ちょっと melt-banana が一般的にどれほどの知名度があるのか分からないんだけど、彼らはすでに活動歴13年にも及ぶバンドでして、その活動は徹底してアンダーグラウンド。海外からのリリースやライヴも多く、その為か日本よりも海外で評価されることの方が多い。音楽性は基本ハードコア・パンクでかなりスピーディなもので、演奏はテクニカルかつトリッキー。さらにかなりノイジー。なのに Yako の声は可愛いとさえ言いたくなるものだし、ヴォーカルもものすごくポップ。この両極端とも思える要素が不思議とすんなり同居しているのが melt-banana でありまして、そんな彼らの6枚目のアルバム。
4年前の前作『Cell-Scape』を聴いたときも、随分ポップになったと感じたものだけど、今作はさらに聴きやすい。なんでも今回はストレートなロックン・ロールを目指したんだとかで、以前のような混沌と爆発が交互にくるような快感はない。
でもその分単純に乗れる曲が多くて、一回その世界に入ってしまえば彼らの放つパワーに圧倒されっぱなし。それに細かいところで色々な細工がほどこされていて飽きさせない。
まぁそれでもこちらの期待を上回るような作品かというと、やはりちと足りないですかね。他のバンドと比べれば十分傑作だとは思うんだけど、彼らへの期待値に比べるともう一歩という感じ。次作はもっとスゴイのお願いしたい。