James T. Cotton / Like No One (Spectral) 2LP

James T. Cotton / Like No One (Spectral)
http://ghostly.com/releases#Spectral

Dabrye の名義で知られる Tadd Mullinix の別名義、 James T. Cotton が2008年にアナログとデジタルのみで発表したセカンド・アルバム。

James T. Cotton というのは彼がアシッド・ハウスをやるときの名義なので、今作も当然のようにアシッド・ハウス。しかも1曲目の “The Second Night Cycle (Featuring Ellis Monk)” のうにょうにょする 303 の音とか、けっこうモロな感じではあるんだけど、音の質感的にはミニマル以降の感覚があるので、単なる懐古的な作品にはなっておらず、温故知新的な面白さがある。

Like No One - James T. Cotton

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BRUCE COCKBURN / SLICE O LIFE (ROUNDER) 2CD

BRUCE COCKBURN / SLICE O LIFE (ROUNDER)
http://brucecockburn.com/

今日はぶっちゃけやる気が全然でないので、あえて変化球でいってみる。
っつうことで、キャリア40年以上のカナダのシンガー・ソングライター Bruce Cocburn が2009年に出した2枚組みのライブ盤。

今作は2008年のライブを音源化したもので、アコギによる弾き語り。曲自体はフォークの範疇に入るものがほとんどで、奇をてらった感じは全くないんだけど、だからこそキャリアに裏打ちされた、シンプルでありながら鮮やかな歌と演奏は実に味わい深い。またこの人はギターに関しても非常に評価が高く、今作でも歌と同等か、それ以上に雄弁に情景を描くので、アコギ一本だからと物足りなさを全く感じないのもよい。
久しぶりに聴いたけどやっぱり傑作。

ちなみにこの後2011年に『Small Source of Comfort』というアルバムを出しているみたいなんだけど、全然知らなかった・・・。

Slice O' Life - Solo Live (iTunes Exclusive) - Bruce Cockburn

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Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment) mp3

Albert van Abbe / No Comment_0007 (No Comment)
http://www.albertvanabbe.nl/

オランダのプロデューサー Albert van Abbe が2013年に発表したシングル。

私はこの人の名前を今作ではじめて知ったのだけれど、2011年から自身のレーベルである No Comment から作品を発表していて、2012年に Last Foundation からアルバム、そして最近 Curle Recordings からシングルを出している以外は、 No Comment からのリリースしかないみたい。
つまりまだそれほど作品の数が多い人ではないのだが、このレーベルからのシングルに参加したリミキサーの人選(Sleeparchive、Convextion、Conforce、Abdulla Rashim)を見れば大体想像がつくように、モノトーンなミニマル・テクノ。

重量感と同時に性急さも感じさせるキックの上にノイズが乗るだけの序盤から、パーカッションにハイハット、そして波紋のように連なる事なく鳴っては消える上モノと、音数は徐々に増えていくものの、それほど熱量はなく終始淡々としているので非常に地味。ただそれと同時に、鳴っている音自体は攻撃的で荒々しく、またよく練られたダンス・グルーヴを有しているので機能的という、相反するような要素をさらりと同居させていて面白い。

2曲目の Mohlao によるリミックスは激しいリズムのミニマル・ダブ。キックだけに頼らずベースを絡めながらリズムを作り出していて、こちらもかっこいい。

ちょっとこの人の動きはこれからも注視して生きた。

ちなみに3曲目は先のアルバムの再録みたい。

視聴

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ノースリーブス / キリギリス人 (Epic) CD

ノースリーブス / キリギリス人 (Epic)
http://www.no3b.net/

AKB48 の小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみの3人によるユニット、ノースリーブスが2013年1月発表した9枚目のシングル。
AKB に関しては、最近では本体もろくに追いかけられてない状況なので、派生ユニットやソロなんてとても追いかける気にならないという感じだったんだけど、びびんばさんがブログに、初回盤に入っているソロ曲は石野卓球、小室哲哉、川本真琴がそれぞれ作曲していると書いていたので、さすがに気になって聴いてみた。
まぁレンタルで初回盤も置いているかと思ったらなかったので、結局通常盤しか聴いてないんだけど(さすがに買う気にはなれなかった)。

