BEST SINGLE of 2008

  1. Natural 9 Nation / 親不孝三十六房
  2. truth/風の向こうへ
  3. BACK TO ILL
  4. VASCO EP PART 1
  5. Risky feat. Where Do We Go / エンドレスで、かまわない。止めるまで、DANCE空間。DANCE ORIENTED SPECIAL
  6. MELCHIOR PRODUCTIONS LTD. / Who Can Find Me EP
  7. NEWS / Happy Birthday
  8. PLASTIC STAR
  9. Kontext / Falling To Weightlessness
  10. MISSED CALLS EP
  1. Natural 9 Nation / 親不孝三十六房
  2. 嵐 / truth
  3. Ill Slang Blow’ker / BACK TO ILL
  4. RICARDO VILLALOBOS / VASCO EP PART 1
  5. Risky feat. Where Do We Go / エンドレスで、かまわない。止めるまで、DANCE空間。DANCE ORIENTED SPECIAL
  6. MELCHIOR PRODUCTIONS LTD. / Who Can Find Me EP
  7. NEWS / Happy Birthday
  8. BYETONE / PLASTIC STAR
  9. Kontext / Falling To Weightlessness
  10. TRG / MISSED CALLS EP

ここ2年くらいは、 ecrn award の方に投稿していたので、このブログには年間ベストについては書いてなかったんだけど、4周年の企画の時に過去の自分のベストを見直してみて、自分でもなかなか面白かったので、今年はちゃんと書こうかと思います。

んで、まずは今年よく聴いたシングルを10枚。

例によってこのブログで紹介したのが半分しかないのがなんなんですが、とりあえず N9N の1位は文句なし。久しぶりにヒップ・ホップらしいヒップ・ホップが堪能できた至高のシングル。2、3、4の充実振りは記事に書いた通り。5はフリー・ダウンロードの音源なんだけど、こういう感覚を常に忘れないからこそ、この人のファンはやめられないなぁ、と改めて感じました。6は地味ながら、今年最も美しさを感じたミニマル/テクノ。7は文句なしで NEWS の最高傑作。8は今年の raster-noton のダンス志向を最も分かりやすく表現していたという意味でも忘れられぬ1枚。9はダブ・ステップとミニマルの融合という点で、最も面白い回答の一つでした。シングル2枚同時発売で、どっちも良かったんだけど、1枚選ぶならこっちかな。10は最近のダブ・ステップのレイヴっぽい方向性の中でも、こういうのが増えたらいいなぁと。

簡単ですがこんな感じ。
一応今年の更新はコレで最後になります。明日は年間ベスト・アルバムについて書きたいと思います。

それではみなさん良いお年を。

Scuba / A Mutual Antipathy (Hotflush) 2LP

Scuba / A Mutual Antipathy (Hotflush)
http://www.hotflushrecordings.com/

少し前に Resident Advisor の今年のベストアルバムが発表されておりまして、全体的にはあまりにも妥当すぎる選盤だなとは思ったものの、その中で以外だったのはこのアルバムが20位に入っていたこと。そういえば「remix」に載っていた beatport の年間ベストにもこのアルバムが入っていたけど、海外では評価高い作品なんですかね。
ということで Hotflush を代表するアーティスト、 Scuba の待望のファースト・フル。

今年のダブ・ステップといいますと、 Benga のドス黒さ、 SkreamZomby のレイヴのり、 2562 のダブへの深化などが目立っていたのかなという感じですが(結構適当に書いてます)、この『A Mutual Antipathy』はそのどれとも違う、アンビエントっぽいダブ・ステップ。

って書きますと、ダブ・ステップの重量感と、アンビエントの浮遊感をどう融合させるのかって感じですが、ダブ・ステップのリズムの質感はそのままに、しかし重量感を減らし、さらに浮遊感のある上モノを前面に出すことによって、ものすごくギリギリ、かつ絶妙なラインに落とし込んでいる。

