Rufige Kru / MALICE IN WONDERLAND (METALHEADZ) CD

Rufige Kru / MALICE IN WONDERLAND
http://www.metalheadz.co.uk/

ずいぶんとご無沙汰な感じの Goldie の Rufige Kru 名義でのアルバム。どれぐらいぶりかというと、 Goldie 名義での前作『Saturnz Return』からもう9年。その間ドラムン・ベースは根強い人気をほこっていたし、自身のレーベルである Metalheadz も活発に動いていたけれど、 Goldie 本人はたいしてリリースがなかったので、これが復活作とかいわれるのもまぁ納得。

んでもって私も今ではあまりドラムン・ベースも聴かなくなってるんだけど、久しぶりに聴いた Goldie は何にも変わってないというか、びっくりするくらい Metalheadz 印ですね。元々 Rufige Kru って彼のハードな側面をあらわすときの名義だったっと記憶してるんだけど、今作は収録された13曲全部がハードに押しまくるドラムン・ベースで、そのメタリックな質感は往年のまんま。聴く前はもう少しダブ・ステップの影響なんかも聴けるのかと思ってたんだけど、そんなことお構いなしに、唯我独尊といった感じ。まぁそれで結果的にかっこいいんだから問題ないんだけど、普段ドラムン・ベースをあまり聴かない人間からすると、こうも同じようなハードな曲が続くといささかきつい。
でも久しぶりの便りとしては悪くなかったです。

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MIDNIGHT OPERATOR / MIDNIGHT OPERATOR (Wagon Repair) 12″

MIDNIGHT OPERATOR / MIDNIGHT OPERATOR
http://www.wagonrepair.ca/

一応ブログ名が「Vinylism」なんで、もう少しアナログも紹介しなきゃなぁ、とは思っておりまして、とりあえずちょっとまえにりりーすされたの。

Mathew Jonson を中心とした数名で運営される Wagon Repair 。このレーベルのリリースに関しては必ずしも Mathew Jonson の意向がはたらくわけではないようなのだけれど、それでもきちんと Mathew Jonson の音楽性を軸とした方向性が定まっていて、ますます独自の色を強めつつあります。

そしてそれはこの Mathew Jonson とHrdvsion こと Nathan Jonson の兄弟ユニットである Midnight Operator のデビューEPによく表れていて、少しダブ・ステップを思わせるブレイクビーツと、歪んだ音色のシンセが織り成すサイケデリックな高揚感がとてもユニーク。そこに絡むテックな感じのシンセも意味不明。裏の Mathew Jonson の “Return of Zombie Bikes” のリミックスも聴いた感じは同じで、正直異質さは感じるんだけど、でも何ともいえない中毒性があってかっこいい。
ホントこの人はどこまでいくのでしょうか。

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nine inch nails / year zero (Interscope) CD

nine inch nails / year zero
http://www.nin.com/

昔音楽聴き始めたばかりの頃は、そのアーティストこそが最先端であると信じて疑わなかったのに、そのうちいろんな音楽を聴き進めるうちにそのアーティストが最先端はおろか、周回遅れもいいとこだったのが分かってがっくり、というのは多分多くの人にある事だと思うんだけど、私にとって Nine Inch Nails というのは正しくそういう存在なわけですね。

まぁそれでも『The Fragile』までの作品は鬼気迫るテンションが感じられて、サウンドの先進性云々とは別のところで語れるものだとは思うんだけど、さすがに『With Teeth』(過去記事)でのマッチョなインダストリアル・ロックは未だに退屈で聴く気がしない。

そして前作から2年という Nine Inch Nails としては異例の速さで完成した今作はというと、基本路線は前作とそれほど変わらず。比較的生バンド的な音の多かった前作よりはエレクトリックな音が増えたけど、昔の鬱屈した感じと比べればずいぶんと肉体的で、健康的ですらある。しかし前作よりは混沌とした部分も多くなっていて、曲自体もけっこう印象的なものが多いので、このアルバム単体でみればわりといいアルバムではないかと思う。でもやはり最後まで Trent Reznor がこの方向性を選んだ必然性が理解できなくて、でもそんなこと考えるのは所詮オヤジのノスタルジーなのかなぁ。

