Chris Liebing / techno division Vol.4 (V2 records) 2CD

Chris Liebing / techno division Vol.4 (V2 records)

先頃ワイアーで来日したばかりのクリス・リービングの最新ミックスCD。昨年出た『evolution』は個人的にハード・ミニマルではサージョンの『Force+Form』以来の傑作だと思っていたので期待していたのですが。
最近パスカル.F.E.O.Sファンク・ド・ヴォイドなどテクノ畑の人たちがミニマル・ハウスを取り入れたミックスCDを出す事が増えてきたけど、これはもう一歩踏み込んでほとんどの曲がミニマル/クリック・ハウスから選ばれてる。しかしそこは流石というか聴いた印象はまったくもってハード・ミニマルで激ハードです。クリック系は地味でどうも・・、という人にもお勧め。もう一方のCD2はわりとアッパーなハード・ミニマル。これ持ってるだけで地味なの聴きたい時も派手なの聴きたい時もOKなのでいい感じです。

試聴
『evolution』を iTunes Music Store で購入する→ Evolution CD01 Album

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND (COLOMBIA MUSIC ENTERTAIMENT)CD

straight from the underground
http://www.nitrich.com/
 
私は『NITRICH』で「ん?」となり”BIG BANGZ”で「おっ」って感じで、『UPRISING』で「はぁ~」とため息がでた人なのであんまり期待してなかったのだけれど、これは良いじゃないですか。彼等は前作からの3年間、メンバー間の交流や絡みはあったものの、基本的にグループとしては沈黙しソロ活動に専念することで結果的にビグザム以外の7人がソロ・アルバムを出しているという(と思うんだけど。調べたわけじゃないんで)驚異のソロ・マイカーの集まりとなったわけですよね。で、音源を出すにあたって前作のアンダーグラウンド色を踏まえつつ、彼等への待望論も交えて重厚感のあるものを出す、というような方向性を私は期待していたのだけれど彼等は現在の上昇気流と勢いを封じ込める方向性を選んだようで、その結果が限定シングルの『NITRICH』とミニ・アルバムの『UPRISING』で、確かに勢いは感じられるけどその分粗さも目立つなぁ、というのが私の感想でした。ビグザムやゴア・テックス、デリみたいな野獣系(失礼)の人たちが大活躍だったのも苦手だったし。
 
で前置きが長くなったけど今作ですよ。割とドープな感じのトラックの多かった前作に比べ、バウンスっぽい曲がほとんどを占めアンダーーグラウンド色はほぼ皆無。しかし前作にあって前述の2作からはあまり感じられなかった彼等特有の妙ちくりんなユーモアが復活しててかなりうれしい。それに『UPRISING』って各曲の参加人数が少なくて面白くなかったのだけれど、今作は全員参加の曲も多く、結果「おれが、おれが」みたいな感じで各MCが前に出ていてこちらの方がよっぽど勢いを感じます。特にXBSが早口ラップをかます(!!)お祭りバウンス”たてめえん”なんて最高です。
しかし今作にフィーチャリングされてる人をみると、ニトロって意外とオールドスクールなのが分かりますね。それとビグザムの韻の踏まなさは逆にすごい気がする・・・・。

[Tracklist]

CD3枚

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND/STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND
BUMP OF CHICKEN/ユグドラシル
bjork/medulla

たまにこうやって日本盤でまとめて買うと、あまりの高さにびっくりしますね。

V.A/newdays(sud)12′

newdays
http://www.sudelectronic.com/

カラットからの12インチに続くポータブルことアラン・エイブラハムの新作は、自身のレーベルからのシングル・コンピ。
面子はポータブルに新鋭アキコ・キヤマ、そして!”@.*!%(レーベル名です)から12インチを出してるミロス、そしてsudからのコンピ『what was it like before i got into electricity?』にも参加していたランプ。ミロスとキヤマさんに関してはあまり音源を聴いた事がないのだけれどポータブルに近いドープな感じ。特にミロスのは蚊の飛んでる音を淡々と聴かされているようで、気持ち悪いような気持ちいいような・・・。ランプは相変わらず一人ひょうひょうとしております。

Kosmic Renaissance / LIVE AT NAMBA HATCH OSAKA,JAPAN(E22)CD

live at namba hatch
www.e22.com
 
名前自体はよく聞くものの作品のリリースがないシンゴ先生の新バンドのライブ盤。サックスのデヴィッド・ボイスにドラムのサミア・グプタ、そしてシンゴ2という編成。しかしシンゴ2はラップではなく、自身の開発したフェーダー・ボードを操るのみ。実は私シンゴ2ってあんまり好きじゃないんだけどこれは中々かっちょいい。まずドラムの音が硬くってかなり気持ちイイ。しかも手数が多いもんだからどんどん引き込まれる。シンゴ2のフェーダー・ボードは、外見は知ってるもののどんな音を出すのか知らないんだけど、妙ちきりんな電子音を発して場を混沌で彩っていく。この2人に比べるとサックスの人はちょい影が薄い。でもこれでサックスがなかったらカオティック過ぎるかな。とりあえずフリー・ジャズではかなり面白い部類に入ると思います。個人的にはデートうんちゃらかんちゃらよりもよっぽど好き。

SAMUEL L SESSION/NOCTURNAL(SLS)2LP

SAMUEL L SESSION
http://www.samuellsession.com/
 
この人も意外にキャリア長いですよね。ハード・ミニマルの世界では常に高い人気を誇っている人だけど、私はなぜかタイミング悪くほとんど聴いた事ないんですよね。しかし唯一持っているSamuel’s Bongo Squad名義でのシングルがデトロイティッシュなテック・ハウスでお気に入りだったのだけれど、今回はいつもどおりのトライバルなハード・ミニマル。安易な太鼓使いに走らずにベースのうねりでトライバルな感じを出してるとこなんかは流石。しかもアゲアゲじゃなくスピリチュアルな雰囲気さえ湛えているのもいい。でもちょっと曲が短すぎないでしょうか。この手のアルバムで各曲5分位ってどうもなぁ。普通にこの倍はあってもいいと思うんだけど。あとしょうがないけど新味も薄いかな。個人的にはヘヴィなベースの上でエレピが踊る”IT’S SO EASY”のような曲を期待したい。この人意外に生楽器と合わせても良いかもね。