まぁその分、当然のようにダブ・ステップのダンス・ミュージックとしての側面は弱くなっているんだけど、ダブ・ステップとアンビエントという、一見相反するような要素を融合させたアイデアは非常に面白いし、それをここまでの完成度に仕上げたのもお見事。あとはジャケットがこんなんじゃなければ、文句無しだったんだけどねぇ。

試聴
Scuba - A Mutual Antipathy
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Soul Designer / Evolutionism (third ear) CD

Soul Designer / Evolutionism (third ear)
http://thirdear.s12.coreserver.jp/

これは出たのも聴いたのも2007年なんですが、なんとなく。

自分の中で Soul Designer の前作『WALKING ON THE LITTLE CLOUD』は非常に思い出深い作品なんだけど、あれは確か『Sleeping Madness』が出たとき。 Ken Ishii が「そろそろテクノもクラブ・トラックばかりではなく、ちゃんと曲として聴けるものを作るべきではないか」みたいなことを言っておりまして。まぁその『Sleeping Madness』がその言葉どおりの作品だったかというと正直微妙なんだけど、その言葉は非常に印象に残っております。
そしてその言葉をそのまま体現するような作品が『WALKING ON THE LITTLE CLOUD』で、さらに同じように曲として素晴らしい MEXICO 『PARK AVENUE』、 kaito 『Special Life』という傑作も発表されていて、自分の中で非常に新しく感じたものでした。

まぁそんな思い出があるもので、今作のファンキーなデトロイト路線ってちょっと違うかなぁ。ヨーロッパのデトロイト・フォロワーに多い洗練された部分を保ちつつ、しかし多くのフォロワーが見落としがちなリズムの粘りもあって、すごく見事な作品だとは思うんだけど、ん~、やっぱ自分の勝手な思い入れですかね。これで思いっきりメロディに寄った曲が2、3曲入っていれば、また印象が全然違ったような気はするんだけど。

試聴
Soul Designer - Evolutionism
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Eccy / FLOATING LIKE INCENSE (SLYE) 2CD

Eccy / FLOATING LIKE INCENSE (SLYE)
http://eccy.blog96.fc2.com/

これは出たのは2007年だけど、聴いたのは2008年なアルバム。 shing02 が参加したミニ・アルバムが話題になった Eccy のファースト・フル。

私が日本のトラック・メイカーを気にしていた時期って、わりとアブストラクトやエレクトロニカとの交配が盛んだったので、それらと比べるとずいぶん直球のヒップ・ホップだなぁという感じ。ではそれが良くないのかというとそんなことも無く、逆に他の方向性に行きそうで、でもやっぱりヒップ・ホップなのが面白い。あとアブストラクトみたいにベース中心でグルーヴを作らずに、ドラムを中心に組み立てているので、重すぎず聴きやすいのも良い。
参加している MC も、変に有名どころを起用することなく、自分の周りの人たちをフック・アップしてるのも好感が持てるし、実際みんないい仕事してる。まぁ難をいうと、清野栄一とかいう人のしゃべりがナルシスティックで気持ち悪くて、さらにトラックがアルバムでも上位に入るカッコよさだけに、ものすごくもったいない気がする。

試聴
Eccy feat. オロカモノポテチ & サイプレス上野 - Floating LikeIncence
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capsule / MORE! MORE! MORE! (YAMAHA) CD

capsule / MORE! MORE! MORE! (YAMAHA)
http://www.capsule-web.com/

アルバムが出れば何だかんだで聴いてしまう capsule の約1年ぶりのアルバム。

とりあえず第一印象としては、音が軽くなりましたかね。まぁ実際前作『FLASH BACK』(過去記事)とちゃんと聞き比べれば、それほど音自体が軽くなってるわけではないのは分かるんだけど、1曲目のイントロに続いて流れる “more more more” の、あまりに80年代なシンセの印象に引っ張られちゃいますね。しかし、作品全体でいえば、その軽やかさを生かしたポップな内容かというとそんなことも無く、やっぱり今時なエレクトロな内容で、ちょっと自分の好みとは合わないですね。
あとこの人のポップ・センスというのは、確かに目を見張るものがあるのかもしれないけど、例えば Justice なんかと比べると、中田ヤスタカってディストーションかかった音作りがあまり上手くないように思うんだけど。その点も、このアルバムの質を下げている一因に思える。

試聴
capsule - MORE! MORE! MORE!

