活動歴20年を超えるベテラン、Thomas Fehlmann の KOMPAKT からは2枚目となるアルバム。
この人が KOMPAKT から出すようになってからの作風は基本ミニマル・ダブなんだけど(それ以前は知りません)、ミニマル・ダブのアーティストのほとんどが冷たい印象の音を作るのに対して、 Thomas Fehlmann の音は非常に柔らかく、温かみのあるものが多い。
そしてその音は今作でいっそうの冴えをみせていて、冒頭で雄大で広がりのある音空間を聴かせる”Strahlensatz” で、その世界にいきなり引き込まれる。それ以降も浮遊感のある音響空間で漂っているような気分にさせてくれるものばかりで、こう書くとあまり良く思われないかもしれないけど、ひたすらぬるま湯につかっているような心地よさがある。
ミニマル・ダブにしては珍しく、春とかに野外で聴いてみたい音なんじゃないでしょうか。