Ben Klock / BEFORE ONE EP (OSTGUT TON) mp3

Ben Klock / BEFORE ONE EP (OSTGUT TON)
http://www.ostgut.de/ton/

90年代末から活動し、 BPitch Control なんかからもリリースしている Ben Klock の、先頃出たファースト・アルバムからのシングル・カット。

この Ben Klock という人のの音を聴くのは初めてなんだけど、このシングルを聴く限り、けっこうな変り種ですね。

深いキックの上にデトロイトっぽい上モノが乗る “Subzero” なんかは、フロアで機能するテック・ミニマルとして申し分のない出来なんだけど、残りの3曲に関しては、普通のアーティストだったらシングルには入れなさそうな曲ばかり。

くぐもったキックの音、そしてストリングスとハンドクラップでスカスカなグルーヴを作り出す “Napoleon Hill” 、ポツポツと鳴るキックの上で単音のメロディが反響しあっているような “Before One” 、メロディが洪水のようにおそってくるビートレスの “Init Two” と、実験的とは言い過ぎにしても、どれも面白い曲ばかりで、そこに単なるDJツールに収まらないこだわりを感じるし、またそれと同時にミックス次第で輝かせられる機能性も持ち合わせていて、そこに男気を感じます。

これはアルバムが楽しみだ。

試聴

Anthony Rother / “When The Sun Goes Down” Underground Resistance Remixes (DATAPUNK) mp3

Anthony Rother /
http://www.datapunk.de/

Anthony Rother といえば、最近は COCOON の首領である Sven Väth と一緒によく名前を目にするお人ですが、彼自身も10年以上エレクトロを中心に活動しているアーティストで、今作は彼の作品をデトロイトの UR がリミックスしたもの。

Anthony Rither と UR のつながりが一体どういうものなのか分からないけれど、今作は UR のテクノ路線を支持している人間ならば快哉を叫びたくなるような、王道のデトロイト・テクノ。

まず2種類収められたうちの “Ain’t No Sunshine Remix” は、浮遊感のあるシンセで焦らしておいて、中盤から柔らかなキックが入ってくる美しいトラックで、わりとヨーロッパのデトロイト・フォロワーに近い感じ。

一方”Flash Light Remix” の方は、冒頭から鳴る扇情的なシンセとストリングス、そしてファンキーなリズムと、どこからどう聴いてUR としかいえないようなコズミック・ファンク。正直伝統芸能にも近い感じがなくもないんだけど、迷いなくこの音を鳴らされたら私は逆らえません。

これは現在製作中だという噂の Galaxy 2 Galaxy のアルバムも期待できるのではなかろうか。

Anthony Rother - When the Sun Goes Down (UR Remixes) - Single