Access Denied / Animals In Space (KDB) mp3

Access Denied / Animals In Space (KDB)
http://www.myspace.com/kdbrecords

Andrey Mute と Pasha Joint の二人によるロシアのユニット Access Denied のシングル。

彼らに関しては調べてもあまり情報が出てこなかったので、詳しいことは分からなかったんだけど、まだそれ程キャリアのある人たちではないみたいですね。しかしこの作品はジャケット同様、非常にユーモアとアイデアに溢れた非常に面白い作品。

まず表題曲の “Animals In Space” は、非常に疾走感のある軽快なテック・ミニマル。わりとこの手の曲って、硬質にしてとにかく機能的な方向に持ってくことが多いように思うんだけど、ここでは動物の鳴き声などのサンプリングを色々盛り込んで、かなりユーモラスな雰囲気にはしてるんだけど、けっしてグルーヴがおろそかになっていないから機能的にも過不足無く、総体としては非常にカッコいいという、なかなかミニマルにはない感じの曲。

そしてそれは裏の “Tape Dance” に同様で、ここではさらにホーンやカントリーっぽい歌のサンプリングを乗せて、さらに賑々しくなっているんだけど、この曲に関してもやはりポップでありながらもテクノとしてのカッコよさというものが損なわれておらず、やはりこういうところに新世代らしいボーダレスな感覚が現れているようで面白い。

Kaiserdisco と Patrique による、それぞれの曲のリミックスも、原曲の機能性をさらに引き出していて文句なし。ちょっとこのユニットの今後の動きは注目しなければなるまい。

試聴
Access Denied - Animals In Space

Gaiser / Blank Fade (m_nus) mp3

Gaiser / Blank Fade (m_nus)
http://www.m-nus.com/

そういえばここ何週間くらい、 DrecomRSS に RSS が送信できていないみたいなんだけど、他の RSS リーダーはどうなんでしょうか。多分プラグインいじったのが原因だと思うんだけど、直し方がさっぱり分かりません。

今年はずいぶん積極的にアルバムを発表してきた m_nus ですが、 Jon Gaiser こと Gaiser の初アルバム。

m_nus のアーティストというと、 Richie Hawtin 直径のアシッド・ミニマルを作る人が多い印象があるんですが、この作品に関しては比較的アシッド成分は薄め。その代わり漆黒の闇に沈み込むようなディープ・ミニマルが多く、全体を通して相当地味ではあるんだけど、グルーヴにきちんと躍動感があるので機能性は高い。

まぁ言い換えると、家で聴くよりはクラブで爆音で聴いた方がいい作品ということになるんだけど、非常に高い完成度を有した作品です。

試聴
[Tracklist]

Underworld / The Bells! The Bells! (Traffic) CD

Underworld / The Bells! The Bells! (Traffic)
http://trafficjpn.com/underworld/

なんのかんので今年も残りわずかなので、紹介しそびれていた音盤を、簡単に紹介していきたいと思います。

今年の夏に出た、 Underworld の新曲とリミックスを収録した日本編集盤。

新曲の “Parc” は、形態こそ四つ打ちではあるものの、落ち着いた雰囲気と音の洗練具合は、もうほとんど AOR のよう。でも彼らの方向性としては案外悪くないんじゃないかしら。

残りのリミックス7曲は、大雑把に分けるとミニマルとエレクトロ。それなりに名の知れた人が揃っていて、まぁ流石というべきなのかもしれないけど、トラック自体はどれも可もなく不可もなく。そんな中にあって、 Switch が “Boy Boy Boy” を軽快なテックは・ハウスにリミックスしていて、フィジットの権化みたいに思ってた私からするとけっこうビックリ。さらにその音使いも、テクノ畑の人とは微妙に違っていてなかなか新鮮でした。

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V.A. / Kidz Rec. 01 A COMPILATION OF KIDZ RECORDS (Kidz Rec.) CD