今回ソロ曲に豪華な作家を並べていますが、タイトル曲には旬な作曲家といっていいんでしょう、昨年末の紅白で一気に知名度を上げたゴールデンボンバーの鬼龍院翔が作曲しています。私はゴールデンボンバーをまともに聴いた事がないので、今作がいつもの作風と比べてどうなのかというのは判断できないんだけど、いつもの AKB のシングルの完成度を基準としたとしても、これはイマイチと書かざるを得ないですかね。
冒頭から鳴るブラストともに突っ走る歌謡ロックで、すごく勢いがあるのはいいんだけど、逆に書くと勢い以外に何もない曲。こういうのはロック・バンドとかがやる分にはいいのかもしれないけど、アイドルが歌うには不向きだろう。あとのっぺりとしたドラムがすさまじくダサい。

それよりは、今がよければそれでいい、という内容の歌詞を、今の AKB のメンバーが歌う事の意味とかを考えたほうが面白いかも。

カップリングは可もなく不可もなく。

キリギリス人 - EP - ノースリーブス

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AKB48 チームサプライズ / お手上げララバイ (AKS) CD

AKB48 チームサプライズ / お手上げララバイ (AKS)
http://akb48-surprise.jp/

最初は何がなんだか分からなかった AKB なんですが、気がつけばそれなりにメンバーの顔と名前が一致するようになってきていて(テレビでよく見るメンバーだけだけど)、そうなってくると好きなメンバー、所謂推しメンってやつも出来てきていて。それはちょっと前なら小嶋陽菜って答えていたんですが(そもそも聞かれた事ほとんどないけど)、最近では高橋みなみの名前を挙げるようにしています。

彼女に関しては数年前にみた AKB のドキュメンタリーでのリーダーっぷりが印象的だった、っていうのもあるんですが、それ以上にノースリーブスのアルバムを聴いたときに、その歌唱がなかなか堂に入っていて感心したというのが大きくて、さらに書けば基本的に AKB の音楽面にしか興味のない自分としては、歌唱力もあって、声もよく通る強いものを持っている彼女がセンターになってほしい、とか思ってたりします。

っつうことで前置きが長くなりましたが、パチンコと連動した AKB 内企画ユニット、AKB48 チームサプライズが2012年に出したシングル。
このチームサプライズってやつは毎回メンバーを変えて12週連続でシングルを出していたんですが、その8週目が高橋みなみのソロだったのでけっこう期待していたんですが、これはちょっときつかったですかねぇ。

曲に関しては憂いを帯びた歌謡テイストの強いダンスポップで全然悪くないんだけど、高橋みなみの歌唱が思いのほか不安定なのよね。これは元々彼女の歌唱力を私が過大評価してたからなのか、今回たまたまなのかはこのシングル聴くだけでは判断できないんだけど、中途半端に歌えている分、よれてる箇所が変に目立っているのも辛い。声を過剰に重ねたり加工したりしないで、直球の歌を聴かせているのは評価したいんだけれども・・・。

まぁ色々書きつつも、今度出るソロ・シングルの “Jane Doe” も聴くと思うけど。

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SCARS / THE EP (LEGENDARY) CD

SCARS / THE EP (LEGENDARY)

んで、 SEEDA 擁する SCARS が2010年末に出したミニアルバム。

この時期はメンバーの何人かが刑務所に入っていたり、かと思えば残りのメンバーは不仲だったりと、ほとんどグループの体をなしていなかったので、なんでそんなときに出したのかよく分からないんだけど(これも裁判費稼ぐためだったんだっけ?)、内容の方も周辺ラッパーが何人も参加した、ほぼコンピレーションに近いものになっている。

各曲の方構成的にもかなりとっちらかったものになっていて、中でも TOM HUDSON がプロデュースした2曲はアッパーな四つ打ちはかなり意外。
しかしそれに見合った面白味があるかというとそんなこともなく、今となっては SARU がフックアップされた作品、っていうくらいの聴き方しかできないかなぁ・・・。

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SEEDA/S.L.A.C.K./ZEEBRA / White Out… (CONCRETE GREEN) CD

