Burgess Tomlinson という人のソロユニットのアルバム。
ジャケットの感じからすると、少しドロドロとしたものを想像しそうだけど、聴いてみると爽やかささえ感じさせるダウン・ビート/エレクトロニカ。なんでもこの人、もともとは Tarsier という女性シンガーの相方さんなんだそうで(ここでも何曲か歌ってる)、そこら辺のバランス感覚は巧みで、特に何曲かで聴かれるもの悲しい雰囲気はなかなか好み。
まぁもうちょっとビートが太いほうが個人的には良かったけど、それでも聴きやすい1枚です。
Justice / †
http://www.edbangerrecords.com/
どうも、感性の鈍い shooter です。なぁんて分かる人にしか分からない意地悪は置いといて。
最近頻繁にその言葉を聞く「ニューレイヴ」ですが、その中でも真打的な Justice 、 Simian Mobile Disco 、 Digitalism の3組が同時期にアルバムを出した、なんてことは私がわざわざ書かなくても多くの人が知っているのではないかと思います。その中でもネットや雑誌を見ると一番評価が高いのが、 Justice のこのアルバムかなという感じですね。
で、確かに完成度が非常に高い。ゴジラまんまなオープニングから、ビキビキと歪んだ音を中心に様々な音が飛び交うエレクトロ・ディスコに流れ、かと思えば先行シングルにもなったポップな “D.A.N.C.E.” が入ってきてみたり。それ以降もほとんどの曲が、曲間が分からないくらい滑らかに繋がっていて、構成的にもかなり練られている(だから逆に “Valentine” の唐突さはどうにかならないものかと思うけど)。基本的にディストーションかかった攻撃的な音中心なんだけど、曲のそこかしこに昔のソウルやディスコの要素が感じられて、うるさくなりすぎないのも良い。
しかしねぇ、このアルバムはあらゆる点で手堅すぎるんだよね。そもそもポップスを意識したから曲を短くしたというのも、私には少し安直に思えるし、このアルバムからは Justice の二人の頭の良さは伝わってきても、肉感的な部分がまるで感じられない。それにフランスでエレクトロニック・ミュージックをやっていれば Daft Punk からの影響から免れないのかもしれないけど、これはそこに同じフランスの Jackson を足して分かりやすくしただけのような気がする。
まぁそれでもよく出来てるのは間違いないし、これが新しいポップスだといわれればそうなのかもしれない。それでもこれが新潮流なんていわれるようならば、ダンス・ミュージックもずいぶん退屈なものになったと感じざるを得ないなぁ。