V.A. / Kidz Rec. 01 A COMPILATION OF KIDZ RECORDS (Kidz Rec.)
http://www.kidzrec.com/

Ali 、 JUN 、 MAYU の3人組ユニット、 80kidz 主催のレーベル Kidz Rec. の初コンピ。

個人的に昔からエレクトロってそれほど好きな音ではないので、 80kidz も名前を知ってるくらいだったんだけど、このコンピには ecritslapin さんが、個人名義とユニット名義で計2曲提供してるっつうんで、これは買わねばと買ったブツ。

最近の日本のダンス・ミュージックってそれほど数を聴いていないんだけど、その中でも聴いてるのをあえて挙げれば、所謂 Rawlife 周辺の人が多いのですが、この作品を聴いて思ったのは、それらの作品とすごく印象が似てるんですね。つまりは、良い意味でみんなあっけらかんとポップ。今やロックにしてもヒップ・ホップにしても、そしてダンス・ミュージックにしても変なアンダーグラウンド志向がどんどん薄れていってるのは感じるけど、こういうの聴くとそれを改めて実感します。

まぁそれが作品の質と結びついているかというと、コンピの常でそこは玉石混同なんだけど、そんな中にあって、 Lapin さんの “Turn Into The Light” の華やかさと、 Scottish Fold の “Radio Symphony” の切なさは突出してますね。他にはフランス語っぽいムニョムニョしたラップが妙に耳に残る KinKieS (これも lapin さんのユニットですね)、一個一個のアイデアはシンプルながらそれを上手く組み立ててる ngtK. 、オリエンタルな旋律が美しい Dominika 辺りが良かったかしら。

あとエレクトロと一口にいっても、実際には色々なスタイルの曲が収められているのも良かったですね。こういうところはミニマルやダブ・ステップにも見習ってほしい気がするけど、まぁもともとポップとは相容れにくい音だからしょうがねぇのかなぁ。

因みに明日(日付的には今日)リリース・パーティーがあるそうなので、気になった方は是非(私は体調不良で行けませんけど)。

試聴
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KAT-TUN / White X’mas (J-ONE) CD+DVD

KAT-TUN / White X'mas (J-ONE)KAT-TUN / White X'mas (J-ONE)
http://www.j-storm.co.jp/kattun/

今年の6月にアルバムを出して以降、ライヴ以外たいした動きのなかった KAT-TUN なんですけれども、その6月からっていいますと、嵐が去年からの勢いそのままに、さらに躍進を決定付けた時期でもあるわけで、下手したらこのまま KAT-TUN の存在感など吹き飛んでしまうのではないかと心配していたわけですが、冬になって唐突に発表されたこの KAT-TUN の8枚目のシングルを聴いていると、いやぁ~、さらに心配になってきちゃいますね。

曲の方はタイトルどおり、どこからどう切ってもクリスマス・ソングといった感じではあるんだけど、非常にメロディの美しい、もう名曲といってしまってもいいくらいの曲。でも肝心要の KAT-TUN の歌が、あまりにも歌唱力不足で、もう足を引っ張りまくってるといいますか、全然歌の世界に入り込めないのよね。まぁ今までの曲も、別段歌唱力で聴かせるといった類のものではなかったけれども、この曲に関しては、明らかに準備不足、練習不足なんじゃないのかなぁ。それとこれは毎度のことではあるんだけれども、歌唱力に結構なバラつきがあるのに、律儀に全員にソロで歌わせる必要ないと思うんだけどなぁ。
あとついでに書くと、ダサいクセして妙にチキチキうるさいハットの音も気になります。

比較的なんでも器用にこなすジャニーズ事務所にあって、 KAT-TUN がバラエティ全然ダメなのは「cartoon KAT-TUN」を見ていれば分かることだし(まぁそれでも毎週見てるんだけど)、演技の方も、頼みの綱の亀梨君は、同世代の山下君のスター性に比べると、吹けば消えてしまいそうだし。ってなると、やはりここは是非とも音楽で頑張ってほしいんだけど、その結果がコレじゃぁ、来年以降大丈夫なのかしら、なんて心配になってしまうわけです。さらにこの前のアルバムが、かなりの傑作だっただけに、この展開(発表も唐突だしタイアップないし限定だし)は非常にもったいない気がする。

まぁ来年の2月には早くも次のシングルが出るらしいので、そっちの方での巻き返しを是非期待したいところです。っていうか、中丸君のドラマの主題歌は KAT-TUN じゃないの?