SEEDA/S.L.A.C.K./ZEEBRA / White Out... (CONCRETE GREEN)

SEEDA が S.L.A.C.K. 、 ZEEBRA と組んで2010年末に出した限定シングル(なんだけどまだアマゾンで売ってるね・・・

タイトルや時期から分かるとおり今作はクリスマス・ソングで、 S.L.A.C.K. の手による、アンビエントっぽい上モノの、ほとんどリズムのないトラックが分かりにくいと、当時面子のわりにはあまり評判はよくなかった記憶があるんだけど、3人ともきちんとラップ自体にグルーヴがあるのでリズムに関しては特に気にならないし、普段テクノを聴くことの多い私には非常に耳なじみがよく、今聴いても好きな曲です。

まぁ今作に関しては、こんな綺麗なトラックの冒頭で「クリスマスビ~チッ」とか言ってしまう S.L.A.C.K. が最高なので、それだけで満足です。

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SEEDA / 瞬間 | IN THE MOMENT (EMI) CD

SEEDA / 瞬間 | IN THE MOMENT (EMI)
http://seeda.syncl.jp/

SEEDA が2011年9月に発表した9枚目のアルバム。

彼のアルバムに関してはタイミングが合わなくて、聴くの『街風』(過去記事)以来なんですが、今作はあの作品同様外部アピールの強い作品ですかね。

というのも女性ヴォーカルを招いた歌モノからハーコーなものまで、また海外のラッパーから若手ラッパーまで、ある意味ヒップホップの全てを放り込んだのではないかと思えるほど様々なタイプの曲が並んでいて、それを HirOshima の手によるハイファイなトラックでポップに聴かせるという、すごく野心的なつくりになっているから。

しかし HirOshima のトラックは完成度高い反面、猥雑さに欠けるので面白味が薄いし、そもそも SEEDA にあっているかというのも疑問。

ただ曲のスタイルに合わせて SEEDA のラップも様々なスタイルのものを楽しめるので、トラックに慣れてしまえばそれほど気にならないし、 “GIRLS” みたいな可愛い曲が意外に良かったりするので、なんだかんだで私は好きな作品だ。

瞬間 -IN THE MOMENT- - SEEDA

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Quali / Moonchild EP (Self Released) mp3

Quali / Moonchild EP

ウクライナのプロデューサー Quali によるビート・テープ。

どの曲も悲しい旋律を奏でるピアノが中心になっており、それをヒップホップのビートが支える、というシンプルなつくり。
しかも4曲で6分弱と非常に短い作品なので、あっという間に終わってしまうのだけれど、美しいピアノの旋律がそれぞれの曲で深い余韻を残すので、それが連なりとなり、作品全体を印象深いものにしている。

短いながらも充実した作品集。

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Flying96 & 07ch RECORDS / 07ch Mixtape Vol.01 Mixed By Carrec (07ch RECORDS) mp3

Flying96 & 07ch RECORDS / 07ch Mixtape Vol.01 Mixed By Carrec
http://07ch.jp/

東京のラッパー Flying96 の音源を中心とした 07ch RECORDS のショウケース的なミックステープ。
ミックスを担当しているのは CARREC という金沢の人で、私はほとんど聴いた事ないんだけど、けっこう注目のトラック・メイカー。そして Flying96 は以前フリーの EP を聴いた事があるんだけど、正直印象に残っていない(今作にも何曲か収録されてる)。

改めて聴いてみた Flying96 のラップは、語尾を強く吐き出す力強い語り口と抑揚の大きさが印象的で、2000年前半のアンダーグランド MC を思い起こさせる感じ。またベースよりもドラムを主体としたサンプリングによるトラックも、それは同様なんだけど、今作は多少靄がかった感じを漂わせながらも、基本的に明るい曲でまとめられているので聴きやすい。また巧みなスクラッチを交えながら、スパスパと曲が切り替わるのも子気味いい。

まぁショウケースとして考えると、参加曲の多い Flying96 が印象に残りやすいんだけど、彼の声が強い分、他に個性的な声のラッパーが参加しているのもメリハリが効いていてよかったです。

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Wynter Gordon / Human Condition Pt 2: Sanguine (Self Released) mp3

