Simon / Simon Says (HARLEM) CD

Simon / Simon Says (HARLEM)
http://www.harlem.co.jp/recordings/

普段こういういかにもなヒップ・ホップってあまり聴かないんだけど、その筋では高評価を得ている Simon の正規盤としては初のアルバム。

一応作中でオリジナリティがどうとか言っているんだけど、私の正直な感想としては Zeebra の廉価版といった感じ。別にアメリカナイズされることが悪いとは思わないけれど、それと作品の出来不出来はまったく別の話で、質自体は低いとは思わないものの、コレ聴くんだったら他に聴くべき盤はいくらでもあるかなと。

こんな感じなので、特にこの盤について書きたいこともないので、少し話を脱線させたいと思います。

一応日本のヒップ・ホップを聴くようになってから10年以上経つんだけど、生来の引きこもり体質ゆえか、その音楽には常に触れてきていたものの、文化には全くといっていいほど触れてこなかったんですよね。
だから未だに、ヒップ・ホップのマナーの中では普通の事とされながらも、私には分からないことがいくつかあって。その中でも特に気になるものが二つある。

まず一つ目は、なんでヒップ・ホップの人たちってみんな「くん」付けで呼び合うんですかね。しかも年下や同年代ならともかく、年上でも平気で「くん」付けするでしょ。あれって一体どこから派生した文化なんでしょうか(私の感覚からすると、二十歳そこらのヤツが「MURO くん」とか呼ぶのありえないんだが)。

二つ目は、なんで日本のラッパーってみんな声重ねるんですかね(ダブル・ヴォーカル)。まぁこれはもしかしたら本場アメリカのヒップ・ホップからの流れなのかもしれないけれど、私は海外のヒップ・ホップを聴いて、殊更そのことを意識させられたことはないので、日本のはまた独自な気がするんだよね。
んで、私はその声重ねるという手法事態はかまわないと思うんだけど、問題なのは、CDを聴いてもオーバーダブ無しの裸の声が分からないほど加工されていたり、自分の声の細さを誤魔化すかのように声を重ねているもので、そんな奴等が多いから、ライヴになると一人じゃ声が出ないから、ステージ上で雁首揃えてがなってるだけ、みたいな構図が未だに消えないんじゃなかろうか。

そしてそんなラッパーの最たる例が Simon 、というのがこの作品を聴いたもう一つの正直な感想で、まぁ私は彼のライヴを見たことがないので、もしかしたらライヴでは物凄い声を出すのかもしれないけれど、少なくともこの作品を聴いた限りでは、そんな姿は微塵も想像できない。

試聴
Simon - Simon Says

[`friendfeed` not found]
Facebook にシェア
[`evernote` not found]
[`livedoor` not found]

9 thoughts on “Simon / Simon Says (HARLEM) CD”

  1. 興味深かったです。

    そういえば、うちの高校のサッカー部でも「君」でしたね。というか、若いヤンチャな人たちの上下関係に多かったですね。だからHIPHOPというよりいわゆる「不良」の側面のほうが強いかもしれないんじゃないでしょうか。なぜ「さん」ではなく「君」なのかの答えにはなってませんが。

    SIMON・・・私も日本のHIPHOPはよく聴くのですが、一度アブストラクトの方に走り出すとこういった方面に疎くなりますね。この作品でもそうですけどジャケなんかで敬遠してしまいますし、なにより8thやTBHを聴いた後だと、トラックのしょぼさやリリックの浅さを感じてしまって・・・。
    上記の声重ねにしろプロフェッショナルとは思えないライブにしろ、一部の「日本語ラップ」には毎度ヤンキー上がりを感じさせられることが多く、同時に他ジャンルに比べた成熟のなさを感じます。もちろん、「ワルさ」自体はこのジャンルの魅力の一つですが。

    ちょっとアブラストラクトに影響されすぎてますかね。笑
    長々と失礼しました。

  2. 上の人も指摘してますが、くん付けは多分ヤンキーというか
    やんちゃ系な連中の文化からの流れだと思います。
    チーマーとかが源流なんですかね。同じワル文化の暴走族は上下関係ガチガチなんで
    それへの反発として出てきたものなのかな、みたいな。