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Audion / Noiser/Fred’s Bells (Spectral) MP3

Audion / Noiser/Fred's Bells
http://www.spectralsound.com/

なんでか知らないけど来月発売の Matthew Dear の新作『Asa Breed』が iTunes Store で買えるようになってますねicon(クリックすると iTunes 立ち上がります)。ということで視聴してみたんだけど、以前に比べずいぶんとポップになっていて、いやぁ、これはちょっと問題作かも。
しかし Audion 名義での作品は変わらずフロア仕様なので、これは本人名義との差を明確にしたかったということなのでしょうか。

これはその Audion 名義では現時点での最新作となるシングル。私は節約のために iTunes で買いました(話は逸れるんだけど、iTunes で10分以上の曲になると妙に値段設定が高いのはどうにかならんのかね。短い曲は安くしないくせして!)。 Audion 名義のときの特徴といえば、なんといってもビキバキブリブリ、かつサイケデリックな上ものだと思うんだけど、それは今作でも同じ。でも以前に比べるとここ何作かのシングルってどうもリズムが淡白に感じられて面白くないんですよね。個人的に『EP 1』(過去記事)の頃からリズムの作りを評価してただけに少し残念。まぁ次作に期待しときます。

Audion - Noiser / Fred's Bells - Single
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LINKIN PARK / MINUTES TO MIDNIGHT (Warner Bros.) CD

LINKIN PARK / MINUTES TO MIDNIGHT
http://linkinpark.com/

わりとロック系の大物の作品のリリースの時って、広告などにものすごい大袈裟な煽りが載ったりすることがよくありますが、この Linkin Park の3枚目のアルバムとなる『Minutes to Mindnight』は久々にすごかったですね。なんか「ロックの歴史が変わる」みたいなこと書いてあるとこもあったし。まぁもちろんそんな事あるはずないんですが。
個人的に Linkin Park を好きになったのって2枚目の『Meteora』からで、まぁ当然デビュー作の『Hybrid Theory』も聴いてはいたのだけれどあまりピンとこず、では『Meteora』は何が良かったのかというとその音の作りで、いったい金を幾らかけたのかって感じの圧倒的にクリアな音質と、にわかに人の演奏とは信じがたいほどのデジタルな質感の音の壁が、うねりを上げながらこちらに降りかかってくるのが非常に気持ちよく、そこにヘヴィ・ロック的な記号とポップ・センスを上手く合わせた『Meteora』は、良い意味で当時の産業ロックの最高峰だったと思うんですよね。
そして前作から4年ぶりとなる今作は、事前に知らされていたとおり確かに以前よりもオーガニックな手触りのものに変化していて、それに伴って音作りも隙間のあるものになっていて、いやぁ、悪くはないんだけど、これじゃぁちょっとカタルシスの部分でちょっとうすいんだよね。曲のほうもずいぶんと落ち着き払ったものが多くなっていて、そのわりにはメロディに魅力のある曲が少ない。
まぁこの手のバンドが成功した後こういう作品作るのはよくあることだし、今までの絶叫ヴォーカルを減らしたのもバンドの寿命を考えれば懸命だとは思うんだけど、個人的に産業ロックの星がいなくなったようで、寂しいかぎりです。

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@TOWER JP
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SEEDA / 花と雨 (KSR) CD

SEEDA / 花と雨
http://seedagreen.exblog.jp/

んでもって Bes と共に Scars に所属するバイリンガル・ラッパー Seeda のアルバムは、日本語ラップ好きにはクラシック確定の作品として非常に高い評価を受けているようですが、私はちょっと苦手かなぁ。どうも Seeda の声押しつぶしたような発声が好きになれないのですよ。それに全曲プロデュースした Bach Logic のトラックも特に面白いと思わないし。なんかこのアルバムは、あまりにも「ヒップ・ホップ」し過ぎてるんだよなぁ。完成度が高いのは分かるんだけど、自分にはちょっと合わんかったです。