Wynter Gordon / Human Condition Pt 2: Sanguine
http://wyntergordon.bandpage.com/

ニューヨーク出身の歌手 Wynter Gordon が2013年1月に発表した EP 。

過去に David GuettaFlo Rida 、日本の DJ KOMORI と共演してるみたいだけど、私ははじめて聴いた。

んで、その共演した事のあるアーティストの名前見ても、イマイチ彼女がどんな歌い手なのか想像しづらい感なんだけど、それは今作を聴いても変わらず。

ゆったりとしたバラードの “Tomorrow” で始まり、弾むようなメロディのポップス “Lucky Ones” 、ベースが前面に出たトラックの上で加工された彼女のラップが乗る “TKO” 、抑えた感じのバースから荘厳なサビに流れるバラード “Reach Out” 、四つ打ちの上でオリエンタルなメロディを歌い上げる “Levitate” と、どの曲も方向性がバラバラで、彼女の本来のスタイルというものが何なのかはよく分からない。

ただ、本作に関しては、それぞれのスタイルをしっかりとものにした歌を Wynter Gordon と聴かせていて、つまり彼女の歌が一本の芯として作品を貫いているので、ことさら散漫な印象は受けないし、逆にスタイルの違いを多様性として楽しめる。

あと今どきソウルや R&B の匂いを全くといっていいほど感じさせないのも逆に新鮮でした。

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TASO / Draped Up (The Dankles) mp3

Draped Up
http://thedankles.com/

ベイエリアのトラックメイカー、 Taso が2013年1月に発表したミニ・アルバム。
Taso は過去に「World Wide Juke」に参加した事もある人で、ジュークやゲットーベースなど、ベース系のトラックを作る事が多い人みたいだけど、今作はトラップが中心。

とまぁ書いてみたものの、以前書いたようにトラップって実はよく分かってなくて、 RA の記事軽く読んだことあるくらいの知識しかないんですが、ベースがブオンブオンいっててスネアとハットがスコココ鳴ってるのがトラップなのかなぁ、となんとなく思っております(超適当)。

んで、今作の走り出しそうなスネアやハットなんかは正にそんな感じなんですが、普段ベース系のトラックを作っているだけあって、サイケデリックな色合いのギターを横からなぎ倒すようになる “Rollin Choppas” のベースラインや、冒頭の柔らかな音の鳴りから、ベースの音を硬くする事によって曲を重厚なものへとしている “Playerz Ball” 、波状に鳴るベースが気持ちいい “Draped Up” など、ベースが中心になっているものが多く楽しめる。

とはいいつつも、何だかんだで一番好きなのは「DJ Go」というヴォイス・サンプルが乗る脱力気味のジューク “Go DJ” で、こういう適当な感じのトラックがいいのも魅力的。

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Ricky Hil / SYLDD (Self Released) mp3

Ricky Hil / SYLDD
http://rickyhil.com/

Tommy Hilfiger の息子だという Ricky Hil が2013年2月にフリーで発表したデビュー・アルバム。
なんでも本作は元々 Warner Bros. から出る予定だったものの、発売日の延期などでなかなかリリースされない事に業を煮やし、無料公開に踏み切ったものだそう(ちなみにタイトルは「Support Your Local Drug Dealer」の略)。
なのでフリーとはいえ Leona LewisThe Weeknd が参加していたりと、なかなか豪華。

ただ音の方はというと、もの悲しいアコースティック・ギターの調べで始まる冒頭の “Slickville” からしてあまり作りこまれた感じはない。さらにビートこそヒップホップのモノながら、そこにブルージーなギターが絡み、その上で Ricky Hil がしゃがれ声でラップや歌を聴かせるという、要はラッパーが作るロック作としてはありがちな作り。

さらに Ricky Hil の歌が明確なメロディを歌い上げるというよりは、鼻歌のようにふわふわと気だるく声を出すものなので、どうしても雰囲気モノという印象が強くなってしまうんだけど、このたそがれた空気感というのは悪くない。
なかでも柔らかな演奏やメロディと銃声のサンプリングの対比が印象的な “The Right Time” いい。