Deadlock / Manifesto (LIFEFORCE) mp3

Deadlock / Manifesto (LIFEFORCE)
http://www.lifeforcerecords.com/

私が熱心に聴いていたころのメタルって、まだまだ閉鎖的な感じが強かったと思うんだけど、今はもう開放的に、他のジャンルの音を取り入れるのも普通なんですかね。

というのも、ドイツのデス・メタル・バンド Deadlock の4枚目のアルバムであるこの『Manifesto』なんですけれども、1曲目がいきなりハード・ハウスっぽい四つ打ちで、そのまま2曲目の “Martyr To Science” に雪崩れ込んでいく展開だったりとか、かと思えば “Deathrace” では、ブラスト・ビートで押しまくる前半から一転、後半ではいきなりラップが入ってきたりとかするんですね。

まぁ目立った要素といえばその二つくらいなので、この Deadlock がことさらモダンな要素を取り入れようとしているバンドだとは思わないんだけど、しかしそういった要素をバンドの音に反映できるということは、メタルに拘らずにダンス・ミュージックを聴く耳を持っているのは間違いないわけで、スタイルこそわりと正統派のメロディック・デス・メタルながら、彼らの音にはきちんとした現代性を感じる。

さらには低音を思いっきりカットした音作りは、普通のデス・メタルではありえないくらいクリアで、さらにデス声とはまた別に入る女性ヴォーカルが歌うメロディが非常にポップで、それこそ Evanescence みたいに普通に FM とかでかかってもおかしくないレベル。その一方で、喚いたり怒号をあげたり、様々なタイプのデス声を使い分ける男声ヴォーカリストが激しさを演出していて、デス・メタルとしても非常にカッコいい。
つまりはポップな面と、激しいメタルの部分を無理なく同居させているわけで、さらにその音を感情的にではなく、身体的に鳴らしているのも非常に現代的に思え、機能性という面では、ここ最近聴いた音の中でも群を抜いている。

私は今作でこのバンドのことをはじめて知ったので、どれくらいの人気があるのか知らないんだけど、これは広く聴かれるべき音なんじゃないですかね。いい意味で、現代最高の産業ロックじゃないかしら。

Deadlock - Manifesto
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Âme / Fabric 42 (Fabric) mp3

Âme / Fabric 42 (Fabric)
http://www.fabriclondon.com/label/home.php

被り物ジャケの次は風景のジャケが続いている Fabric の42番は Âme 。
彼らが “rej” のヒットの後、一発屋で終わらずにいる一因として、DJの高評価があるのは間違いないと思うんですが、私は生でもCDでもそのミックスを聴いたことがなかったので、密かに楽しみにしていたのですが、これは期待に違わぬ良作ですね。

わりとディスコ・ダブっぽい Linkwood の “Hear The Sun ” で始まって、以降もその雰囲気を保ったまま、特にコレといった盛り上がりもないまま進むので、正直かなり地味な印象は受けるんだけど、次第にそのサイケデリックなグルーヴが体に染み込んできて、自然と体が動いてしまう。

その後はデトロイトっぽいトラックを繋いで、それなりに盛り上がりを演出するものの、それほど分かりやすい感じもなく、総体でいえばやはり地味なミックスだと思う。でもその分何度でも聴ける普遍性と、でもしっかりと時代性も盛り込まれていて、ちょっと自分の中の Âme の評価が変わりましたね。
ちょっとこれは生で聴いてみたい。

試聴
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Skream / Watch The Ride (Harmless) mp3

Skream / Watch The Ride (Harmless)
http://www.harmlessrecordings.co.uk/

この Harmless というレーベルははじめて聴くんですけれども、そこのミックス・シリーズである『Watch The Ride』を Skream が担当した盤。

