~、でも私には別に必要ないや。

BENNIE K / THE WORLD

BENNIE K / THE WORLD
http://www.benniek.jp/

なんのかんのでコンスタントにリリースのある Bennie K の、多分アルバムとしては5枚目かな(この人たちミニ・アルバム多いからよく分からねぇんだよ)。

ジャケットだったりタイトルに表れているとおり、今回は世界一周がコンセプトなんだそうで、確かに随分と雑多な音楽性が詰め込まれているのだけれど、そこは正直あまりそこは気にしなくていいかな。
元々ヒップ・ホップというものは、様々なジャンルの音源をサンプリングすることにより、様々な音楽性を取り込むことの出来る自由度の高いものだったわけだけど、そこは時代の旬の音を掠め取ってきた歌謡曲も同様。そういった意味では、ヒップ・ホップと歌謡曲を立脚点にする彼女たちの資質が今回前面に出たに過ぎないんじゃないでしょうか。

そうなってくると重要なのはやはり曲そのものということになるんだけど、今作に収録された曲は、例えば Bennie K の出世曲である “サンライズ” なんかに比べるとどうもパンチに欠けるものが多い。しかしどの曲も水準以上なのは間違いなく、メロディも様々なアレンジが施されているにもかかわらずまったく揺らいでいない。
それに Yuki のヴォーカルは以前よりはるかに感情豊かになったし、それ以上に印象的なのが Cico のラップ。普通のラップのスタイル以外にも、ポエトリーディングだったりはたまたメロディ歌い上げてみたり、彼女のヴォーカル・スタイルの幅広さが Bennie K の自由度の高さにつながっている気がします。思えばチャートで成功しているヒップ・ホップ系の人って、 Kreva だったり Verbal みたいな歌えるラッパーが必ずといっていいほどいるんだよね(っていうか日本はメロディ感覚のないラッパーが多すぎるんだよ)。

前半のお祭り騒ぎから後半しっとりしたものが多くなる構成も心地良くて、彼女たちの実力の高さが伺えます。
でも、あえて一つだけ難癖つけさせてもらうなら、終盤のリサ・スティッグマイヤーと小林克也はいらなかったんじゃねぇかな。なんかこのアルバムを安っぽいものにしている気がする。

視聴
@TOWER JP

[Tracklist]

TM NETWORK / CHILDHOOD’S END (EPIC)CD

TM NETWORK / CHILDHOOD'S END
http://www.randc.jp/tm/

一応今月は毎日更新を達成しようと何とか頑張っているわけですが、それでもやる気のでない日というものはあるわけで、そんなときは昔のものを取り上げてお茶を濁してみよう。

私の iTunes には現在1万4千曲弱の曲が入っているのですが、たまに新譜じゃなくてその中から古い曲とか引っ張り出して聴いていると、もう新しい音盤なんか買わなくてもいいんじゃねぇかという気分になることもしばしばで、なかなか止まらなくなってしまいます。それで気が付けばこんな時間なわけですけれども。って何を書こうとしていたのかよく分からなくなってきましたが。

まぁとりあえず “8月の長い夜” なわけですよ。

けっこう私と同じ世代でテクノ聴いてる人だと TM NETWORK の影響受けてる人は多いみたいだけど、私もご多分に漏れず相当はまった口です。でも現在彼らの昔の曲を聴くかというとあんまりなくて、その中でも例外的にこの曲は良く聴いている。

とはいっても何か特別な理由があるわけでは全くありません。

まぁこんな状態だから、今彼らの曲の中で一番好きなのは、と聞かれたらこの曲だと答えはするだろうけど、昔から特別好きな曲なのかというとそんなこともないし、この『CHILDHOOD’S END』というアルバムに至っては、昔はまってた時には聴いたことなかったし、何年か前に出たボックスセットで手に入れた後も大して聴いていない。

でも今一番聴く曲はやはり “8月の長い夜” なわけですよ。

メロディに関してはわりと地味なものなんだけど、好きな女に電話で恋愛相談されて、その後ウジウジしながらも、でも微妙にかっこつけちゃったりなんかしてる歌詞が絶妙で、今の小室哲哉じゃありえないくらいさわやかなアレンジと、妙に多い曲展開も最高。それにこういう素直なメロディは、良くも悪くも今の小室哲哉からは出てこないだろうしね。
ということで、なんだかんだで名曲ですね。

他の収録曲に関しては、えぇと、先に書いたとおり全然聴いてません・・・・・。

STEPHAN BODZIN / LIEBE IST… (HERZBLUT)3LP

STEPHAN BODZIN / LIEBE IST...
http://www.herzblut-recordings.com/

最近またスパム・コメントが酷いんですが、あれって何とかならないんですかね。まぁほとんど WordPress の Akismet フィルタがはじいてくれるので特に問題はないんだけど、やはり気分的に良いものではないですよね。

Border Community 以降の流れの中で、昨年あたりから頻繁に名前が聞かれるようになったのがこの Stephan Bodzin 。私は話題になった『KEROSENE』(過去記事)を聴くまで彼の名前を知らなかったので、てっきり若い新人さんなんだと思ってたんだけど、なんでも長年エンジニアをしていた人なんだそうで、そんな彼がトラック・メーカーに転向して最初のアルバムが今作。CDだと11曲収録、そしてアナログだと3枚組みで9曲収録なんだけど、残りの2曲は先んじてシングルとしてリリースされているので実質4枚組みという力の入れよう。

そして内容のほうもそれに見合った完成度の高いもの。この手のトランシーなテック・ミニマルって、上モノだけ幻想的に仕上げてそれでお終い、ってな安易なものが少なくないけど、彼の場合覚醒的な上モノはもちろんのこと、ブーストする中音域、それにグルーヴィなリズムとよく練りこまれていて、さらに曲展開も起伏にとんでいて物語性が高く、総じて完成度が高い。しかしアルバム全体でみてみると、1曲ごとの起伏はあっても全ての曲が同じ調子で全体的な流れというものがあまり意識されておらず、トラックを集めただけという感じ。これだったらシングル3枚に分けて出すんでも全然問題ない気がする。あとやはり曲のヴァリエーションが少なすぎるかな。
でもけっこう多作な人なんで、その分進化してくれるのを期待しましょうか。

Stephan Bodzin - Liebe ist...
@TOWER JP

[Tracklist]