KREVA / 青 (PONYCANYON) CD

KREVA / 青 (PONYCANYON)
http://www.kreva.biz/

1、2、3月に発表した配信限定曲に未発表の “So Sexy” を足した4曲入りシングル。

Kreva って剥き出しのビートの上でラップしていたソロ・デビュー時に比べると、どんどんメロディアスな方向にいっておりますが、今作は4曲ともメロディアス路線。しかしキックのときの情緒的なものとも違い、それでいて4曲とも表情の違うポップさを持っていて、そこは素直にすごいとは思うんだけど、どの曲も器用貧乏というか、イマイチパンチが足りなくて、ゆえに全体としてとても印象が薄い。トラックがどれも無難な出来なのも、物足りなさに拍車をかけている気がします。

思えば Kreva ってデビュー時のインタビューで「”アンバランス” のメロディを書いたのは誰か、世間に知らしめたかった」みたいな事言っていた人なので、メロディ重視の路線というのは至極当然なのかもしれないけれど、現在のラッパーの中で唯一商業的に成功しているといっても過言ではない人なんだから、そろそろ次の一手を見せてほしい。

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KREVA - 青 - EP

安室奈美恵 / WILD (avex) CD

安室奈美恵 / WILD (avex)
http://www.avexnet.or.jp/amuro/

昨年はベスト・アルバム(過去記事)の大ヒットがあったのでそれほど気にならなかったけど、何気に約1年ぶりとなる安室奈美恵のシングル。

そのベスト・アルバムに収録されていた新曲2曲は、それまでのR&B/ヒップ・ホップ路線から、最近のエレクトロを意識したのかダンス色の濃い曲でしたが、このシングルでは両曲四つ打ちのダンス・ナンバー。最初CMで “Dr.” のクラシックをネタにしたところを聴いた限りでは、全くどんな曲なのか想像できなかったけれど、CDで全部聴いてみても、やっぱりよく分からない変な曲ですね。

で、その “Dr.” の印象なんですが、最初聴いたときはまるでプログレみたいだなぁと。まぁそれはやはりクラシック・ネタの部分の唐突さにあるんだけど、それ以外の部分でもこの曲はなかなか面白くて、いかにも電子音といった感じの上モノはちょっとデトロイト・テクノっぽいし、さらによく動くベースとイマイチ気の抜けたドラムの組み合わせはエレクトロっぽくて、ようはこれはすごく上品にしたデトロイトなんじゃねぇのかなぁ、なんて思ってしまいます(まぁ私は光ゲンジの “STAR LIGHT” がデトロイト・クラシックだと思っている頭の腐った人間なんで気にしないほうがいいです)。個人的には “WANT ME, WANT ME” なんかよりはるかに衝撃的な曲です。

一方の “WILD” はエレクトロとトランスを掛け合わせたような曲で普通にカッコいいんだけど、それよりもクラブでもいけそうなぶっとい低音にしびれます。

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RAY OKPARA / BROTHERS EP (OSLO) mp3

RAY OKPARA / BROTHERS EP (OSLO)
http://www.myspace.com/oslorecords

こちらは『Toolpool』(過去記事)にリミキサーとして参加していた Ray Okpara のシングル。

このレーベルらしいというべきなのか、 Ray Okpara らしいというべきなのか、とにかく隙間のあるゆったりとしたビートの隙間で甲高くパーカッションが鳴る “Brothers” と “Snice” も大層気持ちが良いトラックなんだけど、浮遊感のある柔らかなシンセの音色とパーカッションが絡むテック・ハウスな “We Keep” がなかなか新鮮。ごちゃごちゃしそうなところを絶妙なバランスで組み合わせていてすごく気持ち良い。

いい加減パーカッション・ミニマルって飽きてきた感がなくもないんだけど、実際聴くとやっぱり良いんだよねぇ、というのを実感する一枚。

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Christian Burkhardt / Toolpool (OsloSpecial) mp3

Christian Burkhardt / Toolpool (OsloSpecial)
http://www.myspace.com/oslorecords

Beatport のみで配信されている Oslo のシングル。
私はこの Christian Burkhardt の名前をはじめて聞いたんだけど、 Oslo の初期からリリースしていた人みたいですね。