ダブ・ステップのミックスの流儀って、どんなものが主流なのかまだよく分からないんだけど、今作でもカットイン、もしくは曲のケツと頭を少し繋ぐだけみたいなミックスが多いので、ミニマルのロング・ミックスに慣れている身としては、多少物足りなさを感じるのも事実。しかし今作での、固いドラムを中心にグイグイと引っ張っていく構成は非常に力強く、弥が上にもこちらの体が動いてしまう。中でも光っているのが自身の『Skreamizm Vol. 5』(過去記事)からの曲で、また、単体ではそれほど良いと思わなかった Benga の『BENGA』(過去記事)からの曲も、ここでは見事に違った魅力を放っていて、DJミックスの魅力を改めて感じる。

今まで聴いたことのあるダブ・ステップのミックスでは、一番肌に合う盤ですね。

試聴
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Skream / Skreamizm Vol. 5 (TEMPA) mp3

Skream / Skreamizm Vol. 5 (TEMPA)
http://www.tempa.co.uk/

Skream のシングルというかミニ・アルバムというかアルバムというか、まぁそんな感じのシリーズの第5弾。なぜかいつものイラストジャケットじゃなくピースサイン。それだけ自信作ということでしょうか。さらにアナログでは、6曲入りなのに3枚組み。つまり片面1曲ずつ(曲長くても6分なのに)。もうこういうアホは大好きです。

そしてそんな仕様に負けず劣らず中身も充実している。2006年に出たデビューアルバムに関しては(過去記事)、ちょっとルーツ・レゲエ寄りすぎてそれほど良いとは思わなかったんだけど、今作は様々なタイプの曲が収められていながらも、どれもが素晴らしくダンサブル。中でも失踪感を持ったままドラムが跳ね回る “If You Know” と “One For The Heads Who Remember” 、まるで2ステップのような “Rimz” などは、自分の中の Skream の印象からするとかなり意外ながらも、体が動かずにはいられないカッコよさだし、残りの曲も、それほど意外性はなかったものの、完成度は文句なし。

この調子で、そろそろアルバムなんかも聴かせてほしいところです。

試聴

Martinez / Organic Theme EP (LOMIDHIGH ORGANIC) mp3

Martinez / Organic Theme EP (LOMIDHIGH ORGANIC)

OUT OF ORBIT 主宰の Martinez さんの長尺曲4曲収録したダブル・パック。

私はこの人12インチ1枚聴いたことあるくらいなんだけど(実は去年買ったアルバムも持ってるんだけど、未だに聴いていないという・・・)、そのときは、わりとトランス/プログレッシブ・ハウスよりのミニマルという印象だったんだけど、今作はタイトル曲と残しの曲で雰囲気が違いますね。

とりあえず今作で出色の出来なのがタイトル曲の1曲目。始まりこそ静かな印象を受けるトラックながら、微細な変化を繰り返しながら、徐々に甘美な空気をまとっていくディープ・ハウス。15分という長さながら、全く飽きさせません。少し NAKED MUSIC に近いエロさを感じます。

残りの3曲も、基本長尺曲ばかりながら、スカスカのリズムとパーカッションの組み合わせのディープ・ミニマルで、これ単体で聴かせるというよりは、ミックスされて真価を発揮するような感じの曲。まぁ単体で聴いても全然悪くないんだけど。

Martinez - Organic Theme

Hatcha vs Kromestar / Brothers Grim (Eight: Fx) mp3

Hatcha vs Kromestar / Brothers Grim (Eight: Fx)
http://www.aphexrecordings.co.uk/

もう気がつけば今年も残り半月足らずですね。紹介しそびれている音盤をどれだけ消化できるかなぁ。

ダブ・ステップってまだまだアーティスト名とかレーベル名を全然覚えられてないんだけど、これもレーベル、アーティスト共にはじめて聞く名前。とはいってもまだリリースは10数枚のレーベルのようだけど、そこの所属アーティスト二人による共作アルバム。