@TOWER JP

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SWANKY SWIPE/Bunks Marmalade(P-VINE)CD

SWANKY SWIPE/Bunks Marmalade
http://www.p-vine.com/

一聴した感じでは非常に粗野な印象を受けるんだけど、その中にもどこか冷めた感じがあって、でもラップの端々からユーモアがこぼれ落ちる。自分にとって Bes の魅力を書くとこんな感じでしょうか。
Bes がラッパーをつとめる Swanky Swipe は、トラックメイカーの Eishin 、DJ Porsche、そして Yodel からなる4人組。 Bes はどちらかとうと Scars に所属していることで有名みたいだけど、私が彼の声を聴いたのはコレが始めて。音楽的にはストリートに根差したハードコアなヒップホップで、個人的にはあまり好きとはいえない音楽性なんだけど、そこに Bes のラップが乗るだけで世界が多面的になって、とても躍動感のあるものになる。それに彼のラップには生命力が強く感じられて、それはストリート・ミュージックにはとても大切なことに思える。

SWANKY SWIPE - Bunks Marmalade
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Antiguo Automata Mexicano/KRAUT SLUT(Static Discos)CD

Antiguo Automata Mexicano/KRAVT SLVT
http://www.staticdiscos.com/

今日お弁当に揚げ出し豆腐を持っていったんだけど、お昼に開けたら発酵しすぎたチーズのようになっていました。泣けました。

前作に当たるデビュー作『MICROHATE』(過去記事)を発表して以降、いくつかネット・レーベルから作品出す以外はたいした動きのなかった Antiguo Automata Mexicano の2枚目のアルバム。
前作の『MICROHATE』はクリックとエレクトロニカの中間に位置したような作品だったけど、今作はよりクリック・テクノ寄りで、比較的四つ打ちのキックが入った曲が多いんだけど、そのほとんどがリズムというよりは単なる音の連なりとして機能していて、全体的に非常に無機的な手触りながら、しかしそこに郷愁をさそう旋律(と呼べるほどはっきりしたものではないかもしれないけど)が響くので、非常に深い余韻を残す。それに音作りのほうも、音の粒子を感じさせるような細やかさで、基本的にこういうのには弱い。
前作同様とても地味な作品であることは否めないけど良作です。

視聴Antiguo Automata Mexicano - Kraut Slut
@TOWER JP

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Cdatakill/Valentine(Ad Noiseam)CD

Cdatakill/Valentine
http://www.adnoiseam.net/

最近の音楽的な動きで盛り上がっているものといえば「ニュー・レイヴ」だったり「フレンチタッチ」だったりすると思うのですが、どうもそこら辺にはついていけないので、そうするとやっぱりダブ・ステップかなぁ、という感じではあるのですが、そのダブ・ステップも何枚か聴いてみたけど、現状ではそれほど面白みを感じないというのが本音。しかしダブ・ステップに関してはドラムン・ベースやブレイク・コア、そしてミニマルなどとも交わって、これからまだまだ発展していきそうなので、以前注目すべき動きなのは確かなのですが。

んでこれはそこら辺物色してるときに見つけた1枚。
この Cdatakill こと Zak Roberts という人は以前はブレイク・コアやってたらしいんだけど、今作では一転してダブとインダストリアルを掛け合わせたようなへヴィなベース・ミュージック。地鳴りのようなベースとけたたましいノイズ、そしてオリエンタルなヴォイスサンプルが入り乱れる冒頭の “No Brakes” からまったくテンションが落ちることがなくて、特に小さな音では分からないほど低い音でうなるベース音がたまらない。
とりあえず何に近いかといわれれば、『Mezzanine』の頃の Massive Attack だと思うんだけど、こちらの方がはるかに凶暴で、トリップと現実を交互に叩きつけるようなスリルがある。
ジャケットも音の雰囲気に合っていて、総合的にひとつの作品として楽しめる。

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