even tuell + metaboman/aqua jet ep(musik krause)12″

even tuell + metaboman/aqua jet ep
http://www.musikkrause.de/

なんだか気がつけば同じ musik krause 出身の Someone Else に完全に水をあけられた印象の metaboman なんですが、最新作となるこの even tuell とのスプリット盤はなかなかユニーク。

序盤の淡々と鳴るパーカッシブなビートが、地味ながらもまずかっこいいんだけど、中盤に何故だか分からないんだけど琴のサンプリングが乗ってくるんですよね。そこからさらにピアノとサックスが絡んできて、雰囲気としては以前の Villalobos あたりに近いんだけど、こちらの方がビートと上ものがイマイチ交わってない感じ。でも私的にはその異物感が逆に面白かったです。だからその分演奏がジャズっぽい感じで収束しちゃうのが勿体無いかな。

あと even tuell という人は始めて聞く名前なんだけど、何気に Lowtec (過去記事)のアルバムに参加してた人なんですね。
こちらの方は終始淡々としたミニマル・トラックで、聴き手に対してにこりともしやがらないんだけど、その音の強度と深さはなかなかのもの。
今度は名前ちゃんと覚えておこう。

視聴→Metaboman - Aqua Jet - EP

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siphon code/わすれもの CDR

siphon_code.jpg
http://www.siphoncode.com/

2週間前くらいに初めて恵比寿の wenod に行きました。
wenod というのは物凄くコアなヒップ・ホップを置いてることで知られるお店で、日本のヒップ・ホップのCDR作品とかは大体ここか Jet Set で買ってます。今までオンラインは利用してたんだけど、わざわざ店一軒行くために恵比寿まで行くのが面倒で行った事なかったんですよね。

という事で少しドキドキしながらお店に入ったんだけど、なんかさっぱり分からない盤ばかりでしたね。私もヒップ・ホップ聴くようになってそれなりに年数経つので、ちょっとは分かるようになってきたのではないかと思ってたんだけど、全然甘かったです。まぁその分面白そうなのも多かったんだけど。

ということで前置きが長くなりましたが、これはそのときにジャケの可愛さと値段の安さに惹かれて買いました。

この siphon code というグループについては全く知らなかったんだけど、調べてみると SMRYTRPS のメンバーである Zom と Zoe によるもの。

とにかく1曲目の始まりのアカペラと美しいピアノのループにいきなり引き込まれてしまうんだけど、それ以降もヒップ・ホップとエレクトロニカとジャズの間を行ったり来たりするトラックと、それに乗るフワフワと浮遊感のあるラップが実に気持ちいい。声質が似てるからか Soul Scream にも近い印象なんだけど、こちらの方がずっと軽やか。それでいてヒップ・ホップ的な躍動感は失われておらず、さらにはエレクトロニカ寄りなトラックでの繊細な美しさには、思わず聴きほれてしまいます。

正直今までタカツキ周辺ってあんまり興味なかったんだけど、認識を改めさせられました。
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Lowtec/Going nowhere E.P.(broque)MP3

Lowtec/Going nowhere E.P.
http://www.broque.de/

以前紹介した broque (過去記事)のサイトをチェックしていたら新作がアップされていて、それがなんと Lowtec !って書いていったい何人の人がこの興奮を分かってくれるのでしょうか、って感じですね。
彼は非常に寡作ながらとても優れた作品をいくつも残している人で、特にアルバム『Secret Corner』はヨーロッパ的な感覚とデトロイト的な感覚が絶妙に融合した傑作。その後もそれほど多くの曲を発表している人ではないので、新作がネット・リリースというのはかなり意外な感じです。

音の方はこの人らしいメロウなミニマル・ハウス。 James Din A4 のリミックスでみせた実験的な音響構築は影を潜め、職人的な完成度の方を選んだ感じ。正直新味はないんだけど、やっぱりこの独特なメロウネスには抗えないんですよね。
KOMPAKT とか好きな人にはいいのではないかと。

ダウンロード→broque
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