クラブ・ミュージックのアーティストの多くがそうであるように、ダブ・ステップのアーティストもアルバムとなると色々なタイプの曲を収めたがる人が多いように思いますが、今作はどれも比較的直球のダブ・ステップ。跳ねるドラムとうなるベースが強靭なグルーヴを作り上げている曲ばかりで、これといって特別なものは見受けられないんだけど、その代わり基礎体力の高さが窺える。

まぁ機能的な分、家聞きにはあまり適してないようにも思うけど、爆音で聴いたら相当気持ちいいのではなかろうか。

試聴

SPEED / あしたの空 (AVEX) CD+DVD

SPEED / あしたの空 (AVEX)
http://www.avexnet.or.jp/speed/

3回目の再結成となる SPEED の第1弾シングル。
彼女たちの復活のお披露目となった24時間テレビのライヴでは、予想していたよりもずっと声が出てたし、2003年の2回目の再結成の時のアルバムも良かったので、内心けっこう期待してたんだけど、これはちょっとイマイチですね。

ある意味自分たちの若さを暴走させていたような1枚目のアルバムの時であったり、過渡期的な印象だった2枚目の時であったり、彼女たちの作品には常に SPEED の心情が投影されていた(もしくはそのように聴こえる)ものばかりだったと思うんですよね。だからこそ、現実の困難を知ったがゆえの倦怠感に満ちた3枚目、そして様々な現実を柔らかく包み込めるようにまで成長した4枚目は、非常に説得力のある作品でした。

でもこのシングルは、単なる過去の焼き直しにしかなっていなくて、彼女のたちの生長した姿も、ましてや今回の再結成の理由さえもよく分からないのですよ。こうなってくると、過去の代表曲を同じアレンジでメドレーにした3曲目も、後ろ向きにしか見えない。

まぁ曲自体は特に悪いとも思わないし、まだまだシングル1枚目なんでなんともいえない部分はあるんだけど、ちょっと今回の再結成は先行き不安だなぁ。

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Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT) mp3

Luciano & Mirko Loco / Family EP (DESOLAT)
http://www.desolat.com/

5番の Jay Haze (過去記事)から間髪いれずリリースされた6番は、 Luciano と元 LAZY FAT PEOPLE の Mirko Loco による共作。Luciano って CADENZA 立ち上げたばかりの頃は、出す曲ほとんどが誰かとの共作だったけど、何気に久しぶりですね。

Lucianot というと、何度も書くが transmat のコンピ『TIME:SPACE_02』に Lucien Nicolet 名義で参加していたような人で、方や LAZY FAT PEOPLE は Plane E からシングルを出している人達なので、この二組の相性が悪いはずもなく、当然のようにこのシングルも素晴らしい。

1曲目の “Serena” は、初期の Luciano に近いトラックで、繊細な上モノが幾重にも重なって美しさを奏でるディープ・ミニマル。しかし変則的なリズムの多く、ややリスニング向けだった初期 Luciano に比べ、しっかりとしたダンス・グルーヴを持っているのは流石。
続く “Liah” も、大枠では “Serena” と同系統の曲ながら、リズムの強度を増すことにより、また違った表情を見せいている。
3曲目のトライバルな “Mousa Big Band” はややありきたりかなという気もするんだけど、他の2曲が素晴らしいので全く問題ない。やっぱり現在のミニマルにおいて、 Luciano の才能が頭一つ抜きん出ている事を実感するシングルです。

試聴

Jay Haze / Mama Coca (Desolat) mp3

Jay Haze / Mama Coca (Desolat)
http://www.desolat.com/

WordPress を 2.7 にしたんですが、タグ管理用に入れていた「Advanced Tag Entry」というプラグインと相性が悪いのか、タグ管理の部分が記事投稿ページの一番上にきちゃってすげぇ邪魔なんだよね。だからプラグイン止めちゃったんだけど大丈夫かなぁ。表示部分にかかわるプラグインではないと思うんで、多分問題ないとは思うんだけど、やはり今まで使っていたプラグインを使わなくなるのってすごく不安です。