The Weeknd と Leona Lewis が参加した部分だけ音楽的完成度が一気に上がって感じるのはご愛嬌。

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WAX / 50005 (Wax) mp3

WAX / 50005 (Wax)

Shed の名義で知られる René Pawlowitz が、2013年1月に Wax 名義で出したシングル。
René Pawlowitz 自身は様々な名義でそれほど間を空けずに作品を発表しているが、 Wax 名義では約2年ぶり。

Shed って『Shedding The Past』(関連記事)のときは比較的繊細な音作りをするアーティストという印象だったのが、いつの間にか非常に太いリズムを鳴らすようになっていて、それゆえにダンスを意識した名義である Wax や eqd との差異が分かりづらくなっていました。

そこを本人も意識しての事なのかは分からないが、今作はむしろ以前の Shed を思わせる繊細な音作りになっている。

特に A 面の曲は、四つ打ちのキックこそあるものの、そのキックもポツポツと鳴るような頼りないもので、そこだけを抜き出せばダンスとは結び付けづらい。しかし徐々に入ってくるシンセの、空間的な拡がりを感じさせながらも、同時に深い余韻も残す音が非常に美しく、またその間を縫うようなハイハット、そしてリズムが絡み合う事によって、緩やかながらもグルーヴを紡いでいて流石の完成度。

一方 B 面の曲は、太いリズムに、ミニマル・ダブ的な上モノが乗るいつもの Wax という感じ。しかしダブ処理による残響音を少し鳴らして、以降断ち切ることによってなんとも骨太な印象に仕上げていて面白い。

今度はこっちの名義でもアルバム出してほしいものです。

試聴

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Waka Flocka Flame / Duflocka Rant 2 (Self Released) mp3

Waka Flocka Flame / Duflocka Rant 2
http://www.wakaflockabsm.com/

眠いので簡単に。

ニューヨーク出身のラッパーさんが2013年2月にだしたミックステープ。

ゲームを模したジャケットにどう反応すればいいのか困ってしまうのだが、中身の方も個人的にはどうにもピンとこなくて困りモノ。
基本的には派手なトラックの上で Waka のがなり系のラップが乗るという曲がほとんどで、それなりに起伏はあるものの、印象としては似たような曲がずっと続くので、通しで聴くのは少々辛い。
あとフックアップのつもりなのかもしれないけど、参加ラッパーがやたらと多いのも、作品の散漫な印象を強めている。
シンプルながらもちゃんと跳ねるトラックとか嫌いじゃないんだけど。

あと Waka Flocka Flame って “Black And Yellow” の人かと思ってたんだけど、あっちは Wiz Khalifa なのね。もう少し勉強が必要なようです・・・。

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LIZ / XTC (Jeffree’s) mp3

LIZ -XTC
http://jeffrees.tumblr.com/

Mad Decent のサブレーベル Jeffree’s から、 Beyonce 好きだというカリフォルニアのシンガー Liz のデビュー・シングル。

クレジットを見るとプロデューサーは Mad Decent 周辺の人が多いみたいだけど、私はあまり Mad Decent って追いかけてないので、さて最近の Mad Decent はどんな方向性なのだろうと聴いてみると、 “XTC” がなんとも直球のポップスで驚く。

ほとんどイントロもなく流れ出す歌声は、プロフィールから想像するような黒いものではなく、むしろ80~90年代の白人女性ポップスを連想する線の細いもので、それはキラキラした上モノも同様。つまりは曲としては Mad Decent からとは思えないほど類型的なんだけど(ビートが Trap っぽい気もするけど、Trap って実はよく分かってない・・・)、全編サビなんじゃないかと思えるほど歌い上げるメロディが、それでも過剰さの一歩手前で抑える事により、次々押し寄せる波に身を任せているような心地よさがあり非常に魅力的。

もう1曲の “Underdogs” は RiFF RAFF というラッパーが参加したヒップホップで、ラップよりも歌の部分が多いのでそれほど気にならないとはいえ、彼女の孤影の線の細さは如何ともしがたく、曲としては中途半端かしら。

ダウンロード

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Nosaj Thing / Home (Innovative Leisure) mp3