    ライブでガナる奴、多いですね。
    ステージに沢山いると、ガナり声で声被せあって合唱し始めちゃったりして、正直聞くに堪えないときがたまにあります。

  3. > ejimiuson さん

    記事で書いた「くん」付けもそうなのかもしれないけど、ちょっと日本のヒップ・ホップの人たちは、不良性を前面に出しすぎな感じはありますよね。
    まぁそれはそれで面白いから良いんですけど、ちょっとアメリカのギャングを勘違いしているのではなかろうかと思うことがたまにあります。
    あと成熟してないというのも、確かに感じますね。まぁこれは若い子が多いからしょうがない気もしますが。

    > kk さん

    ホント、ライヴだとガナるやつ多いですよね。
    その点去年見た SEEDA なんかは、あの押しつぶしたような声でもちゃんと通りが良くて、物凄く見直したのを覚えています。やはりラッパーとしての意識の差なんでしょうか。

  4. simonはhuman baseの頃ライヴ見たことがあるんですが、えっらい声の通りが良くて発声もフロウもキープ出来ててかなり上手かった印象が残っています。
    まあ良いか悪いかはべつの話ですが。

  5. > 3moles さん

    じゃぁライヴだとまた印象が全然違うということなんですかね。
    でもそうなると、今度は逆にアルバムがこんな内容なのが勿体無い気がしますね。
    痛し痒し。

  6. 仰るとおりで、このアルバムに限らず音源では彼のラップスキルがあまり上手く表現できてない気がします。
    店舗での試聴程度でしか聴いてない自分が言うのもなんですが。
    才能あるのは間違いないと思うんですよね。だからこそshooterさんも手に取られたんだと思ったり。

  7. > 3moles さん

    そういわれると、ちょっとライヴ見てみたくなりますね。
    でもこういう系の人たちが出るライヴって行かないからなぁ。
    勇気出してハーレム行くか・・・。

  8. HIP HOPは日本のヌルいオタクには理解出来ない。
    HIPHOPをブリって聞くこともオタクには無理だし(笑)、何より温室育ちには絶対に理解出来ない魂がある
    俺はHustlaの経験もjailの経験もあるし。ドン底の生活を味わった。
    住んでいた場所は日本だけど間違いなくGHETTOだった。
    俺にはHIPHOPしか無かった、冗談抜きで。
    そんなクズだから彼らの気持ちを理解出来る。共感出来る。

    理解出来ないのを悪い事だとは言わないけどね。

    不良=クズ、怖いから嫌い、低脳だから嫌い。
    なタイプの人間はReal HIP HOPには向いていません、そう思います。

    インテリぶって偉そうにあーだのこーだの抜かしてる暇あんならお手て繋いでJ-POP(笑)でも聞いといた方がいいと思います。
    ガナるから嫌とか論外。
    不良と勘違い?GANGSTA RAPってジャンルありますからねぇ。tu pacってしってるかなー??(笑)
    彼のライブは見たのかなー??NWAは?DEATH ROWは?あんたの言う『ガナる』は
    彼らはしてないのかなー????彼らは不良とは違うのかな~????
    俺に言わせれば日本なんて比にならないくらいのド不良だね。
    ド不良でDOPE。
    でも日本にも確実にいます。GANGSTAは
    マジで人を弾いてしまった人がかつて自分の『上』にいました。
    彼は暴力団構成員でも、右翼でもありません。
    正真正銘のギャングスタ・ラッパーです。

    ちょっとHIPHOP齧ったくらいの人間が偉そうに語ってるのは本当に不快です。
    評論家気取りも大概にしといてください・・・音楽オタクの皆様

    あんたらが貶せるモンじゃねぇんだよ HIPHOPは。

    1. 色々長々と書いていただいたんですが、とりあえず Ghetto BOY さんはヒップホップの色々な可能性に目を向けられた方がいいんじゃないかと思います。

ejimiuson へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)