タイトルについている「Tool」というのがDJツールを意味しているのかは分からないけれど、トラックの方も大袈裟な展開などない硬派なミニマル・ハウス。
しかしどの曲も嫌味にならない程度に声ネタやシンセなど分かりやすい音を使っていて、質感としては人懐っこいもので、そういった意味では Perlon にも近い感じがある。このレーベルのトレードマークともいえるパーカッションをあからさまに使っていないのも良いんじゃないかしら。地味ながら佳作です。
Ray Okpara のリミックスは可もなく不可もなく。

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Moodymann / DET.RIOT ’67 (KDJ) 12″

Moodymann / DET.RIOT '67 (KDJ)
http://www.mahoganimusic.com/

Moodymann が昨年末発表した、3部作になるというミニ・アルバムの第1弾。

Moodymann というとジャズやソウルから抽出したどす黒いグルーヴをハウスに落とし込んだような曲が多い人ですが、今作はわりとそういった面は抑え目になっていて、四つ打ちの曲も、5曲中2曲だけ。
しかしその代わり、というわけでもないんだろうけど、いつも以上に猥雑な色が濃い、というかぶっちゃけ今作はかなりエロイ。

その中でも1番強烈なのが1曲目の “Freeki Mutha F cker” で、ねっとりとしたベース・ラインからしてエロイのだが、その上に乗る、恐らく Moodymann 本人と思われるヴォーカルがまるで全身を嘗め回すようで、しかしそれでいて下品になりすぎていないのは流石。
以降の曲も、 “Hello 2morrow” こそ比較的ストレートなハウスなんだけど、他はどれもねっとりと絡みつくようなグルーヴが特徴的で、中でもソウルとファンクを掛け合わせたような、怪しいグルーヴを発している “4 One Night” は特に魅力的。

Moodymann の中では未だに『Forevernevermore』の前半のズブズブな感じが一番好きな人間としては、この路線を彼に求めているかというとちょっと違うんだけど、数年前のアルバムでの非常に洗練された感じからの、この猥雑さへの振り切れ方はなかなか面白い。
あと曲数少ないのがやはり物足りなくはあるんだけど、それは3部作全部聴いてからまた判断したいところ。

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YUKI / ランデヴー (smej) CD

YUKI / ランデヴー (smej)
http://www.yukiweb.net/

現在第3子を妊娠中だという Yuki の18枚目のシングル。

この人の曲を聴くのは随分久しぶりなんだけど(リリース自体も1年ぶりだとか)、表題曲の “ランデヴー” は、もう Yuki のお馴染みの路線といった感じのダンス・ポップ。
なので特に新鮮さとかはないんだけど安定感は抜群で、あからさまにダンスっぽいアレンジにしていなくても、ちゃんと四つ打ち感があるのが良いですね。

カップリングの “ミス・イエスタデイ” は、ゆったりとした感じの曲で、こういう曲では Yuki の柔らかさが出ていて、こちらはこちらでまた良い曲。

まぁシングル2曲ともここまで王道路線だとちょっと物足りなくもないんだけど、産休前の置き土産と考えれば、それもありかなと。
あとジャケットが非常に可愛いので私的にはOKです(笑)。

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MiChi / ChaNge the WoRLd (smej) CD

MiChi / ChaNge the WoRLd (smej)
http://www.michiness.com/

“PROMiSE” が最高だった MiChi さんのメジャー2枚目となるシングル。前作に続き今回もけっこう大きいタイアップがついていて、それだけ期待されているということなんだろうけれど、今作はイマイチですかね。

四つ打ちだった前作から微妙に変化して、今作は明るめなエレ・ポップ。この曲自体はそれほど悪いものだとは思わないんだけど、明るい曲調の方がどうもしっくりきませんでして。というのも、この人歌詞から声からやたらめったら前向きさが溢れ出ているような人でして、そこに明るい曲調が合わさると、こう書いてしまっては少々なんだが、はっきりいってうざい。しかもその前向きさというものが、今どきの J-POP にありがちな、すごくありふれたものなんだよね。
まぁ前作の時点でそういう匂いは多分にあったんだけど、今作ではそれが躊躇に出すぎているかなぁと。