Nosaj Thing / Home (Innovative Leisure)
http://www.innovativeleisure.net/

LA出身の韓国系アメリカ人 Nosaj Thing こと Nosaj Thing が2013年1月発表した2枚目のアルバム。

彼は現在27歳らしいんだけど、なんでも13歳の頃から音楽活動をしており、また Low End Theory の常連アーティストとしてもよく紹介される人で、まぁ要は今イケてるビートメイカーの一人なわけですね。

しかし今作は、そんな経歴から想像するような、ダブステップやジュークなどの時代のビートを貪欲に取り込んだ作品とかではなく、むしろ懐古的な色合いが強い。それはアルバム・タイトルの『Home』であったり、Blonde Redhead の Kazu Makino が参加した今作のリード・トラックである “Eclipse/Blue” の、まるで逆回転させているかのような柔らかなトラックで予見されていたのかもしれないが、他にも時を刻む針の音を思わせるリズムの上でオルゴールのような音色がメロディを奏でる “Safe” 、昔のアメリカ映画のサントラから切り出してきたようなピアノ曲 “Prelude” 、90年代によく聴かれた、所謂ドリルンベースを思わせる高速ブレイクビーツの “Light 3” など、作品全体の雰囲気として統一が図られており、少なくともクラブで映えそうな攻撃的な曲はまったくない。

なので聴き様によっては一昔前のエレクトロニカと変わんないんじゃないか、って気もするし、実際ビート・ミュージックとしての刺激には乏しいんだけど、懐古的な中にもきちんと流れや緩急があって物語性を演出しているのと、チルウェイヴやシューゲイザーを思わせる薄いノイズ交じりの音像が現代性を演出しているので、そういった意味での古臭さはあまり感じずに心地よく聴ける(靄がかった音像は今作の懐古的な雰囲気にも合ってるしね)。

まぁ私は Low End Theory 自体、実力派の昔取った杵柄的なものだと思っているので、そこに彼の早熟なキャリアというものが合わされば、こういう作品になるのは自然な気がするので、変に時代の先端的なものを期待しなければ楽しめる作品ではないかと。

Home - Nosaj Thing

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PICNIC WOMEN / Ⅱ WOMEN EP (Self Released) mp3

PICNIC WOMEN / Ⅱ WOMEN EP
http://picnicwomen.bandcamp.com/

大阪のトラックメイカーらしい Picnic Women が2013年1月に出したシングル。

この人の音源は『stylus ep』と『WITCHCRAFT EP』という2012年の作品で聴いた事があって、その時点でネタ感がありながらも洗練されたジュークを聴かせていた。
しかし Mariah Carey と Boyz II Me nの “One Sweet Day” をネタにしたという本作の表題曲は(っていうかこの記事で指摘されているの見るまで全く気がつかなかったので、すげぇやられたって思いましたですよ)、さらにその洗練が進んでいて、冒頭のギターとピアノの美しさや、声ネタが多い事もあって、ほとんどポップな R&B といってもいいものになっている。ただゆったりしているようでも細かく動いているベースラインや、走るスネアがジュークである事を主張していて面白いし、スクリュー的な遅回しが多い中、声ネタのピッチを上げて使っているのにもにやりとさせられる。

2曲目の “Black Bave” は疾走感のある声ネタとシンセが気持ちいジュークで、これも魅力的なのだが、それよりも面白いのが3曲目の “African” 。タイトルから想像するアフリカ音楽的なものではなく(多分使ってる声ネタがタイトルの由来なのかな)、冒頭こそいかにもジュークといった感じなんだけど、途中から一転四つ打ちになる底抜けに楽しい曲。それでいてネタを含めた上モノの柔らかさはソウルやファンクのようでもあり、高速のキックとユーモラスな音色のシンセが絡んでひたすら上がる感じはハッピーハードコアみたいでもあり、でも総体としてはシャンガーン・エレクトロに近い感じもあったり(あそこまで早くないけど)、色々な要素が感じられるのも興味深い。

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Ashtonomics / -1989 – (Self Released) mp3

Ashtonomics / -1989 -
http://ashtonomics.tumblr.com/

ヒューストンのプロデューサー Ashtonomics が2012年12月に発表したビートテープ。Ashtonomics というアーティスト名はギリシャ語由来で云々、みたいな事がプロフィールに書いてるけど、ギリシャ系の人なのかは不明。