第一弾シングルが dubfire だったり、3番では Moritz Von Oswald を引っ張り出したり(過去記事)と、毎度豪華かつ外れのない人選の、 Loco Dice と Martin Buttrich 主宰 のレーベル Desolat ですが、今回はちょっと意外な Jay Haze 。

Jay Haze ってねっとりとしたグルーヴと、捻くれたポップ感覚を持ったミニマル・ハウスを作ることの多い人ですが、今作はすっきりとしたリズムにパーカッション、そしてその上に物悲しげなオリエンタルなメロディが乗るという、ものすごく今っぽいトラック。
いや、確かにコレはコレでいい曲だと思うし、なかなか器用だなとも思うんだけど、何も Jay Haze までこんなのに手を染めなくっても、っていう気はどうしてもしてしまう。
それに比べると、こういう路線で大人気の SIS によるリミックスは、原曲をさらに幻想的に仕上げていて、さすが堂に入っている。

試聴
Jay Haze - Mama Coca - EP

嵐 / Beautiful days (J Storm) CD+DVD

嵐 / Beautiful days (J Storm)嵐 / Beautiful days (J Storm)
http://www.j-storm.co.jp/arashi/

先頃オリコンの年間シングルランキングが発表されましたが、いやはや、ある程度予想していたとはいえ、嵐は躍進目覚しいですね。今年出したシングル4枚中3枚が10位以内で、一番低い『Step and Go』(過去記事)でも12位だもんね。お見事です。

んで、その年間ランキングでは10位の、嵐24枚目のシングル。

最初ドラマで聞いたときは、ずいぶんと地味な曲だなと思ったんだけど、CDで聴いてもやっぱり地味な曲ですね。
前作『truth』(過去記事)が新機軸ともいえる素晴らしさを放っていただけに、この展開はちょっともったいないのでは、とも思うんだけど、こういうさりげない曲を、きちんと魅力的に聴かせる事が出来るのが、現在の嵐の素晴らしさの一つだとも思うので、なんだかんだでやっぱり好きです。まぁ良い曲だしね。
あとカップリングの “僕が僕のすべて” 共々タイアップがついていますが、両曲ともドラマであったりCMであったりの内容を受けた歌詞になっているのも、適当なタイアップが多い中、評価したいなと。

Lil’諭吉 / Supa Hypa Ultra Fres$shhh

Lil'諭吉 / Supa Hypa Ultra Fres$shhh
http://www.myspace.com/lil39yukichi

アニメ・ソングをバックにラップをするらっぷびと(過去記事)が、日本のヒップ・ホップに与えた影響というのは、シーンの外側にいる私にはよく分からないんだけど、この Lil’諭吉のミックステープ(というかマッシュアップ)もらっぷびと以降というか、非常に今っぽい。

このアルバムのデザインからは南部のヒップ・ホップ好きなところが、そして彼の着ているTシャツからはアニメ好きな部分が主張されているけれども、内容の方も簡単にいえばその二つのミックス。

しかしここで面白いと思うのは、らっぷびとの音楽の全てが非常に日本的だったのと比べ、 Lil’諭吉は日本のヒップ・ホップのノリとはかけ離れた南部のヒップ・ホップの世界に、日本のアニメを溶け込ませているわけで、この二つの躁的な部分をつなぎ合わせたアイデアはなかなか面白い。
まぁ個人的な趣味からすると、 LIL’JON 以降のヒップ・ホップって、上モノばっかり派手で低音が薄いのが多いので好きじゃないんだけど、そんな私でも意外に楽しめました。なかでもらっぷびともネタにしていた曲(涼宮ハルヒの曲なのかな?)の上に SOULJA BOY のラップが乗る “Crank Dat でしょでしょ?” や、 SNOOP DOGG の “Sexual Eruption” にちょうしっぱずれなアニメの歌をミックスした “Sexual Go!!” などは特に面白い。

それにしてもこういう人が色々出てくるということは、今の日本のヒップ・ホップって私が思っている以上に自由な空気なんですかね。新しい地殻変動はもうすぐということかしら。

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