あとリミックスを含むカップリングに関しては、残念ながらこちらもイマイチ。これでカップリングが良ければ、また印象違ったんだけどなぁ。

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Kaidi Tatham / In Search Of Hope (Freedom School) mp3

Kaidi Tatham / In Search Of Hope (Freedom School)
http://www.freedom-school.net/

Bugz in the Attic や Neon Phusion などに参加し、西ロンドンのシーンの中心人物といっても過言ではないキーボーディスト、 Kaidi Tatham の6年ぶり2枚目となるソロ・アルバム。

かつて西ロンでブロークン・ビーツと呼ばれていた音楽を作っていた人達っていうと、その後はソウルやR&B に傾倒するというのがほぼお決まりといった感じで、今作もジャケットだけ見るとそういった匂いがプンプンしますが、中身はそれほどでもない。

というよりも、むしろかなり往年(っていうと失礼か)を思わせる造りになっていて、短いイントロに続いての “Swift Inspiration (Quick Kid)” からして、リズムの上で軽やかに Kaidi Tatham のキーボードが踊るブロークン・ビーツ。この曲以降も、疾走感のあるブレイク・ビーツ/ブロークン・ビーツを使ったジャジーな曲が多くを占めていて、こう書くと懐古的な音楽なのかと思う人もいるかもしれないけど、そこにソウルやジャズなどのブラック・ミュージックの普遍的な要素を絶妙に融合させることによって、中途半端な古さを感じさせない、むしろ普遍性さえ感じさせる音楽に仕上げている。

まぁ昔から Kaidi Tatham の作風はこうだったような気もするので、彼は回りに流されずに自分を貫いた、ということなのかしら。
兎にも角にも良作です。

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Timo Maas / Subtellite Remix (COCOON) mp3

Timo Maas / Subtellite Remix (COCOON)
http://www.cocoon.net/

Timo Maas までもが Cocoon から、っていうんで、世間はどうだか知らないが少なくとも私は大変驚いた『THE SUBTELLITE』(過去記事)のリミックス盤。

原曲は扇情的なシンセとクラシック・ギターの調べが実に素晴らしいテック・ミニマルだったわけですが、 Sharam のリミックスは、その印象的なシンセはそのままに、ボトムだけ太くしてフロア仕様にした感じ。なのでDJの方には使いやすくなったのかもしれないけれど、リミックスとしては中途半端で、これなら原曲の方が良いかな。

一方の Argy の方は、原曲のシンセを生かしつつも、ギターに思いっきりディレイをかけて重層的に重ねることによって、サイケデリックな音空間を構築していて、こちらはかなり面白い。今のパーカッシブ・ミニマルともリンクするリズムもカッコいい。

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The Prodigy / Invaders Must Die (Take Me To The Hospital) mp3

The Prodigy / Invaders Must Die (Take Me To The Hospital)
http://www.theprodigy.com/

Prodigy の前作『always outnumbered,never outgunned』(過去記事)って、少し前に改めて聴いてみて気がついたんだけど、現在のダブ・ステップだったりエレクトロだったりの感覚が随所に感じられて、意外に古びてないんだよね。なのでこの新作にも何気に期待していたのですが、方向が全く違うという意味では期待を裏切りながらも、作品としてはかなり良いのではないでしょうか。

Prodigy っていうと私なんかからすると未だに「デジロック」な印象が強く、実際この作品でもロックの要素を多分に含んだブレイク・ビーツという点では、そんなに離れたモノではないんだけど、元祖レイヴ・バンドの意地なのか、作品全編で派手な扇情的に鳴っていて、しかしそれでいて楽曲がきちんと勢いを持っているため、飽きる前に条件反射的に盛り上がれる。しかもスロー・テンポの曲がほとんどなく、どれも高いテンションで突っ走るのもまた痛快。

前作でアレだけ目立っていた Keith Flint の存在感が、爆音のビートで消し飛びそうなくらいに小さくなっているのが若干寂しくはあるものの、現在 Prodigy が出すアルバムとしてはほぼ満点といっても良いアルバムなんじゃないかしら。
これなら最高傑作といわれるのも頷けます。

ザ・プロディジー/THE PRODIGY - Invaders Must Die

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