その他プロフィールには J. Dilla や Madlib 等が影響を受けた人として名前が挙がっていて、ものすごく大きな括りでのジャジー・ヒップホップ、という意味では同様なものの、彼らのようなタメの効いたリズムの煙たいヒップホップではなく、上モノの流麗さを活かしたような洗練されたビートが多い。その分ビートだけ抜き出すと淡白なものが多いものの、”Bring back the 90s.” を筆頭に上モノは歌心に溢れたものが多く(実際声ネタも多いんだけど)、曲全体としては非常にバランスが取れているし、一方で浮遊感のあるベースラインをメロディのようにも使っている “Old Memories.” のような曲もあり面白い。

非常に洗練されている分、メロディでちゃんと引っ掛かりを作っているのできちんと印象にも残るし、これは地味ながらなかなかの良作だ。

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Bongripper/Hate / Bongripper // Hate Split (Great Barrier) mp3

Bongripper/Hate / Bongripper // Hate Split
http://www.bongripper.com/

シカゴの4人組 Bongripper が、同じくシカゴの Hate と2013年2月に出したスプリット盤。
6曲中5曲が Hate の曲という変則的な構成ながら、 Bongripper の曲が10分越えなのに対して、 Hate は1分未満の曲がほとんどなので、収録時間としては Bongripper の方が長い。

その Bongripper は、そもそもバンドの成り立ちからしてジャムセッションから始まったようなので、今作に収録された曲も分かりやすいメロディや構成のないインスト。時折思い出したように走り出す部分があるものの、基本的にはドゥーム・メタルと呼ばれるスタイルの音で、ダウンチューニングされたギターとベースの出す歪んだ音色は非常に重い。ただドゥームのオカルトっぽさや、ストーナー系の葉っぱくさい極端に弛緩した感じは薄く、上述したようなジャム的なラフな空気が強いので、その分聴きやすい反面、掴みどころがなくてイマイチ印象に残りにくい。

一方の Hate はブラック・メタルっぽい喚き散らす感じのヴォーカルのハードコア(ブラッケンドってほどでもない)。ものすごい勢いで突っ走る曲が、まず痛快で非常にかっこいいのだが、唯一4分と長い “Invisible Man” のような、リフで聴かせるスローテンポの曲でもきちんとうねりのある演奏を聴かせいていて、ただ早いだけではないのが好印象。
Hate はもっと他の音源も聴いてみたい(けどこのバンド名じゃ検索で見つけられない・・・)。

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CD3枚、LP2枚、CDS3枚、12インチ1枚、カセット1本、ファイル1

KAT-TUN / EXPOSEKAT-TUN / EXPOSEKAT-TUN / EXPOSEJK FLESH/PRURIENT / WORSHIP IS THE CLEANSING OF THE IMAGINATIONKLOOZ / DECORATIONKLOOZ / DECOREMIXFEN / DUSTWALKERRegis / Turin VersionsBun/Fumitake Tamura / MinimalismV.A. / Ferro #00V.A. / Von 5 bis 12 Uhrmy bloody valentine / m b v

KAT-TUN / EXPOSE
JK FLESH/PRURIENT / WORSHIP IS THE CLEANSING OF THE IMAGINATION
KLOOZ / DECORATION
FEN / DUSTWALKER
Regis / Turin Versions
Bun/Fumitake Tamura / Minimalism
V.A. / Ferro #00
V.A. / Von 5 bis 12 Uhr
my bloody valentine / m b v

ここ1週間位で買ったやつ。一応言い訳しておくと(誰にだ)、一度に沢山買ったわけじゃなくて、1,2ヶ月前に買ったやつの発送が重なっただけだよ本当だよ。
KAT-TUN は今年初ジャニーズ。春にはアルバムですかね。 JK FLESH のはスプリット盤。一応メタル? KLOOZ はたまには話題盤も聴かなきゃと思って。 FEN はブラックメタル。2011年に出たアルバムほとんど聴けてないんだけどな。 Regis のは Blackest Ever Black のサイトのみで買えた限定盤。たまたま普通に買えたからいいけど、最近この手の多くて追うのがきついっす。 Bun のはファイル先に落としてたやつのブツがようやく来た。逆に Ferro のコンピはまだブツが来てないんだけど、本当に来るか不安なので先に載せてみた。マイブラは、まぁあれだけ盛り上げられたら買うよ・・・。

