Geoff White / ique (Apnea)12″

Geoff White / ique
http://www.apnearecords.com/

ついでなんでその1番。

そもそも Apnea を主宰する Alex Under って、もう一つの主宰レーベルである Cmyk MusikTrapez からリリースを重ねていた人で、そんな人のレーベルの記念すべき1番が、何故 Geoff White なのか、っていうのは未だに不思議なんですよね。このレーベル以外での交流って特に聞いたことがないし、そもそも Alex Under って人気あるわりに日本では謎な部分が多いのよね。まぁいいや。

このシングルでは Force Inc. からのアルバム『Questions And Comments』をさらに進化させているんだけど、おそらく Geoff White の作品のなかでも最もダブ色が濃い。
そのトラックは意外性こそないものの、職人気質的を細部に感じさせ感度は高い。しかしせっかく12インチなんだから、もっとダンス寄りでもいいのではないかとも思うわけで、そう意味では Alex Under のリミックスがなかなかに秀逸。原曲のダブ感を損なうことなく、上手く疾走感のあるテック・ミニマルに仕上げている。
とりあえず『Neverthless』(過去記事)が気に入った人は聴いておいたほうがいいかと。

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Geoff White / Sum (Apnea)12″

Geoff White / Sum
http://www.apnearecords.com/

Apnea 、といえばスペインはマドリッドの Alex Under が主宰するレーベルですが、レーベルの1番をかざった Geoff White が再び登場。その1番にあたる『ique』(関連記事)は、昨年の傑作『Neverthless』(過去記事)の雛形のようなクリック・ダブだったんだけど、その方向性はアルバムでやりきった感があったのか、今作では作風をがらりと変えております。

まず驚くのが1曲目の “He Said” で、以前の端正さはどこへやら、ブリブリとしたベースラインがとにかく動きまくる。それはダンス・ホールやベイルファンキにも近い猥雑さを感じさせるほどで、非常に攻撃的。残りの3曲も多少の差はあれど、以前よりもかなりリズムに動きのあるもので、まぁ分かりやすく表現するならば Geoff White 流のアシッド・ハウスともいえるんだけど、このリズムのうねり方は一般的なテクノのフォームからは大きくはみ出すもの。
それでいて上モノの透明感というのは以前とそれほど変わらず、全体的な質感としてはまぎれもなく Geoff White のものになっている。
それでもこの方向性が以前のダブ路線よりも好きかというと、正直そんなことないんだけど、この挑戦の果てにどんな新たな音を生み出すのか、そこはやはり楽しみなところです。

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