Senking / Dazed (Raster-Noton) mp3

Senking / Dazed (Raster-Noton)
http://www.raster-noton.net/

Raster-Noton の作品をよく聴いた2011年に比べると、あんまりピンとくるのがなくて2012年はそれほど聴かなかったんですが、そんな中印象に残っているのが本作。
Senking こと Jens Massel さんが2012年5月に発表したシングル。

Raster-Noton って強烈なエレクトリック・ビートの作品はいくつも出しているけど、ダブステップに関しては特に影響を感じることがなかったんだけど(もちろん全部聴いてるわけじゃないけど)、今作の “The Dance Hall Walk” は明らかにダブステップのスタイルを踏襲したものになっている。

しかしただのダブステップではもちろんなく、地面を這いずり回るようなベースラインと変則的なキックやスネアの絡みのみで聴かせる前半は、ほとんどドローンのよう。そこから歌とも語りともつかない男声が入ってくる中盤以降、音数も増え、曲の輪郭がはっきりとしていくにしたがって、徐々にではあるが曲が熱を帯びてくるのが分かって面白い。

もう1曲の “Closing Eyes” は、ほとんどスネアが入ってくる事はなく、延々とベースが鳴っているような、 “The Dance Hall Walk” よりさらにドローンっぽい曲にはなっているものの、ベース・ミュージック的な低音のグルーヴもしっかりと感じられ、ただ頭でっかちなだけではない、身体性を伴った曲になっていて、こちらも聴き応えがある。

Dazed - Single - Senking

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Howl Ensemble / Hysterical Naked Ep (All Inn) mp3

Howl Ensemble / Hysterical Naked Ep (All Inn)
http://www.allinnrecords.com/

今日は疲れたので軽めに。

Howl Ensemble ことGiovanni Verrina が2013年1月に、ルーマニアのレーベル All Inn から出したシングル。
All Inn っていうと、リリース感覚にばらつきのあることが多いルーマニア勢の中にあって、定期的に作品を発表している数少ないレーベルですが、ルーマニア系のレーベルの多くがそうであるように、アナログでしか作品を出してなかったりします。
そんな All Inn が Soundcloud で突然フリーで発表したのが本作で、これからファイルでもリリースするのかと思いきや、いつの間にか削除されちゃって落とせなくなっているという、一体何がしたかったのかよく分からない作品なんですが、そんな事とは関係なく曲は非常に良い。

デジタル、っていうことが関係しているのかどうなのか、とりあえずいつもの All Inn の作品に比べると若干音が硬い気はするんだけど、中盤から入ってくるピアノが美しい “Hysterical Naked” 、同じピアノのフレーズを用いながらも変則的で重たいリズムで印象を変えている “Heavenly Connect” 、パーカッシブなリズムとうなるベースラインの絡みが気持ちいい “Starry Dynamo” と、どの曲も完成度高く、それゆえに短期間で削除してしまったのはもったいなく思える。

果たしてこのシリーズに続きがあるのか分からないが、次があるなら楽しみにしたい。

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Vallens (Dvvllxns) / Lxtvny (Shelter Press) mp3

Vallens (Dvvllxns) / Lxtvny (Shelter Press)
http://www.shelter-press.com/

ブリュッセルのレーベル Shelter Press から Vallens (Dvvllxns) という人の EP (2012年作)。

今作の音楽性を一言で書けばミニマル・ダブ、ということになるのだろうけれど、所謂ベーチャン系のそれとは違って、もう少しシューゲイザー的なノイズ成分の強いもの。なのでよくある紋切り型のものにならずに、現代性を持ちながらも、どっしりとしたリズムでグルーヴも作り出している、非常にバランス感覚に優れた作品になっている。
まぁ “Xochitl” の後半のとぐろを巻くように鳴るノイズを聴くと、もうちょっとノイズ成分多目でもよかったんじゃないかと思うけど、それでも十分良作かと。

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